元宝塚歌劇団 花組 芹尚英さん
樽井美帆です
宝塚歌劇の夢と情報をお届けする『レビュー・ステイション』
6月7日(土)は、スペシャルゲストデイをお届けしました!
お迎えしたのは、
元宝塚歌劇団 花組 芹尚 英さん
2015年、『1789』で初舞台を踏まれた101期生。
2022年、花組公演
『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』・『Fashionable Empire』
東京宝塚劇場公演千秋楽をもって退団されました。
ステキな黒のお洋服で登場してくださった芹尚さん。
黒はずっと好きな色だそうです。
全身黒のワントーンコーディネートのコツは、素材違いで合わせること。
みなさんもぜひお試しくださいね😊
芹尚さんと宝塚歌劇との出会いは高校2年生の時。
幼い頃からクラシックバレエを習っていた芹尚さん。
宝塚歌劇団に入団されたバレエ教室の先輩の初舞台を観にいかれたのが
星組公演『ノバ・ボサ・ノバ』でした。
感激して、男役で踊りたいと思われたそうです。
一緒に観劇し、同じタイミングで宝塚歌劇団を志されたのが、
芹尚さんの妹さん、月組の羽音みかさん。
一緒にお稽古に通われたりと、ともに宝塚歌劇団を目指され、
見事、姉妹揃ってタカラジェンヌになられました✨
101期生の芹尚さんは、宝塚音楽学校に入学されてからわずか3ヶ月後に、
宝塚大劇場の大階段に立たれました。
宝塚音楽学校創立100周年記念式典でのことです。
初めての大階段の感想は、思ったより怖いな、だったそうです。
緊張しながらも楽しまれた100周年の大運動会もありました。
初舞台前に色々な経験をされたんですね。
初舞台は、2015年の月組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』。
集合日にラインダンスの構成を聞いていると、
「ここでスカートを取る。」
❓❓❓❓❓
フランス国旗をイメージしたトリコロールカラー、
青白赤の3色にグループ分けされた珍しい衣装でした。
芹尚さんは赤チーム。
途中で、芹尚さんのスカートを取る担当になったのは、
同じ花組に配属となった龍季澪さん。
緊張の中、なかなかスカートが取れないというトラブルがあったコンビもあったそうですが、
芹尚さん&龍季さんコンビは、一度もトラブルなく終えることができたそうです。
息を合わせて、支え合いながらの初舞台だったんですね。
初舞台から早替わりを経験されたからか、
花組に配属されてからも、口も手も動かしながら、早替わりの瞬間を
楽しまれたそうです。
また花組の楽屋では、公演前のわずかな時間を使って、
上級生のみなさんが下級生のみなさんに、振りや衣装の着こなしなどを
アドバイスされるそうです。
花組の男役の伝統を引継ぎ、プライドを持って教えてくださるのだそうです。
芹尚さんが花組に配属され初めて出演されたのが、鳳月杏さん主演、
2015年の宝塚バウホール公演『スターダム』。
組配属になり約1ヶ月後にはもう花組生として舞台に立たれたんですね。
芹尚さんが尊敬し、お手伝いをされていた鳳月さんの主演作への出演。
一から舞台を作るという作業が初めてで、全てが楽しくて全て学びだったそうです。
初組子としての出演でしたが、早くもアンディーという役名も!
演出の正塚晴彦さんが音楽学校の演劇の先生だったので、
私たちのことを信頼してくださって、場面を与えてくださったんだなと
愛を感じましたねと芹尚さん。
鳳月さん・水美舞斗さん・舞月なぎささん、そして芹尚さんと4人だけの場面も。
緊張と不安はあったそうですが、チャレンジ精神で挑まれたそうです。
花組のカンパニーの皆さまが、どれだけ失敗しても温かく迎え入れてくださることが
安心感につながり、色々とチャレンジすることができたとおっしゃっていました。
2018年、 宝塚バウホール公演『Senhor CRUZEIRO!』では、カポエラに挑戦!
カポエラをするにあたってのオーディションがあり、絶対に出たいという思いで挑まれ、
見事に参加が決定。
「床に手をついて踊ったことってほぼなかったんですよね笑」
いわゆるミュージカルのダンスとはかけ離れた種類なので、
動きを習得するまでがすごく時間がかかったそうです。
2018年、舞浜アンフィシアターでの『Delight Holiday』、
2019年、横浜アリーナでの『恋スルARENA』、
2度のコンサート出演をされた芹尚さん。
両公演に出演された男役さんは、なんと明日海りおさんと芹尚さんのみ!
舞浜アンフィシアターは円形の劇場。
お稽古場でも円形を想定してお稽古はされていたそうですが、
実際に会場でお稽古をすると、みんなが違う方向を向いていたりして、
感覚を揃えるのが大変だったそうです。
横浜アリーナはとにかく広い!
舞台も広いし、着替える場所も遠くて、走っても走っても着かない!
公演前から、先生方に「絶対に体力がいる」と言われていて覚悟はしていたそうです。
そこで、お稽古の時に明日海さんがこんな提案を。
自分の出番が終わって舞台袖にはけても、走り続けておこう!
出番以外の時も、ずっとお稽古場の隅を走り続けられたそうです。
その秘策があったおかげで、無事に全ての公演をやり遂げられたと思いますと芹尚さん。
2021年、『元禄バロックロック』で芹尚さんが演じられたのはスリ。
時が戻ったことを表す象徴的な場面で。
終盤の出番では、「2度目のスリ行ってきまーす!」と同期のみなさんに声をかけて
舞台へ向かわれていたそうです。
時を止める場面、時を戻す場面の動きが美しかった芹尚さんのスリ。
時を巻き戻す中にもカッコ良さを追求し、パントマイムなども研究されたそうです。
新人公演ではクラノスケを演じられました。
それまでに経験したことのない膨大なセリフ量で、つかめない表裏のある役。
本役の永久輝せあさんから、色々と学ばれたそうです。
2022年、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、東京建物 Brillia HALLで上演された
『冬霞の巴里』では、エリーニュス アレークトーという
「止めない者」の意をもつ復讐の女神役を演じられました。
ひたすらダンスで魅せる役です。
演出の指田珠子さんが、見た目からこだわられた役。
海外のファッションショーを参考に、人生初ネイルに挑戦。
復讐の女神たち(エリーニュス)三姉妹の咲乃深音さん・三空凛花さんと相談し、
お化粧を練習。
まつ毛を上下別のものを付けたり、白いまつ毛を付けたり、
人生初のカラーコンタクトを入れてみたり。
追求しこだわりをもったビジュアルで、不思議な世界観を楽しませてくださったんですね。
フィナーレでは、その特殊メイクのままバリバリかっこ良く男役群舞を踊られた芹尚さん。
踊っている時は自分の顔が見えないので、特殊メイクをしていることを忘れているけれども、
鏡を見て毎回自分のルックスにビックリされていたそうです🤣
芹尚さんの思い入れのあるセリフは、2020年『はいからさんが通る』より
花村政次郎の「頼む紅緒、両家の三代にわたる悲願を叶えておくれ、頼む」。
これは、新人公演で演じられる予定だった役ですが、
コロナ禍のため新人公演は中止となってしまいました。
残念ながら新人公演はできませんでしたが、大変な中、
一番しっかりお稽古をしていたと思いますと芹尚さん。
同期の愛乃一真さんと咲乃深音さんが踊り、芹尚さんがセリフを言うはずだった場面。
本当に愛おしそうに大切なセリフを教えてくださいました。
芹尚さんの退団公演、2022年『Fashionable Empire』。
プロローグの衣装が赤いパーカーに黒の革ジャンスタイル。
宝塚歌劇の衣装としては珍しいパーカー。
夏の公演だったため、正直ちょっと暑かったそうですが💦
ファッション好きな芹尚さんは、ステキな衣装で退団公演のプロローグを迎えることができて
とてもうれしかったそうです🤩
水美舞斗さんを中心とした “Club MISTY”でもソロで踊られ、
“Fashionable Moment”では柚香光さんと二人で踊られました。
振付の時にとても驚かれたそうですが、柚香さんと1対1で踊るという光栄な場面に、
演出家の稲葉太地さんの愛を感じられたそうです。
そして、宝塚大劇場公演の千秋楽7月11日は、
なんと芹尚さんのお誕生日でした🎉
柚香さんがカーテンコールの際、お客様に芹尚さんがお誕生日であることをお話しされ、
お祝いの拍手が送られました。
映画館でのライブ中継やライブ配信をご覧になっている方も含めて、
あんなに大勢の方から祝っていただけるなんて人生でないと思うので、
達成感とうれしさとともに、愛のある空間で千秋楽を迎えることができましたと
おっしゃっていました。
退団後はアパレルの世界に。
関西初出店の店舗のオープニングの店長もつとめられました。
現在はパーソナルトレーナーとして活躍されています。
運動すると心身ともに楽になりますし、運動してよかったなと思っていただける
きっかけ作りをしたいので、どんな方でもお待ちしていますと芹尚さん。
運動経験のある方ももちろん、どんな方でも対象だそうです。
本当に簡単なことから始めていくので気兼ねなく来ていただければ、
ありがたいですとおっしゃっていました😀
ストレッチクラスでは、ダンスの知識やヨガの知識も組み込んで、
日常生活にも必要な姿勢の維持や、階段を上るのが楽になったと言っていただけるような
基礎的な体づくりが行われるそうです。
ゆくゆくはダンスクラスも想定されているそうですよ✨
体が楽になると心も明るくなりますよとおっしゃっていました。
洗練され研ぎ澄まされた空気をまとわれている芹尚英さん。
落ち着いた優しいお人柄で、出演された公演・役への愛をお話しくださいまいした。
Instagramもモノトーンの写真や芹尚さんの世界観がステキです!
パーソナルトレーニングについても、ぜひInstagramをご覧くださいね。
YouTubeライブのアーカイブはこちらです!
✨2025年6月7日『レビュー・ステイション』(芹尚英さん)✨
芹尚英さん、ご出演くださいまして本当にありがとうございます!