やなせたかしさんの歌を集めて…

10月18日(土曜日)午後8時からの「貴志まさみの、バラのくちづけ」は
エフエム世田谷でも放送されていて、エフエム宝塚より1時間早く、午後7時からのオンエアです。
世田谷近辺におられるとき、ぜひエフエム世田谷にもTune inしてみてください。

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今回のご案内は、わたし貴志まさみ本人が文章を綴ってみましょう。

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私のレパートリーのひとつに、やなせたかしさんの詩を歌に乗せているものが何曲かあり、まず、今日の一曲目は、やなせたかしさんが戦争で亡くなった弟さんのことを思って作られた、切ない歌をお届けしようと思います。貴志まさみで「星」、お聴きください。

1曲目:星 やなせたかし作詞/小野瀬晃一作曲

やなせたかしさんと、妻の、のぶさんが主人公のドラマ、NHK朝の連続小説「あんぱん」。先月の末に終わりましたが、アニメの「アンパンマン」は今も子供たちに人気ですし、ミュージアムにも多くの人たちが集まっていますね。アンパンマンミュージアムは、横浜、名古屋、仙台、神戸、福岡と5か所にあるそうです。さて、やなせたかしさんが懸命に絵を描いていたある夜、ふと、自分の手を白熱球の電気スタンドにかざしたところ、血管のなかを血液が一所懸命流れているのを見て、こんなにもがんばって自分の身体は働いている!と感動し、この歌が生まれて来ました。やなせたかし作詞、いずみたく作曲の歌、「手のひらを太陽に」、貴志まさみの歌でお聴きください。

2曲目:手のひらを太陽に

やなせたかしさんは、たくさんの詩を書いた詩人でした。「手のひらを太陽に」のように明るく朗らかな歌もあれば、わんぱくな子どもになって書かれた詩もあります。そんな歌の一つ、「パンツはきかえのうた」というタイトルの歌があります。「パンツはきかえ」ってどういうこと?パンツをはきかえることを歌にするわけ?そんな疑問マークが頭の上に浮かんだ人もいらっしゃるかも。でも、歌詞を聞くとよくわかるんですよ。この男の子って、もしかしたら、やなせたかしさん?と思うような、そんな男の子が主人公の歌なんです。やなせたかしさん作詞、小野瀬晃一さん作曲の、「パンツはきかえのうた」。貴志まさみの歌で、お聴きください。

3曲目:パンツはきかえのうた

「パンツはきかえのうた」の作曲は、小野瀬晃一さんとご紹介しました。小野瀬晃一さんは神戸で音楽活動をされた作曲家。残念なことに、今年亡くなれてしまいました。今ごろ、天の世界でやなせさんと再会し、「やあやあ」と言いながら、歌を作っているでしょうね。そんなやなせさんと小野瀬さんの歌をもう一曲。悲しみを乗り越えていこうというひたむきさが感じられる歌、「白い街」をお聴きください。有線放送でもよく聴かれている歌です。

4曲目:白い街

さて、NHK朝の連続小説「あんぱん」には、放送作家の永六輔さんと、作曲家のいずみたくさんが、それぞれ六原永輔、いせたくやという役名で登場しました。彼らが作ったミュージカルの美術をやなせさんが手伝う、というもので、そのミュージカルが「見上げてごらん夜の星を」。名曲ですね。今も多くのシンガーに愛され、歌われています。私も大好きな歌です。では、貴志まさみで「見上げてごらん夜の星を」、お聴きください。

5曲目:見上げてごらん夜の星を

今夜は、私の大好きなやなせたかしさんが作った詩と、やなせさんにつながる歌をお届けしてきました。NHKの朝ドラが終わって、しばらく「ロストあんぱん」になった方もいらっしゃったでしょう。私もそうでした。あのドラマが私たちに届けてくれたもの、「絶望のとなりには希望がある」この言葉は多くの人々に生きる勇気を与えてくれた…私はそんなふうに思っています。では、今夜最後の歌は、秋の訪れとともにお届けしたい歌があります。貴志まさみで「秋のソナタ」お聴きください。

6曲目:秋のソナタ

どうぞ、深まりゆく秋の夜、「貴志まさみの、バラのくちづけ」でお楽しみください。