東京建物 Brillia HALL 箕面 月組公演『侍タイムスリッパー』

樽井美帆です

 

東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)にて、

月組公演ミュージカル『侍タイムスリッパー』が

1月28日(水)から2月5日(木)まで上演されました。

 

東京国際フォーラム ホールCでは、1月9日(金)から20日(火)まで上演されました。

 

東京建物 Brillia HALL 箕面で宝塚歌劇が上演されるのは初めて。

2021年8月にオープンした劇場です。

大阪メトロ御堂筋線〜北大阪急行電鉄「箕面船場阪大前」駅を利用すると、

1番出口からすぐ。

 

改札口を出て、長いエスカレーターに乗ると目の前が劇場です。

外観の特徴的な網目のデザインは、船場地域を象徴する「繊維」と、

箕面の地名の由来である農具の「箕」がモチーフになっており、

壁もガラス張りで、ロビーには光が降り注いでいました。

座席の色は、赤・黄・オレンジ。

箕面はもみじが有名なので紅葉のようですね。

 

開演アナウンスの響きも、いつもの聞き覚えのある響きとは違って新鮮でした。

 

ミュージカル『侍タイムスリッパー』の主演は、

月組トップコンビ鳳月杏さん・天紫珠李さん。

 

原作は、安田淳一さんの「侍タイムスリッパー」。

脚本・演出は、小柳奈穂子さん。

 

出演は、月組37名のみなさんと、

専科の汝鳥伶さん・夏美ようさん・輝月ゆうまさんです。

 

2024年8月に単館上映で封切られるやいなや、評判が評判を呼び全国上映へと拡大、

大ヒットを記録した映画「侍タイムスリッパー」。

日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞するなど、日本映画界に旋風を巻き起こした話題作が

宝塚歌劇の舞台に。

 

幕末、会津藩士・高坂新左衛門(鳳月杏さん)は、

長州藩士・山形彦九郎(風間柚乃さん)を討つ密命を受け、

同志・村田左之助(美颯りひさん)とともに京都に赴き、

西経寺の前で山形を待ち伏せて対峙します。

しかし戦いの最中、落雷により現代の京都にある時代劇撮影所へ

タイムスリップしてしまったのでした。

行く当てもなかった新左衛門でしたが、ある日ひょんなことから時代劇へ出演することに。

時代劇と時代劇にかかわる人々の姿に心揺さぶられた新左衛門は、「斬られ役」を志すことに。

時代劇冬の時代に誕生した斬られ役・高坂新左衛門の進む道はいかに・・・

 

幕開けから、会津藩士・高坂新左衛門(鳳月杏さん)と長州藩士・山形彦九郎(風間柚乃さん)が

対峙するという緊張感漂う場面が繰り広げられます。

刀を鞘から抜くシュッという音、刀同士が当たるカチーンという音、

刀を握り直すカチッという音が、静かな劇場に響きます。

 

幕末藩士・時代劇役者・現代の人たちが登場し、

和風の音楽に合わせてコミカルに踊るとても楽しいプロローグ。

 

関西弁のお芝居も新鮮です。

 

まさかタイムスリップしてきた人だと思っていない現代の人と、

本物の武士の会話の食い違い、間が面白いお芝居。

楽しい間と緊張感ある美しい殺陣の間。

これまでに経験したことがないほどの長い間は怖いくらい。

息をすることさえ緊張しました。

 

鳳月杏さんは、ひょんなことから現代へタイムスリップしてしまった

会津藩士・高坂新左衛門。

 

時代劇の役者が扮装をしているのではなく、明らかに本物だということが、

リアルなまげや、着物の着方や佇まい、メイクの肌色から伝わってきます。

 

常に腰が低く会津弁でゆっくりしゃべる新左衛門。

 

月組『侍タイムスリッパー』1

 

現代の様々なことに純粋に感動する、まるで赤ちゃんのような可愛らしさ。

周りが放っておけない実直さがにじみ出ています。

初めてテレビを見た時の様子や表情は最高。

新左衛門の後ろで、テレビに映し出されている映像が再現されているので、

客席に向かって座っている鳳月さん演じる新左衛門には見えないのですが、

まるで見えているかのようなタイミングで見事な表情をされるんです!

 

可愛さ、哀愁、素直さ、そして現実を受け入れる潔さを持つ新左衛門。

鴨川で優子と座った際は、自分の膝に置いた手からも実直さがあふれていました。

丸っこくて温かみを感じる手でした。

 

会津藩士の姿から、髪も服も現代仕様になった新左衛門の初登場にはキュンとしました😍

ゆるっと着たセーターや、きっちり巻いていないマフラー姿。

そんな姿も最高にステキな鳳月さん演じる新左衛門でした。

 

月組『侍タイムスリッパー』3

 

天紫珠李さんは、時代劇を愛する助監督・山本優子。

このお芝居のストーリーテラーをつとめています。

髪を一つにまとめ、めがね姿。

ジーパンにポロシャツという、天紫さんの現代の扮装が新鮮。

美しい姿勢と伸びやかな動きで溌剌と演じられ、

伸びやかに歌い踊られるのですが、要所要所でクスリと笑わせてくれます。

いつも一生懸命で優しく、人を励ます力と包容力のある天紫さん演じる優子でした。

 

風間柚乃さんは、斬られ役出身の俳優・風見恭一郎。

時代劇を引退し、現代劇に引っ張りだこの大スターです。

 

貫録と色気を兼ね備えたスーツ姿の背中がかっこいい!

何かを抱えている背中、苦悩の表情がステキな風間さん。

タイムスリップした後、長い時間をかけて様々な葛藤をしながら生きてきた、

そんな背景も感じることができる風間さん演じる風見でした。

 

月組『侍タイムスリッパー』4

 

新左衛門が生きていた元の時代と、タイムスリップしてきた現代を行き来する場面もあります。

生きていた元の時代と人を忘れない新左衛門。

大切な人たちを思い涙を流していました。

現代にタイムスリップしたことで、未来がどうなったのか、

ともに生きていた人たちがどうなったのかを知り、

力になれない悔しさや自分の無力さなど、すべての思いのこもった涙でした。

 

そんな幕末を生きる人を演じられた夏美ようさんと花妃舞音さん。

会津藩松平家の家老と娘・五月です。

凛々しく美しい五月。

可愛らしい妹的な役のイメージの花妃さんですが、

今回はいつも違うお声で演じていらっしゃいました。

自分の弱さを認め、国のために戦い亡くなった人たちを思い、

懸命に生きようとする姿に胸を打たれました。

歌声も素晴らしく感動的でした。

 

白虎隊を演じられたみなさんのお芝居にも胸を打たれました。

命令に対して、「はい」と声に出して返事をするのではなく、

コクンとうなずくことで、15~16歳の少年であることを実感しました。

うなずくというお芝居をすることで、小柳さんは幼さを表現されたのかなと想像しました。

 

行き倒れた新左衛門を助けた京都・西経寺の住職と妻は、

汝鳥伶さん・梨花ますみさん。

 

本物の夫婦にしか見えないリアルさ、そして生活感を感じるお二人。

ちゃぶ台に座る汝鳥さんは、とてもかわいらしい住職でした。

 

月組『侍タイムスリッパー』2

 

輝月ゆうまさんは、殺陣師の関本。

ロマンスグレーの髪にあごひげ。

ジーパン姿も足が長くてスタイルがよくとてもカッコイイのに、

おいちゃんにしか見えないんです!

おじさんでもおじさまでもなく「おいちゃん」なのです。

のんびり会津弁の新左衛門と対比すると一見きつく聞こえる関西弁も、

情が深くてほっこりする輝月さんの関本。

信じていい人だなと本能的に感じます。

喜ぶ時に、太もも叩いてガッツポーズする姿も、まさに「おいちゃん」です🤩

 

武者小路監督の大楠てらさん。

『GUYS AND DOLLS』のジョーイ・ビルトモアも迫力満点で怖かったですが、今回も🥰

黒いレザーのハットに革ジャン、サングラスにあごひげで凄む監督。

怖いけど面白くて、凄みとかっこよさ、そして「オーゲイ」が最高でした!

 

愛すべき登場人物たちがイキイキと舞台に息づいていました。

 

フィナーレはマツケンサンバⅡからスタート✨

ミラーボールが輝き客席降りもありました。

月組カラーの黄色の衣装で、リズミカルに踊る汝鳥さん・英真さん・梨花さんがステキ。

 

月組『侍タイムスリッパー』5

 

時代劇の主題歌にのせて繰り広げられるフィナーレです。

『銭形平次』の曲では、風間さんを中心に、輝月さんの歌で、

色っぽくかっこいいダンス。

 

『水戸黄門』の「ああ人生に涙あり」での男役群舞。

この曲がまた男役群舞に合うんですよね。

イントロの「ッカーーーー!!」というビブラスラップの音に合わせて、

鳳月さんがキメキメにカッコよく振り向かれます😍

宝塚歌劇の男役さんは、どんな曲でもキザれるんですね!

英かおとさんの歌声も素晴らしかったです。

 

トップコンビのデュエットダンスは、『大岡越前』と『必殺仕事人』。

チャリラーンというトランペットの音で抱き合うお二人。

2度目は口づけ。

新左衛門と優子を演じたお二人が、ゴールドの眩い衣装で踊られる

とてもカッコいいダンスです。

 

自然に沸き起こるほっこりした笑い、そんな中にもジーンとくる人情を感じました。

どんな時代に生きていても、感謝して生きていくことの大切さを感じることができました。