梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ雪組公演『DayDream Dali』
樽井美帆です![]()
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて雪組公演
超現実浪漫(シュルレアリスム・ロマン)『DayDream Dali』が、
4月15日(水)から23日(木)まで上演されています。
主演は、瀬央ゆりあさん。
出演は、雪組29名のみなさんと専科の輝月ゆうまさんです。
作・演出は、谷貴矢さんです。
独創的な作品の数々、特徴的なヒゲ、奇想天外な言動で世界を騒がせた画家
サルバドール・ダリ(瀬央ゆりあさん)。
最愛の妻ガラを失くしてからは筆をおき、今はスペインにある城の寝室にて
人生の終幕を待ちわびています。
そんなダリの様子を耳にして、かつての愛人アマンダ(星沢ありささん)が押しかけて来ます。
もう一度絵を描いてほしいと願いますが、年老いたダリにはもはや絵筆を握る力も残されていません。
ダリがやり場のない感情をキャンバスにぶつけたその時、部屋の中を突如として稲光が走ります。
卵から現れたのは、ナルシス(華世京さん)と名乗る男。
ダリの絵によって生み出された超現実世界「ダリランド」からやってきたという。
そして、「クイーン・ガラ(輝月ゆうまさん)」によって危機を迎えている世界を救ってほしいと
ダリに請うのですが・・・
果たしてダリは「ダリランド」の救世主(サルバドール)となれるのでしょうか。
最愛の妻ガラとのロマンスや、様々な芸術家との親交、
奇想天外な世界に真実の愛を見出していくお話です。
開演前の舞台には、金色の額縁のセットが置かれており、
そこに金縁の丸い時計が映し出されています。
そして、サルバドール・ダリの特徴でもある跳ねあがったお髭も時計には描かれています。
チクタクチクタクという音の後、ボーンボーンと時計が鳴り、
瀬央ゆりあさんの開演アナウンスです。
柔らかい時計、溶ける時計などと呼ばれるダリが描いた時計。
このお話しは時計がキーワードになっています。
幕開けは、現実のプボル城。
晩年のダリが暮らしているお城です。
雨と雷の音がする中、モデル兼歌手、ダリのかつての恋人アマンダ・リア(星沢ありささん)が
訪ねてくるところから始まります。
ダリ本人は、誰も通すなと言っていますが、どうしてもダリに合わせてほしい、
自分はダリの妻ガラからダリを託されたのだからと医者に伝え、ダリの寝室へ。
ダリの絵画で描かれているモチーフが印象的な舞台セット。
時計はダリの失った記憶、大きなタマゴは再生、若返りを表現しているのでしょうか。
瀬央ゆりあさんは、20世紀を代表する天才画家サルバドール・ダリ、
ダリが描いた絵から生まれた世界「ダリランド」の王キング・ダリを演じていらっしゃいます。
まず、年老いたダリでの登場。
目に光が宿っておらず、ひたすら最期の時がくることを待ち望んでいるようです。
声も動きも自然に、年老いたダリを演じていらっしゃいます。
「あの太陽のような明るいオーラをお持ちの瀬央さんですか?」と思ってしまうほどですよね。
絵を描こうとしても手が震え、絶望してベッドに倒れ込んだ瞬間、客席も揺れるほどの轟音がして、
舞台が明るくなります。
白い卵型のセットから、不思議な白い人、華世京さん演じるジョーカー・ナルシスが、
「ヒャッホー!」とハイテンションで登場。
髪も衣装もお顔も真っ白ですがキラキラです✨
オーバーアクションがだんだんクセになりますね。
「クイーン・ガラ」によって危機を迎えているダリランドを救ってほしいと懇願。
若返りと引き換えに世界の危機を救う協力を約束したことから始まっていきます。
ダリとナルシスの「あなたはダレだ、ダリだ」という言葉の応酬が、
ハチャメチャでクスリと笑え、谷貴矢さんの生み出される不思議な世界観への導入のようです。
若返ったダリで登場された瀬央さんは、ものすごいパワーと明るさ!
やっぱり瀬央さんは太陽!
大好き瀬央さん!
と一気にテンションが上がりました😍
突き抜けた明るさと存在感が唯一無二な方。
歌声もパワフルでありながら情感たっぷりで心が揺さぶられます。
自在に声を操って歌われていて、聞いている人のテンションにピタリをはまるので、
とても心地良いですね。
感動的で素晴らしい歌声、まっすぐ心に届きます。
歌われている時の表情も、とても美しいですね。
紺地に白のストライプのスーツや、派手な毛皮のコートを見事に着こなされます。
スーツの背中が特に美しくてうっとり🤩
奇抜な衣装も、派手派手しく美しく着こなし、「ドヤッ」という表情が最高の瀬央さんのダリ。
特徴的なヒゲ姿も違和感がなく、目力のあるクリクリな目とキレイなお顔立ちにマッチしています。
愛にあふれた美しい表情とチャーミングな表情のギャップも最高。
周りに振り回されまくる瀬央さん演じるダリが愛おしいです。
亡くなった兄と同じ名前を付けられ、兄の影として生きてきたため、自画像が描けないダリ。
父親が母親の妹と再婚したことにショックを受け、女性を見ると笑ってしまうようになったという
青年時代のヤング・ダリを演じているのは紀城ゆりやさん。
その不思議な症状を、見事に演じていらっしゃいます。
抑えようと思っても抑えられない笑い、取り憑かれたように笑ってしまう姿に胸が痛みます。
ダリ(瀬央ゆりあさん)、ヤング・ダリ(紀城ゆりやさん)、もっとヤング・ダリ(音綺みあさん)の
三人で絵を描く場面は、それぞれ絵に対する表情が違っています。
もっとヤング・ダリは、笑顔で楽しそうに。
ヤング・ダリは悩みながら。
そんな過去の自分である二人を見つめるダリ。
自分が歩んできた道を愛おしそうに、そして苦し気に見つめる表情が切ないです。
現実と超現実の世界を行き来し、過去を振り返ることで、ガラとの真実の愛を見いだすダリ。
洗練された瀬央さんの舞台は、本当に圧巻。
どんどん引き込まれて、瀬央さん演じるダリのことが大好きになっていきます。
輝月ゆうまさんは、クイーン・ガラと「ダリランド」の女王を演じていらっしゃいます。
ダリの妻です。
とても美しい女王姿。
それはそれは美しいけれど、迫力満点。
圧倒的な歌声と存在感を放っていらっしゃいます。
ダリを尻に敷く迫力満点の妻は、あの声と身長を持つ輝月さんでなければと納得です。
瀬央さん演じるダリを上から睨みつけて迫る姿は、このメルヘンチックなお芝居にピッタリ。
瀬央さんと同期の輝月さんだからこそ出せる雰囲気でもありますよね。
とっても面白い存在のガラに、なんだか親近感を覚えてしまうのも不思議です。
強いけれど、深い愛を持っている人であることが伝わってきて、
間違いなくダリが愛した妻なんだと納得しました。
「ひっとらえよ!」とすごんだ時、やっぱりこの役は輝月さんでなければとあらためて思いました😁
説得力と深さに感動する輝月さんのお芝居。
老若男女の枠を越え、七変化役者過ぎる輝月さんですね✨
星沢ありささんは、ヤング・ガラ(若き日のガラ)、
アマンダ・リア(モデル兼歌手。ダリのかつての愛人)を演じていらっしゃいます。
清楚なイメージの星沢さんの新しい魅力が放たれています!
声も低く太くカッコ良く。
ダリを深く愛し、理解していたことが伝わってきました。
ダリランドの住人たちは、みんな全力で感情を表現。
オーバーアクションで常に大騒ぎ。
ワチャワチャ、ゴチャゴチャとしていて、おもちゃ箱の中をのぞいて見ているような
可愛らしさと楽しさを感じます。
愛しい人たちですね。
谷貴矢さんが描かれた新しい世界を、迷い込んだ人間の一人として心から楽しむことができました。
ダリの心の旅とともに、不思議な世界へと導かれ、人生を最後まで生き抜くことの大切さを
あらためて学んだ深い愛が描かれている作品です。
この公演は、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて、
4月30日(木)から5月9日(土)まで上演されます。












