宝塚大劇場星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~』
樽井美帆です![]()
星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートラーマ~)』が、8月29日(土)から10月11日(日)まで上演されています。
『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートラーマ~)』
Based on SS Rajamouli’s ‘RRR’.
脚本・演出/谷 貴矢
日本でも大ブームを巻き起こしたインド映画「RRR」が原作。
2024年、星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~』が上演されました。
その時ラーマ役を演じた暁千星さんが、再び同じラーマ役を演じています。
ラーマを主人公に物語が再構築され、今回は一本立て公演として上演されています。
「√Bheem」では描かれなかったシーンも加わった新たなる『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Rama~』となっています。
映画ファンの方、前回の「√Bheem」をご覧になった方、今回初めて宝塚歌劇版の「RRR」をご覧になる方など、色んな楽しみ方ができる作品です。
星組トップコンビ暁千星さん・詩ちづるさんのほかにも、2024年に上演した時と同じ役を演じている方もいらっしゃいますし、組替えや退団により今回新たなキャストになっている役もあります。
前回との演出の違いなども楽しめると思います。
そして、プログラムを見て「おお!」と思ったのは、男役さんのヒゲ装着率の高さ。
インドの方を演じる方は、ほぼヒゲ。
それも、口ひげ、もみ上げからつながるあごヒゲ。
なかなか存在感のあるヒゲを付けていらっしゃいます。
開演前の舞台には、ジャングルを背景にタイトル『RRR』が映し出されています。
一番左の「R」はラーマ(暁千星さん)の横顔、真ん中の「R」はラーマとビームの固くつながれた手、右の「R」はビーム(瑠風輝さん)の横顔になっています。両サイドの花道には赤い炎が見えます。
朱色に近いオレンジ色の衣装に身を包み、頭にゴールドの高さのある豪華な被り物をしたFIRRRE MIRRRAGE・詩ちづるさんが銀橋に登場。
SINGERRRのひろ香祐さんと美稀千種さんの重厚で迫力ある歌声、ボイスパーカッションのような迫力ある歌声に合わせ、FIRRRE MIRRRAGE・詩ちづるさんが丸い瞳を動かし、腕と指先を繊細に美しく使ったダンス披露します。
神様のように美しく神々しい姿です。
舞台上で踊るFIRRRE男の夕渚りょうさん、FIRRRE女の鳳花るりなさんも神秘的で美しいダンスを披露されています。
そして、宝塚歌劇ではまだ見たことがない装置が登場!
1920年、大英帝国の植民地下にあったインド。
デリー郊外で、逮捕された反英活動家の釈放を求める暴動が起こります。
イギリス警察に身を置くラーマ・暁さんが、たった一人で暴徒の中に飛び込みます。
圧力ある音楽が響く中、戦うラーマは宙に浮きます!
クレーンの先に付けられたゴンドラに乗っているのではなく、暁さんが直接くっついている状態です。
美しいポージングをキープし、ビュワーーンと飛ぶ暁さん。
カーキ色の制服姿で警棒を持って飛び込んでいきます。
このクレーンを操作しているのも生徒さんなんです!
役を演じながら集中して暁さんを見つめ、タイミングを見計らって操作されている姿も注目ポイントです。
首謀者を逮捕して暴動を鎮圧。
命がけで手柄を上げたにもかかわらず、インド人であるラーマの昇格は叶えられませんでした。
ラーマの怒りと大義への決意が熱い炎となって燃え上がり、炎の幻影FIRRRE MIRRRAGE・詩さんが登場。
今度は詩さんがクレーンの先にくっついてフワフワと浮き、舞台を行き来します。
こちらもやはり生徒さんが操作されています。
銀橋にラーマ・暁さん、その後ろのオーケストラボックスの真上に浮いた詩さんという、本当に口をあんぐり開けて見入ってしまうほどの迫力です。
舞台はオレンジ色の照明一色で、蛇のセットも登場し熱く妖しい雰囲気。
プロローグの約10分間は息をするのを忘れるほどです。
1920年、英国植民地時代のインド。
成し遂げなければならない大義を胸に秘め、インド人でありながら英国政府の警官となったラーマは、許嫁のシータを故郷に残したまま冷徹に任務を遂行する日々を過ごしていました。
ある時、火災に巻き込まれた子どもを救おうとしたラーマは、危険を顧みず炎の中に飛び込むある男と運命的な出会いを果たします。
お互いの素性を知らぬまま、熱き友情を育んでいく二人。
男の正体は、インド総督に連れ去られた部族の少女を奪還するため、デリーに潜入したゴーンド族の守護者であるビームであり、警官であるラーマと敵対する存在だったのです…。
宿命に導かれた二人が進む先は、友情か?使命か?それとも愛か?
感情を表現するだけでなく、リズムとしての独特の歌も楽しめます。
その歌を聞くとインドの世界に浸ることができます。
そして、今回もやっぱりナートゥがすごい!
人の足、膝関節ってあんな風に動くんだと驚いてしまいます。
片足飛びの状態での高速キック。
有り得ない美しいダンスを踊られる暁さんと瑠風輝さん。
踊り終わったあと、座り込んでいる笑い合っている笑顔が、ラーマとビームにも見えるし、ちょっと素の暁さんと瑠風さんにも見えて私は大好きです。
暁千星さんが演じていらっしゃるのはA・ラーマ・ラージュ。
内なる大義を秘め、イギリス警察官としての任務を果たすインド人青年です。
歩き方がとてもステキで、力強い一歩一歩、そして帽子の下から見える目にもに内なる大義を感じます。
長い足で走るフォームもカッコいいですね!
ラーマのことを「恐ろしく足が速い」と言っているセリフがありますが納得です。
シャツにパンツにサスペンダー姿での登場が多いのですが、足が長い暁さんにとてもお似合い。
階段を使ったセットを何度も上ったり下りたりされますが、階段を上がるのも早いんです!
何をするにも足の動きが美しくて、見惚れてしまいます。
激しく踊って歌ってお芝居しても、一切乱れない呼吸。
身体能力の高い暁さんの姿は、本当に溌剌とされていて清々しい気持ちにさせていただけます。
また、苦悩を表現されるのがリアルで、観ているこちらも胸が苦しくなるほど。
牢の中につながれる心身ともにボロボロのラーマ。
ボロボロになって耐えているのは、内なる大義のための不屈の精神だと感じるので、その姿もとても美しいんです。
弓を引く姿、矢を放った後のポーズが最高にカッコ良くて、まさしくインド神話の登場人物のような神々しさです。
詩ちづるさんは、ラーマを故郷で待つ婚約者シータとラーマを燃え上がらせ、導く幻影FIRRRE MIRRRAGEの二役を演じていらっしゃいます。
FIRRRE MIRRRAGEは、ラーマがピンチの時に出てくるのですが、ずっとシータがラーマを信じ愛しているからこそ幻影となって表れているんだなという説得力が感じられます。
人間ではなく幻影にしか見えない詩さんの素晴らしい表現力。
サリー姿もとても美しいです。
現実の時の中では会えない離れ離れのラーマとシータ。
過去の回想や幻想の中で接する場面がほとんどなのですが、会えていない間もお互いを思いやり、愛する温かい心が、暁さんと詩さんのお芝居から感じることができます。
コムラム・ビームは瑠風輝さん。
ゴーンド族の守護者、不屈の英雄。
「アクタル」と名乗りデリーに潜入しています。
ダイナミックな登場がカッコイイです!
プロローグ~ラーマ~、プロローグ~ビーム~と、ラーマの登場とビームの登場でプロローグが二つあるんです。
ラーマは、FIREたちとともにオレンジ色のプロローグ。
ビームは、WATERたちとの水色のプロローグ。
ラーマ・暁さんに負けない迫力とパワーのビーム・瑠風さん。
熱い二人の物語の始まりにワクワクします。
ラーマ・暁さん、ビーム・瑠風さん、ポーズをとって静止することが何回かあるのですが、お二人並ばれた時のバランスが美しく、ポージングが最高にカッコイイですね!
太い眉とヒゲの中からのぞくお二人の可愛らしいお顔と、笑顔を交わすお二人にキュンキュンします。
ビームがラーマを肩車して戦う姿からは、二人の熱い友情と絆が感じられます。
専科生として今回が初出演となるひろ香祐さんは、デリーで修理屋を営む親方オム。
優しくて心が広くてあたたかい親方。
「いてくださってありがとうございます」と言いたくなるひろ香さんの親方です。
ラーマの叔父で、イギリス警察所属のヴェンカテシュワルルは天飛華音さん。
無理に老け役を演じていらっしゃるわけではないのに、ラーマの叔父さんという説得力があります。
甥のラーマを近くで見守り、時に諭し、深い心と愛で接するステキな叔父さん。
一言一言は短いけれども、それがカッコ良く、ラーマへの愛が詰まっています。
深く豊かな歌声に聞き入ってしまいます。
ジェニファーの婚約者ジェイクは稀惺かずとさん。
いつもの稀惺さんのお声よりも低くされている印象で、骨太なイメージを受ける稀惺さんのジェイク。
ちょっと嫌な印象を受ける人を演じる稀惺さんが新鮮です。
でもその嫌な振る舞いは、愛する人へのヤキモチだったのかなと同情してあげられるジェイクだと私は感じました。
スコット邸でのパーティーでの色んなダンスのポーズもとてもステキ。
大希颯さんが演じていらっしゃるヴェンカタ・ラーマ・ラージュはラーマの父。
村の民兵を統率しています。
まずとにかくビジュアルが美しい!
美しい心で、インドのため、家族のために戦う大希さん演じる父親の姿を見たから、ラーマは今にいたっているんだという説得力を感じました。
インド総督スコットの姪ジェニファーは乙華菜乃さん。
立ち姿、振る舞い、声から、キレイな心が伝わってきます。
清潔感にあふれていて自然と惹きつけられるジェニファーですね。
「心の優しそうな人」とビームも言っていて同意しかありません。
インドの大地に色とりどりの花が咲き乱れ、華やかな大団円。
舞台の照明は明るく、怒りの炎は感じられない、ひらすら幸せのみが満ちる舞台。
客席降りが1階も2階もあり、舞台と客席が一つになりお祝いします。
銀橋には、ラーマ・シータ、仲間が集結です。
続いて、赤い衣装のラーマとシータが会えなかった時間を取り戻すかのようなダンス。
盛り上がるラーマとシータをからかうようにビームが登場。
ラーマとシータは手を振って去っていきます。
そして、ビームはロケットたちを率いてナートゥのリズムで踊りだします。
ナートゥの足の動きが入った珍しいロケットが楽しく繰り広げられます。
インドの宮廷のような金色に輝く大階段。
エンジ色の衣装の暁さんと男役さん、色とりどりのサリーを身にまとった娘役さんのダンス。
サラサラの金髪で登場した瑠風さんを中心とした男役さんのダンスもステキです。
デュエットダンスは、白い衣装で。
大階段と舞台はブルーに輝いています。
曲に合わせて動くお花の形の照明も美しいですね。
壮絶な戦いを終え、長い間会えなかった二人の最高に幸せなダンス。
表情が最高に美しい暁さんと詩さんです。
エトワールは、この公演で退団される鳳花るりなさん。
熱くかっこいい、美しくパワフルな歌声です。
そして、暁さん・詩さん・瑠風さんが背負われている羽根は、初めて見る質感とデザインの羽根。
宝塚歌劇の羽根は、まだまだ進化していきそうですね。
家族愛・人間愛に包まれる公演です。
東京宝塚劇場では、10月31日(土) から12月13日(日)まで上演されます。












