たからづかブリーズサンデー 「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、夕凪子さんです。
井上文子さん
「ひぐらしの静かな響き一服す」
・・・朝夕は少し涼しくなりましたね。
「ひぐらし」はそんなちょっとの差を見逃さず鳴きます。
「一服す」に「ああ夏も終わるなぁ」が感じられます。
「ああ」のある句は良い句です。
小島美津子さん
「水々しい声を残して発車する」
・・・バスか電車か。発車した後のすがすがしさが伝わってきます。
省略してふくらんだ句です。
難波康子さん
「自転車の軋みこのまま添い遂げる」
・・・夫婦も自転車も古くなったら軋みます。
時折、油を射して円満に暮らしましょう。
自転車を引き合いにして佳句です。
小林康浩さん
「船虫と蛇行している夏休み」
・・・逃げ足の早い船虫たちとあちこち走り回っているわが人生。
お盆休みも夏休みもない企業戦士。
齊藤みくさん
「皮の中とうもろこしのねぶくろだ」
「五角形のオクラはきっと星なかま」
「暑いからわたしとトマトおいしいよ」
・・・「ねぶくろ」「星なかま」「わたしとトマトおいしいよ」
など発見です。
これからもみくさんの眼で見た作品を送ってくださいね!!
北井宏江さん
「極暑ですまだ生きるらし欲張りで」
平松嘉代子さん
「草いきれ骨まで溶けているトマト」
村井広子さん
「子供らの此処が故郷盆休み」
日比野操さん
「負け戦兄弟とられ靖国に」
「我亡父(ツマ)は九死に一生復員す」
「生かされて戦友(トモ)を弔い黄泉の国」
天藤秀子さん
「はたと止む蝉こめかみを伝う汗」
「虹を生む如雨露を持って離さない」
サーシャさん
「太陽が大丈夫だと言っている」
パーソナリティー・岸田久美子
「すぐ聞こえることのは人はうそを言う」
「ごめんねとあやまるばかりしのぶぐさ」
「いっせいに鳴き出す蝉はいいけれど」
みなさん、今月もたくさんの投句、
ありがとうございました。
次回は茉莉亜まりさんが担当します。
また、来月は「9月」がテーマです。
9月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。