たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を
講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、夕凪子さんです。
多舵洋さん
「幸せにおなりなさいと発車ベル」
・・・人生のいろいろなところで、鳴る発車ベル。
岐路に立ったとき、誰もが願う「幸(さち)」
ベルの音が聞こえるような句です。
「静かな夜リンゴをひとつ腐らせる」
・・・リンゴが腐るほどの静かな夜。
ああ私も腐りそう。。。
大好きな音楽を流して、闇を飛ばしましょう。
「消しゴムで君を消したら破けたの」
・・・お相手の「消されてたまるか」の反動でしょうか。
消すのも上手にしないと・・・ね。
徳道かづみさん
「予定表白い分だけ夢がある」
・・・誰とも約束がないと嘆くのではなく、
「夢がある」と前向きなところがいいですね・・・
やがて、たくさんの夢が書き込まれてゆくことでしょう。
「もう君は忘れた新年おめでとう」
・・・新年だから、古い事は忘れましょ!!
新しい事をいっぱい手に入れるために。
前途は洋々。
今月は何だか、とても優しい素直な句で、
少しびっくりでした。
ひでこさん
「初春や孫の泣く声笑う声」
・・・お正月に集った子や孫。
泣いたと言っては騒ぎ、笑ったと言っては喜ぶ家族の様子が見えてきます。
「この味でええと言うてるひとの横」
・・・「ひと」の平仮名表記で「特定のひと」をあらわしています。
ずっと横にいるには折り合って、労らいあうことも大切です。
「この味」に慣れてくれた「ひと」がいてくれる幸せも。
芍薬さん
「四次元を信じないまま積む小石」
・・・「小石を積む」は寶の河原でしょうか。
四次元との取り合せが新鮮です。
「かみさまと結婚した姉の産毛」
・・・「かみさまと結婚」するとは?
キラキラと光る産毛がなぜか悲しく見えてきます。
「年女曰くあなたが道となる」
・・・「年女」。今年は猪。
何も恐れず猛進できたらいいですね。
やがて残る道。
やがて続いてくる後進のために。
康浩さん
「満州から帰らぬ兄と百舌鳥の贄(にえ)」
・・・「百舌鳥が枯木で・・・」の歌を思い出させます。
百舌鳥の贄のカラカラに乾いた様子が思い出の古さと重なります。
悠実さん
「厚底ブーツもう別れると決めたんだ」
・・・一時流行したブーツのように、もう貴男を卒業します。
私は別の進化を遂げているのです。
広子さん
「チャンスが逃げるブーツを脱いでいるうちに」
・・・ブーツの着脱のわずらわしさをうまく言い表しています。
そういえば、靴と脱ぐか、土足かを考えてから、靴を選んでいます。
まりこさん
「法話より百舌鳥の高鳴き気にかかる」
・・・お坊さんの話の合間に聞こえる百舌鳥の声。
話の合いの手か、腰を折るか。
お坊さんの力量がためされているようで、面白いですね。
みなさん、今週もたくさんの投句、
ありがとうございました。
なお、来月は「2月」がテーマです。
2月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。