たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

 

 

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

まずは番組の中で紹介した句を掲載します。

背馬さん

「晩秋のところまで来て燃え尽きる」

「さよならも言わずに打たれたりし蚊よ」

 

芍薬さん

「振り向いてやがて口座を出る数字」

 

涅槃girlさん

「盤上に浮かび上がった沙羅双樹」

 

伊藤正美さん

「静脈の涙認証されません」 

 

一橋悠実さん

「タートルの首に潜んでいる本音」

 

城水めぐみさん

「饗宴が終わった国のアゲハ蝶」

 

徳道かづみさん

「落ち葉カサリとあなたが少し遠くなる」

 

のんびりあんさん

「葉脈を浮かせはらはら舞う記憶」

 

猫又さん

「プライドを棄てた美学のツーフィンガー」

 

前田邦子さん

「素うどんのおんなひとりの秋の椅子」

 

 

ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。

背馬さん

「人という文字が書けないピエロかな」

・・・ピエロの哀しみがよく伝わります。

   その哀しみに黙し、涙します。

   ピエロもまた人ですから。

「さよならも言わずに打たれたりし蚊よ」

・・・生きるための吸血なのに、

   さよならも言わせてあげずに、

   打つことしか考えていなくてごめんなさい。

   「打たれたりし」に蚊への敬意がありますね。

 

芍薬さん

「カフェ・オ・レが電話に出るという仕組み」

・・・出ないことにした電話にカフェオレを代役に立てる。

   相手は戸惑うのか。

   それとも「ありがとう」とほっこり飲んでしまう人もいるかしら。

 

 猫又さん

「顔無しが隊列組んで百鬼夜行」

 ・・・顔無しのような奇妙で怪しい人が好き勝手。

   ジブリのカオナシが浮かびますが、

   カオナシはもはやさみしくやるせない人の代表なのかもしれませんね。

「死も愛も笑い飛ばした辞世の句」

・・・去るときは、すべて笑い飛ばす。

   豪快な去り際のあとに残るのは一生を凝結した一句。

 

徳道かづみさん

「冬を待つ酔えない酒を飲むおんな」

・・・酔えないとわかって飲むお酒はかなしいですね。

   冬を迎える頃には、ほろ酔える日もありますように。

「来る来ないおでんぐつぐつ煮えている」

・・・おでん屋のカウンターで隣を空けて見つめるおでん鍋。

   自分の部屋で男のために煮るおでん。

   煮詰まらないうちに待ち人、来たれ!

   女のほうが煮詰まると厄介ですぞよ。

 

一橋悠実さん

「秋晴れや焦ることない筈なのに」

・・・澄んだ秋晴れに、にっこりと笑って喜べるといいのだけれど、

   あまりの晴れ具合になんだか取り残された気持ちなのですね。

   まずはおいしい空気を吸って深呼吸を!

「背表紙に好きだと書いておいたから」

・・・手に取ってじっくりと読んでほしいですね。

   さいごまで・・・

 

のんびりあんさん

「あきらめて仏頂面をよじ登る」

・・・仏頂面の主が目の前の人であれば、

   こちらがしぶしぶ折れてよじ登る。

   主が自分なら、よじ登って自分の機嫌をとる・・・ですね。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「12月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、12月1日となります。

12月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

dav