たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎月、お楽しみいただきまして、ありがとうございます。

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

 

まずは、番組内で紹介した句を紹介いたします。

 

城水めぐみさん

「去った人から外されてゆく荷札」

 

徳道かづみさん

「柿一個握りつぶして母ごろし」

 

猫又さん

「手袋を脱いだ狐の手に六華」

 

一橋悠実さん

「年明けや多めのお茶のブリ茶漬」

「柚子風呂の一人たまには良いじゃない」

 

榎本ユミさん

「指先のつぼみが開く前に切る」

 

かずきさん

「爪の泥 落とし己もすす払い」

 

おおいさん

「季が変わり宝があらわる畑かな」

 

多舵洋さん

「歯ブラシをすり減らしてく忘れてく」

 

芍薬さん

「無口だとTポイントが二倍付く」

 

平松嘉代子さん

「謎めいた古墳に秋の風渡る」

 

小林康浩さん

「老木のたわわに星を実らせて」

「象の鼻の先には春が来ています」

 

 

ここからは、番組でご紹介でできなかった句を講評とともに紹介

いたします。

 

徳道かづみさん

「不愛想蛙が産んだ蛙の子」

・・・蛙の子が蛙であるように不愛想な親の子はやはり不愛想。

   当たり前のようで、ありながら「なる蛙」と思わせる句です。 

「赤い鈴鳴らせば青い鈴が鳴る」

・・・音叉のように・・・。

   誰かが鳴らした鈴から次々と鳴り出す鈴、鈴、鈴。

   行動あるのみ!

   前進あるのみ!

   明るい1年になりますように・・・

 

芍薬さん

「モチーフとして元彼を取っておく」

・・・古い恋の始末の仕方として「モチーフ」にしてしまうという。

   きっと素敵な人だったのでしょうと思わせる表現です。

 

小林康浩さん

「ご来光ツアーで月の出を拝む」

・・・月の出を拝んで、初日の出を拝んで。。。

   今年はきっと良い年になりそうと思わせて佳句です。

 

榎本ユミさん

「頬骨に散る紅梅を味見する」

・・・頬のピンクと梅のピンクが見えてきます。

   「味見」が川柳的です。    

 

かずきさん

「どのケーキ買って帰るか福笑」

・・・ケーキ屋さんの店先であれこれ迷っている男性って、素敵ですね!

   箱を開けたときの笑顔が「福笑」でしのばれます。

「寝正月やけに張り切る鳩時計」

・・・「鳩時計」がいつもより張り切って聞こえるのは、こちらが眠たいせいです。

   心や体のありようで、日常が変わる。

   それを見落とさないのが「川柳の目」です。

「着膨れて地下街斜(はす)に歩き居り」

「幹事終え座るなじみのカウンター」

「向かい合い目を閉じ黙る露天風呂」

・・・以上の3つの句、

   年末の様子が彷彿としてきます。

   句から「ああ」と声が聞こえます。

「年賀状ご辞退を書く あと二人」

・・・年賀状離れがきかれる近頃です。

   下五の「あと二人」に「やれやれ・・・もう少し」との

   つぶやきが聞こえてきます。

 

平松嘉代子さん

「杖を手に歩く明日香路散るもみじ」

・・・明日香に行かれましたか?

   俳句に近いかなと思わせる表現でした。

   「だから、私はどうだ」と作者を入れましょう。

   例えば・・・

   「明日香村からあなたを辿る枕ついて」

 

おおいさん

「鼻歌が分からず宝現れず」

・・・「ず」のくり返しがリズミカルな句です。

   「鼻歌が分からず」が読者に伝わらなかったかなと少し残念。

   表記は「五・七・五」と区切らず、続けて書きましょう。

 

猫又さん

「青春の尻尾をちぎり進化する」

・・・おたまじゃくしから蛙になるように。

   大人でも尻尾がちらちらさせている人も

   近頃は多いようですが・・・

 

一橋悠実さん

「光射す方へ私という場所へ」

・・・「私」という場所を捜す時「光射す方」へと向かう。

   若さいっぱいの句です。

「ちょっとしたことで 喜怒哀楽のばか」

・・・感情の変化をコントロールできない状態を「ばか」と言うことで、

   平常心に戻る。

   平仮名が優しい。。。

 

多舵洋さん

「青空の飛行機雲や傷うずく」

・・・時間と共に、ゆるゆるとほどけてゆく雲に、うずく傷を重ねられました。

   鮮やかな空であればある程、痛みも増してくる。

   目のつけ方がユニークです。

「ハッシュタグつけて鬼から隠れる子」

・・・ツィッター用語の「ハッシュタグ」。

   タグをつけていないところにある子の本音は何なのか?

   新語をうまく使った句です。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

 なお、来月は「2月」がテーマです。 

次回2月2日の日曜日の「川柳の時間」では、

茉莉亜まりさんが講師を担当されます。

2月の香りのする十七字音のドラマをお待ちしております。

 

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