• 2020年3月1日 12:28
• カテゴリ : たからづかブリーズサンデー

毎月、お楽しみいただきまして、ありがとうございます。

毎週第１・第２の日曜日の９時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

 

まずは、番組内で紹介した句を紹介いたします。

 

ひでこさん

「瑠璃色を残して春の草むしり」

 

城水めぐみさん

「羽根がないから人間は騒がしい」

 

城水めぐみさん

「二度漬けは禁止どっぷり好きになる」

 

徳道かづみさん

「閉じること許されなくて仏の目」

 

猫又さん

「間違った優しさだけのレシピ本」

 

一橋悠実さん

「音信不通ですね具材のないシチュー」

 

涼閑さん

「溺愛をしていたカップに先立たれ」

 

千加子さん

「日向ぼこ子育ての猫毛づくろい」

 

紀子さん

「気まぐれにほほえんで咲く寒桜」

 

文子さん

「もういない白い山茶花咲いたのに」

 

小林康浩さん

「診察券束ね私といういのち」

 

浪速のマッキントッシュさん

「ゾンビから百万本の薔薇もらう」

 

広子さん

「ゆっくりと砂漠になってゆくのです」

 

背馬さん

「じっと待つ春はことしは早く来た」

 

石川聡さん

「芽キャベツの層に潜んでいる詩人」

 

尾崎良仁さん

「お雛さまあたし誰とでも寝るのよ」

 

 

 

ここからは、番組でご紹介でできなかった句を講評とともに紹介

いたします。

 

嘉代子さん

「強気で臨む対角線にいるあなた」

・・・正面であったらこうはいかない。

　　　「対角線」だから生まれるバトル。

 

かずきさん

「桃の日や娘も妻もお姫様」

「白酒のおかわりします　うちの姫」

・・・「今日だけは姫」感が出ていて笑わせられます。

　　　年中「桃の日」であればなぁ・・・

　　　と、つぶやく声も聞こえそうです。

「帽子めがねマスク制服ですか繁華街」

「サウナ風呂マスクつけよかやめようか」

・・・マスク二句。

　　　新型コロナウイルス禍にあって、とまどう事もたくさんあります。

　　　無事に乗り切りましょう！

 

ひでこさん

「オムレツのバターが踊る春よ来い」

・・・オムレツの黄色は春の色ですね。

　　　春を待ちながら、オムレツのバターの溶ける様子を

　　　見つけられました。

 

徳道かづみさん

「近道を嫌った蟻の一人旅」

・・・遠まわりでも信じた道を貫き通す蟻。

　　　人生もまた一人旅。

 

小林康浩さん

「華やいだ街へと帰る見舞客」

・・・病室に残される人の寂寥感が残されます。

　　　帰れる人の後、姿を見る残される人の目。

「何枚も値引きシールを貼った顔」

・・・スーパーの弁当。お惣菜。

　　　食物ロスを少しでも無くしましょう。

　　　買ってくださいと・・・顔。

 

涼閑さん

「ゆるキャラになってあなたを笑わせる」

・・・あなたを笑わせて、私も笑って・・・

　　　みんな幸せになって。

　　　笑うことは健康のもと・・・です！

「嘘の華純粋培養して咲かす」

・・・嘘を貫き通すことは難しい。

　　　その辺りを「純粋培養する」と表現してうまい。

　　　もう無駄なことは辞めて、枯らして、おしまいなさいませ！

「冬の夜はふくら雀となって飲む」

・・・ここの飲むは「お酒」ですよね。

　　　演歌の世界ですね。

　　　冬とふくら雀はつきすぎましたね。

 

猫又さん

「『嘘だよ』と云ふ優しさもみんな嘘」

・・・時には嘘も許されますが、それも見破られている。

　　　優しさがあふれている句です。

　　　記号はなるべく使わない。

　　「云ふ」は「言う」と書く等が少し気になりました。

「約束と云ふ牢獄に囚われて」

・・・「約束は牢」とおもしろい。

　　　この後、だからどうなのかを詠んで欲しいと思いました。

 

一橋悠実さん

「水仙や話を聞いてあげるから」

・・・そう言われたら、ラッパ水仙などは言いたい事がいっぱいありそうです。

　　　悠実お姉さんに何でも打ちあけましょう。

「忘れるであろう怒りは妄想で済ます」

・・・絶対に忘れない怒りもあるのです。

　　　妄想の世界のあることに感謝です。

 

背馬さん

「そんなにも生きたい人のニュース見る」

・・・人を蹴落としても生きたい図は目をおおいたくなるでしょう。

　　　ここでは、どんなニュースだったかを具体的に詠んであれば、

　　　よく伝わります。

 

石川聡さん

「満月をあふれる春の唇音よ」

・・・唇音は「しんおん」とルビがありました。

　　　軽い音が春とよく似合います。

　　「朧月」になるのは、このせいかも知れません。

「踊るため眠りつづける花かつお」

・・・お好み焼きの上で踊る様子が見えてきます。

　　　その時まで真空パックにされていると見た作者。

「くちびるを離れてすべる新幹線」

・・・新幹線とくちびるの取り合わせが新しい。

　　　恋人との別れか。

　　　「すべる」が超特急にふさわしい。

 

浪速のマッキントッシュさん

「念力でジンバブエまでシャボン玉」

・・・シャボン玉でありながら南アフリカまで飛んでゆこうと大それた行動。

　　　願えば叶う。それが川柳。それが文芸。

「手羽先が店主をしてるラーメン屋」

・・・手羽先のような人。

　　　手羽先の出汁こそ店の主。

　　　おもしろい取り合わせで、

　　　しかも「あるある」と思わせる力量に感服です。

「サザエさんショパン流れるスーパーへ」

・・・あわて者のサザエさんとショパンのミスマッチが楽しい。

　　　お財布忘れていませんか？

 

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

なお、来月は「４月」がテーマです。 

次回４月１２日の日曜日の「川柳の時間」では、

夕凪子さんが講師を担当されます。

４月の香りのする十七字音のドラマをお待ちしております。

 

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