たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
まずは番組の中で紹介した句を掲載します。
浪速のマッキントッシュさん
「ペンギンも迷う阪急梅田駅」
一橋悠実さん
「散ったり咲いたり3月だから皆許す」
芍薬さん
「はじめから動物園にいない蝶」
のんびりあんさん
「あしたには浮名を流す内裏雛」
猫又さん
「忠告にタバスコ二滴隠し味」
徳道かづみさん
「春近し恋に恋した日の微熱」
城水めぐみさん
「キリトリ線から泣き声が漏れている」
涼閑さん
「海だったはずの紙切れ泣いている」
石川聡さん
「向こう岸あんなに静か火のなかで」
ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。
浪速のマッキントッシュさん
「青虫の捨てたキャベツを噛んでいる」
・・・普段、食べ物を捨てるのは人間だけですが、
青虫が捨てたとなると深い訳アリ。
心して噛めばきっと苦いキャベツ。
「雑巾をしぼる時だけシンデレラ」
・・・ふとした時にまったく別の時空とつながることがある。
現代のシンデレラにもあかるい道が拓けますように!
涼閑さん
「閏ごとは夢にほどけて春霞」
・・・後朝(きぬぎぬ)の朝、春霞に吸われてゆく男と、
春愁に取り残される女、でしょうか?
「遠吠えをしたくなる夜の抱き枕」
・・・やさしいカーブの枕がいいですね。
カバーには満天の星と満月。
顔をうずめて思い切り吠えて下さい。
猫又さん
「辛口を涙型したナンで食む」
・・・大きなおおきな涙のかたち。
辛口も人生の激辛もくるんで、
わしわしと食べきって下さい。
「サヨナラの仕上げにフランベする炎」
・・・仕上げは一気に。
ぼっ、と。
傷みは伴った分だけ、
深い味わいになりますね。
一橋悠実さん
「不調です空が単なる青だから」
・・・抜けるような青。
深い青。
表情豊かな青。
空は心の鏡です。
よい風が吹けば、青はまた輝きます。
「たんぽぽふわり もうすぐおねえちゃんになる」
・・・綿毛をふーっと吹く女の子。
綿毛がすべて風に乗れば、
おねえちゃんへの階段を一段昇っています。
徳道かづみさん
「革命を叫ぶ はみ出した口紅で」
・・・真紅の口紅を勢いよく引く。
自分のために。
鏡など見る余裕はない。
叫んで、必ず成し遂げて下さい!
石川聡さん
「カワイイにラップをかけて冷蔵庫」
・・・上手く冷凍できたとして、
解凍したときに賞味に値するかどうかですね。
旬だけを味わうのが賢明かもしれません。
「電線がどうしてもある水溜まり」
・・・水溜まりに映る空。
邪魔だと思ってもどうしても映る電線。
どこから見てもわだかまり・・・
「ひとつぶの雨つぶとして衝突す」
・・・透明のちいさなつぶ。
覚悟をもってぶつかれば、きっとちいさな虹が出ます。
「祈りだけ吸う遮光カーテン」
・・・祈りを吸い切ったカーテン。
一気に開ければ、祈りは羽ばたくのではないでしょうか。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は茉莉亜まりさんが担当します。
なお、来月は「4月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、4月5日となります。
4月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。
dav