たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
一橋悠実さん
「階段は大股でいく女です」
涼閑さん
「雪舟の掛け軸そこでナイフ研ぐ」
猫又さん
「薔薇の樹に今年も薔薇の咲く不思議」
「取り敢えず去年に倣い梅仕事」
城水めぐみさん
「困ったな獣の耳が隠せない」
赤片亜美(あかびらあみ)さん
「我が子らも雨のにおいのわかる民」
徳道かづみさん
「失恋に負けないための鉄火丼」
「写経する隠した邪念問うために」
多舵洋さん
「逃げていくゴールテープを追いかける」
「森だった記憶集めた古本屋」
今月の気になる作品
猫又さん
「また蛇に唆された青林檎」
=蛇に唆されて林檎は毒を孕むのか、
赤い林檎に宗旨がえするのか。
蛇はあちこちにぬるっと現れては
果物やら人やらを唆しているのでしょう。
徳道かづみさん
「真っ青な空に向かって死んだ父」
=お父さまの逝った日の空の青。
真っ青に向かったお父さまのとの訣れ。
ゆるやかではなく、
鮮烈であったのでしょうか。
忘れない青。
忘れない青の彼方の父。
一橋悠実さん
「ブラウスや全部あなたのせいでしょう」
=相手を見据える鋭い目。
風に揺れるブラウス。
今は逆らわないほうがよさそうです。
たとえブラウスにも非があとしても。
多舵洋さん
「白紫陽花あすを夢見て雨の中」
=濡れそぼる白。
夢見る雨上がりのあすはなに色でしょうか。
虹が架かるといいですね。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「7月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、7月5日となります。
7月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。