元宝塚歌劇団 月組 叶羽時さん
宮村 裕美です
宝塚歌劇の夢と情報をお届けする
『レビュー・ステイション』
7月11日(土)は、
スペシャルゲストデイをお届けしました!
お迎えしたのは、
元宝塚歌劇団 月組 叶羽 時さん
2010年、96期生として
『THE SCARLET PIMPERNEL
(スカーレット ピンパーネル)』で初舞台。
2019年、『I AM FROM AUSTRIA
-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』で退団されました。
歌って踊ることが好きだった叶羽さんは、
お母様の勧めで、小学校6年生の時に、
宝塚音楽学校附属 宝塚コドモアテネに入られました。
なんとこの時には、まだ宝塚歌劇に
興味がなかったそうです!
コドモアテネで一緒にレッスンを受けていた友人に
『せっかくだから宝塚を見てみて!』と、
ビデオを借りたことから
宝塚歌劇にハマっていった叶羽さん。
ちなみに、そのビデオは・・・
TCAスペシャル2003
「ディア・グランド・シアター」
宝塚を初めて映像で見てみた感想は
「(美しくて華やかで・・・)この世のものではない!」
また、TCAスペシャルということで、
和物・洋物と様々なジャンルの歌が聞けるのはもちろん、
面白い要素が入ったコントのような場面もありますよね。
そのため、ビデオを見て
「何でもあるんだな!」という印象を受けたそうです。
非常に珍しい宝塚との出会いを経験された叶羽さんが、
実際に宝塚歌劇の舞台を拝見されたのは、
2004年の月組公演『飛鳥夕映え -蘇我入鹿-』
『タカラヅカ絢爛Ⅱ -灼熱のカリビアン・ナイト-』
この公演は、トップスター彩輝直さんのお披露目公演であり、
トップ娘役の映美くららさんの退団公演でした。
叶羽さんは、『飛鳥夕映え』で
映美くららさんが彩輝直さん演じる蘇我入鹿を想い、
上手の銀橋で「遅かった」というセリフと共に
涙を流すシーンを見て、
「この日本にこんなに美しい泣き方をする
お姫様がいるのか!」と衝撃を受け、
終演後には「あんなお姫様になりたい」と思ったそうです。
そしてその後、宝塚音楽学校の試験を受ける叶羽さん。
音楽学校の合格発表時には、
ご両親も一緒に来ており、
お父様が合格者の番号が記載されている板を見て、
ポロっと涙を流されました。
この時に、初めてお父様の涙を見て、
「父が涙を流すほどのことをしたんだな」
と、合格の実感が湧いたそうです。
在団中は、叶羽さんが出演される
すべての公演をご両親が見に来てくださっており、
「いつも頑張っているね」と、
優しく温かく見守っていらっしゃいました。
初舞台公演では、初めて観劇した月組で
初舞台を踏むことも嬉しかったそうですが、
それ以上に嬉しかったのが
横(袖)から見る宝塚の舞台だそうです。
トップコンビのデュエットダンスを袖から見ると、
足元までスモークがきて、
非常に幻想的な舞台に感動されました。
自分自身が舞台に立っていると、緊張して
なかなか舞台上の美しさを
感じることができませんでしたが、
袖から見た舞台は、
まるで絵画のように美しかったそうです
そして、初舞台後は月組に配属となった叶羽さん。
初舞台公演で、一か月ご一緒した月組さん
ということで、やはり月組配属は安心感があり、
嬉しかったそうです!
これまで様々な役を素敵に演じてこられた叶羽さん。
役を演じることによって、
様々な女性の人生に触れられる
様々な人の生き方を勉強できる
ということが面白く、
“役の人物の価値観に触れる”ということを
大切に演じてこられました。
宝塚歌劇100周年の年には、記念式典として
客席に多くの卒業生、OGの皆さんがいらっしゃる中、
月組の皆さんは
『TAKARAZUKA 花詩集100!!』を上演されました。
客席にいる大半が上級生ということで、
当時初めて銀橋を渡る場面があった叶羽さんは、
常に全身が震えていたそうです
ただ、そこで叶羽さんが何よりも感じたことが、
温かいということです。
卒業生である客席の皆さんが、
「頑張っているね」という
温かい目線を向けてくださることで
「素敵なものをお届けしなきゃ」
という気持ちになり、
やはり宝塚は温かい場所だなと感じたそうです
そして、『TAKARAZUKA 花詩集100!!』の新人公演では、
本公演では、トップ娘役の愛希れいかさんが務めました、
蘭の女王を担当された叶羽さん。
トップスターが浴びるライトに驚かれました。
明かりが強く、辺り一面全てが
真っ白に見えてしまうほど眩しかったそうです。
また、ラテンの場面ということで、
衣装は全身とてもボリュームがあるものだったため、
腕を上げてしまうと
肩のフリルが自分の顔に当たってしまい、
扱うのが難しく大変だったそうです。
叶羽さんのターニングポイントとなった役は
2014年に上演されました
『THE KINGDOM』のキャサリン。
初めての通し役で、歌やセリフも多く、早替わりもあり、
この公演の作・演出を務めた正塚 晴彦さんから
当時、愛情のあるお叱りをたくさん受けたそうです。
本公演で、水の精霊と舞音の影を演じた
『舞音-MANON-』の新人公演では、
ヒロイン舞音を務められました。
舞音は、家庭に疑いを持ち、
お金でしか愛は買えないと思っている
難しい役どころですが、
そんな舞音を理解するために、
たくさんの本や映画・ドラマを見て勉強されたそうです。
舞音はアオザイに黒髪ということで、
アジアンビューティーな雰囲気を出すため、
髪形は鬘に地毛を合わせ、
髪が美しくなびくよう、
愛希れいかさんに様々アドバイスをいただいたそうです。
舞音のアオザイをはじめ、どのような衣装も
美しく着こなされていた叶羽さんですが、
在団中はもちろん、
現在もパーソナルトレーニングに通い、
美しい体型を維持されています。
ただ、その引き締まった体型から、
在団中にはかっこいいと言われることも多かったそうで、
娘役なのにかっこいい・・・と、
悩んだこともあったそうです。
多くの海外ミュージカルの初演をおこなっている月組ですが、
叶羽さんも多くの海外ミュージカルにご出演なさいました。
その中でも、印象に残っているという方も
多いのではないでしょうか?
『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』
この公演では、エリザベートの姉 ヘレネを演じられました。
まさに、本当の姉妹のように素敵だった
叶羽さんと愛希さんですが、メイクなど
二人で話しあって合わせたものではないそうです
しかし、とても雰囲気が合っているお二人でしたよね
お稽古場では、叶羽さんがヘレネをイメージして
三つ編みをしてハーフアップ
という髪形をいつもされていたのですが、
ある日、愛希さんから
「ねぇねぇ、お姉ちゃん見て!」と、
声を掛けられた愛希さんを見ると、
なんと叶羽さんと、全く同じ髪飾りで
同じ髪形をしてくださっていたそうです。
このように、愛希さんが
寄り添ってくださったからこそ、
実際は1つ下級生ではありますが、
姉として自然と寄り添うことが出来たと仰っていました
退団公演である、『I AM FROM AUSTRIA
-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』
この公演では、お芝居の後のフィナーレにて、
トップスター 珠城 りょうさんさん
そして、退団同期の陽海 ありささんと共に、
叶羽さんは銀橋を渡られました。
潤色・演出を務めた齋藤 吉正さんの愛情により
実現した非常に素敵な場面だそうです
ただ、そんな齋藤さんからある日の公演後に
「時ちゃん1つだけダメ出しさせて」と、
声を掛けられた叶羽さん。
叶羽さんは、元々走るのが速いそうなのですが、
なんと「銀橋あんなに爆走しないで!」と言われたそうです。
「退団公演なんだから、
ちゃんとファンの皆さんを見てあげて。
あんなに爆走しないで」と、アドバイスが。
こんなところにも、叶羽さんの
かっこいいところが出てしまいましたね(笑)
叶羽さんは現在、マインドレッスンをおこなう教室
「ステキLa.ra」を主宰されています
叶羽さんがマインドレッスンに出会ったのは
在団中だそうで、
下級生の頃、自信を失ってしまい、
歌と踊りが好きだったのに
段々義務のようになり、
“好き”という気持ちから
離れてしまったことがありました。
その時に、正塚 晴彦さんのアドバイスから、
まず土台の本名の自分の人生があり、
その上に芸名の自分がいて、
その上に役を重ねるから、
土台の本名の自分を豊かにしないと
何もできないと感じたそうです。
そして、そこから人生について
考えるようになったそうです。
叶羽さん自身もマインドが変わると、
歌と踊りのスキルが上がったり、
メイクや髪形など似合うものが分かるなど、
勉強して実践をすると
面白いほど変わることを実感されました。
どのようにマインドレッスンをおこなうか
教えていただくと、何度も自分に質問をするそうです。
何度も質問をして、深掘りをすることで、
自分の可能性を見つけたり、
思い込みを解いてあげられるそうです。
新しい自分を見つけたい
これからの自分の人生を豊かにしたい
と気になる方は、
「ステキLa.ra」のホームページへ
アクセスしてみてくださいね
ステキLa.ra ホームページ
叶羽 時さん オフィシャルブログ
叶羽時さん、ご出演くださいまして
ありがとうございます!
なお、叶羽 時さんがご出演くださるにあたり、
つりしのぶ園 様より
『つりしのぶ』をご提供いただきました。
つりしのぶ園さんホームページ
ありがとうございます。