たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今回の担当選者は、夕凪子さんです。

今月もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

今月の投稿作品

月波与生さん

「破られた約束ポケットに残る」

「もう空を飛べなくなって出す手紙」

 

一橋悠実さん

「ニコちゃんマークぶら下げサバイバルゲム」

「おくるみの中の大人を見てしまう」

「ぽろり泣く歳ではないの栗饅頭」

 

朧(ろう)さん

「社会的距離と言われた牛が鳴く」

 

猫又さん

「竜巻の渦の真中で離した手」

「逃げ出した超高速のスキップで」

「こんな日は猫と一緒にダメになる」

 

弘子さん

「パンの香の列に加わる小春かな」

 

紀子さん

「生かされて消防士さんお巡りさん」

 

文子さん

「ここぞの時に声がくぐもる縮こまる」

 

由利子さん

「エコなどとただの袋がほめられる」

 

千加子さん

「令和二年とにもかくにも煤払い」

 

高良俊礼さん

「戲画として冬の形になる雀」

「枯野にも詩情はありて鳥うたう」

 

恵庭弘さん

「ボーナスを かじり取られる 子に孫に」

「重力に 逆らってるな 美魔女たち」

「デジカメで履歴写真加工する」

「北海道石狩鍋はクセになる」

 

芍薬さん

「輪郭を思い出せない金閣寺」

 

川端日出夫さん

「土壇場でポインセチアに騙される」

「冬木立西日の長さ計る性」

「GO TOも掴みきれない師走」

 

徳道かづみさん

「騙されてあげたサンタはいるんだよ」

「一年をねぎらう皺くちゃのお札」

「星を売るたびに悲しくならないか」

 

城水めぐみさん

「北半球にも齧られた跡がある」

 

かずきさん

「迷信と知りつつそっと爪切る夜」

「兄にしか見えぬ町あり ちぎれ雲」

 

小林康浩さん

「ウイニングラン止められた三周目」

「リュウグウノツカイが運ぶ請求書」

 

ハイジ63さん

「詫びたい人師走の空にひしめいて」

 

 

今月の気になる作品

一橋悠実さん

「愛だから逆さにしてもきっと愛」

=逆さにしても、寒くなっても永遠に愛は不変。

 変化したら、それはもう愛とは呼べない。

 

かずきさん

「点滴の母と見る窓 紅葉狩」

=病院の窓からの紅葉狩。

 真っ赤に色付いた、つかの間を別け合っている母と子。

 

月波与生さん

「ときめきをカラーとセピア色に分け」

=「ときめき」に色がある発見。

 セピアのときめきを宝石のように扱う指が見えてくる。

 

小林康浩さん

「オーバーランばかりの男(ヤツ)に賭けてみる」

=正反対の性格の持ち主か。

 予想のつかないところ、賭ける対象として外せない。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は茉莉亜まりさんが担当します。

なお、来月は「1月」がテーマです。

次回の夕凪子さんの登場は、1月10日となります。

1月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。