たからづか8丁目35番地(水)『川柳の時間』

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『川柳の時間』

第一水曜日は茉莉亜まりがパーソナリティの山崎彫科さんとお届けいたしました。
みなさん、それぞれの桜を愛でられましたでしょうか。
宝塚あたり、名残りの桜がまだ美しい朝でした。
番組内でお読みできなかった句の抜粋と講評をお届けいたします。

「川柳の時間」、いつもはFM宝塚公式Youtubeチャンネルにて一週間程度アーカイブを残し
ご覧いただけますが、本日の放送分はYoutubeの設定ミスにより、映像が流れておりません。
音声のみ、正常な状態となっております。
楽しみにお待ちいただいておりました皆さま、申し訳ございません。
音声はお楽しみ頂けますので、よろしければラジオとしてご活用ください。

 

論語なら菜の花ほどは苦くない
川端日出夫

「論語」の諭しは時に苦く響くもなかなか味わい深い。
菜の花の苦み。自然のまま味わえば春も深くなる。

 

つくしからスミレに変わるネオン街
砂狐

昼間は地味にそっとつくし。ネオン街でもそっと。それでもスミレにはなる。
地面から生えて、片隅で踏まれないように。でも、だれかに気付かれるといいな、と思いながら。

 

友が逝くゆっくり散ってくれ桜
徳道かづみ
永訣と散りゆく桜。慟哭が響く。桜よ、せめて友がしばしこちらにとどまる時間を、
見送る覚悟ができる時をしずかにゆっくりと散っていってくれ。

 

たくさんの花咲くはずだった 命
和音

命あればこそ咲いた花々。夢や夢。
寿命を迎えた命。期せずして奪われた命。
やすらかに、と。時を経てまとどこかで会おう、と。

 

嘆いてもさくら吹雪は川の上
みいちゃん

川の上で吹雪いてゆくさくら。嘆きと共に川の上から花は筏となって流れてゆく。
時が流れる。桜が流れる。大海まで旅ができ、また来年の桜の命へと還りますように。

 

往くものも来るも残るもサクラサク
猫又夏梅堂

往くも生まれるも来るも去るも、見送るも後に残るも、残されるも、すべては
サクラサクラ。散って咲いてつぎの春まで。つぎの時まで。

 

今ひと目会わな躑躅の朱に紛れ
高良俊礼

春の景色の中、はっとする鮮やかさを誇る躑躅。今、ひと目。ただひと目。
その朱が許し、紛れさせてくれるだろうから。

 

新しき道に桜が舞い散って
西尾幸恵

桜咲く頃には新しい道ができる。進むべき新しい道をつくる。
まあたらしい道、その未来を寿ぐよう、桜が舞い散る。

 

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櫻守・佐野藤右衛門さんのお世話して来られた円山公園の枝垂れ櫻。
人よりも人らしいな、と毎年逢いたくなります。 【茉莉亜まり】