たからづか8丁目35番地（水）『川柳の時間』

『川柳の時間』

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番組内でご紹介できなかったお作品の抜粋はこちらです。

虹淡く恋したあの日若い夏　　カッシュママ
うっすらと淡い虹のようなあの頃の恋｡思い出の中で未だ色褪せずに残っている。
もうかえらない日々を愛おしむ初夏｡

雨止まず戦も止まず増す暑さ　　和音
雨が降ると河川が氾濫し、旱が続くと野菜が高騰｡自然に逆らえない非力な人間同士が､愚かな争いを続けている。もう目を覚まして欲しい｡

遠雷や広げたままの投稿句　　林かずき
作句中にふと雷鳴がする｡もう梅雨明けだと知らせるのだろうか。
いよいよまたあの灼熱の季節になるのだなぁとペンを休める。

戻り梅雨まだ決着のつかぬ恋　　徳道かづみ
なかなか明けない梅雨のように､ぐずぐずと続く恋｡何処まで行っても雨｡
思い切る事の難しさを「戻り梅雨」に託す｡

百日紅垣根を埋めて盛夏とは　　高良俊礼
百日紅がいっぱいの夏が来た。青い空を埋めて､垣根を埋めて、心を埋めて。この夏を満喫せよと咲き誇る。

転がらず大人になって錆びた弦　　猫又夏目堂
生を最高にするあらゆる努力をしてきた。錆びだしたことは完全に近づいた証し。
弦からはグランブルーの音がする。

名前なんて気にしない｡可憐に今年も咲くいじらしさ｡【夕凪子】