たからづか8丁目35番地(水)『川柳の時間』
『川柳の時間』
残暑いまだ、の中、秋の虫たちはその音を響かせてくれていますね。
本日は山崎彫科さんがおやすみということで、
金曜朝8時から12時まで「笑福亭瓶吾と愉快な仲間たち」に
ご出演の東村(とうむら)洋子さんと一緒に茉莉亜まりがお届けしました。
「川柳の時間」はエフエム宝塚youtube公式チャンネルでの同時生配信でお届けしています。
チェンネル登録をしておたのしみください。
番組内でご紹介できなかったお作品の抜粋はこちらです。
かき氷の列で私が壊れだす 川端日出夫
みんなとあたりまえに並んでいた列。並んで食べることに疑問もわかなかったかき氷。
なにかが違うと気付いて壊れだす。かきご氷はとけだす。あたらしい自分を固めるために。
カリカリとペン先走る秋の夜 玉山智子
しん、と冷え込む秋の夜。心を風が抜ける。カリカりとなにかを綴ることで秋の夜長を埋めてゆく。
読んでほしい人にカリカリ。誰に読まれなくてもカリカリ。
満月がさ迷う心受け容れて 和音
まんまる満月はやさしく受け入れてくれる。さ迷うままをやさしく照らし、またあすへとつなげてくれる。
君は私の空(くう)を信じたのですか 一橋悠実
私のくう。わたしのからっぽ。君がそれを信じたのだとしたらごめんなさい、なのか、ばかね、
見抜けなかったの、なのか。わたしはくうのまま。
汝が街を破線がよぎる予報円 猫又夏芽堂
汝が街をよぎる破線。大丈夫だろうか、と思いを馳せる。台風の心配か。
台風のようななにかにおそわれるなよ、と汝を想うのか。
夜話ふたつ地霊が揺する樹に絡み 高良俊礼
その地に念を残したままの地霊。絡んだ樹から放つにはその念を感じ取ること。知ること。
知らしめるべき人にそっと大切に知らしめること。夜話となった念ふたつ。地霊は木から解かれたろうか。
蓮の実を抉り続ける未練かな 徳道かづみ
蓮の実を抉り出すには骨が折れる。抉る。出ない。抉る。出ない。抉り続ける。出ても出なくても。
未練などというものは生きる限り、なのかもしれず。
「月のはことのは展」須磨駅徒歩5分のカフェ&ギャラリーにて9/15まで。
「あいうゑむ」さんの営業時間は12時~17時。木曜日定休です。【茉莉亜まり】