たからづか8丁目35番地水曜日 川柳の時間

えるかさん

「川柳の時間」

空が高くなり、夜空には月がうつくしく昇る季節となりました。

「川柳の時間」は宝塚公式Youtubeチャンネル同時生配信で、茉莉亜まりが山崎彫科さんとお届けしました。

茉莉亜まりの今日の一句は

あたたかい人に会う日のコキア燃ゆ

でした。

コーナーのアーカイブは一週間程度残ります。チャンネル登録をしてお楽しみくださいませ。

 

番組内でお読みできなかったお作品の抜粋と、鑑賞です。

 

カレンダーめくる 木枯らし吹いてくる    玉山智子

めくる。季節が進む。いつの間にか冷たくなった風。

こころまで冷え込みませんように。

 

焼き芋を分け合う白髪女子二人   徳道かづみ

気心知れ、あんなこともこんなことも話してきた白髪女子。人生いろいろあるけれど、いまも焼き芋を分け合える女子同士。

 

花嫁の涙キラリと身を揺らす   カッシュママ

よろこびの涙。感謝の涙。旅立つ惜別の涙。キラリとひかる涙に身を揺らしたのは、花嫁。送り出す家族も、だろうか。

 

待ち人は今日も来たらず雁渡し   猫又夏梅堂

雁渡しは9月の風。良い知らせを運んで渡ってくるとされる雁だが、待ち人は今日も現れず。さて、きょうはどうだろう。風が沁みるようになる前にやってきますように。

 

ただひとつの宝の命 照らす月   和音

ひとりにただひとつの宝。そこなわれてはならない宝。すべての命にあまねく月の光は届く。どんなときにも届く。届け。届け。

 

微動だにせずにその日を受け入れる   川端日出夫

その日その日をまるごと受け入れる。。なにかにと揺らぐことが多いけれど、微動だにせず。その決意で。

 

包んでるつもり神になったつもり   一橋悠実

つもり。つもり。つもりでも包もうとした。神になろうとした。その気持ちが、大事。

たとえ包めなくてかなしくても。

 

郷愁とまみえる丘の赤とんぼ   高良俊礼

季節が移る。ノスタルジア。丘に舞う赤とんぼが彼方から運んできたか。異郷から故郷を想う郷愁であり、どこにいても異郷で生きると感ずるわびしさをふと付けられたようでもあり。


今日の先生の写真

えるJの実家の栗を食べながら番組後のひとときを過ごす茉莉亜茉莉先生でした。

 

 

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