川柳の時間

s-image0

たからづか8丁目35番地

7月3日 夏の気配の増してきた逆瀬川ブースから見える緑の色が深くなりました。
「川柳の時間」茉莉亜まりがパーソナリティの山崎彫科さんとお届けしました。
コーナーはFM宝塚公式youtubeチャンネルでの同時生配信でお届けしています。
アーカイブが一週間程度残ります。チャンネル登録をしてお楽しみください。

以下、番組内でご紹介できなかったお作品の抜粋と講評です。

 

七夕の夢をあつめた天の川    玉山智子

数多の星は地上のみなの夢。それぞれが叶いますように、と光って。

 

視覚野に言葉の嵐雲が湧く  涼閑

言葉の嵐が目につく。あちらでもこちらでも。湧くのは不穏ではなく、

賞賛や歓声の雲でありますよう。

 

ノーという共通言語捨てたヒト 和音

気のないイエスがあちらにもこちらにも。骨のある人間はいつしか

絶滅危惧種となり、気骨を失ったヒトになってきた。

 

タマネギのにおい 半人前の指  一橋悠実

指先に残るつんとしたにおい。一人前になりきれない痛みともどかしさは指に残ったまま。

 

誂へた私色≪わたくしいろ≫の唐辛子  猫又夏梅堂

唐辛子は魔除けでもある。わたくし色に誂えてわたくし色を守るのがいい。

 

悲しみを癒してくれる花の種  カッシュママ

咲く花を、実る実に思いを馳せ、種を手に載せる。いつか蒔くことが

できるなら、そのときに悲しみを越えたほんとうの未来が未来が見えるかもしれない。

 

鱧の骨切りに軸足置いている  川端日出夫

リズミカルに包丁を動かし、骨を切ってゆく。シュッ、シュッと

乱れないその包丁さばき「一定で乱れない」が軸足の置きどころ。

 

新生姜かじるリスタートは近い  徳道かづみ

新生姜の白と、パンチの効いたからみ。がりりとやって、よき再スタートとなりますよう。

 

原色は愉楽と共に静め、夏  高良俊礼

原色は力で迫りくる。時に圧倒される。静めるならば愉楽と共に。

ドーンダウンしたなら、夏を純粋な季節として楽しむことのできるおだやかな夏となるのだろう。

   

s-DSC_1252

 

阪急三宮駅東口コンコースで風鈴がゆれていました。
今日の一句半夏生形見に貰う蛇の皮  まり