たからづか8丁目35番地水曜日川柳の時間
fm宝塚川柳の時間
ポンプ踏むプールの子らの脚線美 林かずき
自由にのびのびと育った手足。我が手足と比べてなんという違い。どうぞこのまま、思い煩うことのない一生でありますように。
刻ゆるり昭和の匂い残る町 カッシュママ
時代によって時間の速さが違う。昭和は昭和の速さ。スマホから解放されて、時には戻ってみるのもいいか。
父母も猫も跨る精霊馬 猫又(夏梅堂)
お盆にはご先祖も父母も帰ってくる。茄子や胡瓜の馬に乗って猫までも帰ってくる。大事な家族だから。
四捨五入されてアイスを凍らせる 川端日出夫
真夏の冷蔵庫はフル回転。なんとか隙間を作ってアイスを作る。そのためにはみ出したあれこれ。今日中に食べないと。
灼熱に生きろ生きろとセミが鳴く 和音
シャワシャワと暑さを掻き立てるように鳴く蝉。負けたらあかん、生き延びろとエールをくれる。ひところよく鳴いていたミンミン蝉がなんとものどかに思えてくる。
カミナリの後の歓喜を待っている 一橋悠実
カミナリは稲の成長には欠かせない。トマトだって遠雷を聞いて甘くなる。私だって….。カミナリが密かにもたらす歓喜。
盆踊り他人の顔ですれ違う 徳道かづみ
あの頃より少し痩せたような。涼やかな出立ちは少しも変わらないあなた。遠くから気がついていたけど、声はかけないわ。もう思い出の中の人だから。
七夕に着色されて水、踊る 高良俊礼
七夕の飾りは辺り一面を涼やかに変える。風の色も噴水も小川の水も七夕色になる。短冊に書かれた祈りもきっと叶う。
今月の一句
逆さまの私が本当の私 凪子
お土産がデスクに並ぶお盆明け 彫科
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タイ、チャチューンサオのピンクガネーシャ。願い事を聞いてくれるって。