12月3日(水)川柳の時間
2025年12月7日たからづか8丁目35番地 「川柳の時間」
今年最後の放送、鑑賞は茉莉亜まり、パーソナリティは山崎彫科さんでお送りいたしました。
一年間、ご投句、ご視聴ありがとうございました。
「川柳の時間」はエフエム宝塚公式youtubeチャンネル同時生配信でお届けしています。
アーカイブが一週間程度残ります。チェンネル登録をしてお楽しみください。
番組内でお読みできなかった句の抜粋と講評です。
半歩半歩確と歩んだかたつむり 和音
半歩ずつ。這ってゆっくりと。でも確かに。歩んだというその事実と、歩んだのだと思うことのできる自身の心とが確かなのだ。
木枯らしが自由気ままに暴れてる 川端日出夫
落ち葉をまき散らす。コートの前をはだけさせる。自由気ままな木枯らしに翻弄される。
木枯らしのように気ままな人がいたり、自由気ままに暴れたいよと思ったりする木枯らしのさなか。
反論を述べるは腹の奥の奥 一橋悠実
反論を飲み込んでいる。奥へ奥へ。中でくすぶる。しかるべき反論は前へと出したいところだが、
それが通じる相手なのかを見極めれば、やはり奥へとなるのか。
あるいは、それがしかるべき反論か否か精査をするためのしまい込みなのか。いずれにしても奥がざわつく。
垣根這うおしゃれ談義の自己主張 カッシュママ
垣根を這ってゆくおしゃれ談義はにぎやか。「それいいね」「おしゃれだね」「いいでしょ」と喧しい。
外の世界に出るときの装いはある意味武装。自身をお気に入りで守りながら世の中へ出ていく。
もの云わぬ静かな自己主張をめぐって言葉は飛び交う。
指で丸作り言質は残さない 徳道かづみ
無言の「OK」。納得がいったわけではなくても出さざるを得ないとなった〇には言質は残さない。
自身の逃げ道を作るずるさは自信を守るため。どうか許されよ、です。
凪の浦ゆ見えざるものの美は流れ 高良俊礼
凪の浦から見えざるものの美が流れる。見えざるものには一切のまやかしがない。
流れる美を感ずる心のありようで凪の浦に佇む。

飛火野で鹿寄せを見ました。ホルンの音を合図に森の中から駆け出てくる鹿たち。
いにしえからの時の流れを感じました。【茉莉亜まり】








