やなせたかしさんの詩

毎週土曜日、エフエム世田谷は午後7時から、エフエム宝塚は午後8時から、
「貴志まさみの、バラのくちづけ」をお届けしています。

5月31日(土曜日)の放送ですが、私が大好きなやなせたかしさんのお話をしたいと思っています。
やなせさんは漫画家でありアニメーターでもあるんですが、詩人でもありました。
そしてみずから編集長となって『詩とメルヘン』という雑誌を、1973年から2003年まで発行されていたんです。
詩とメルヘン」……やなせたかしさんらしい雑誌の名前ですね。
やなせたかしさん作詞の歌をお届けしながら、やなせさんが書いた詩も朗読しようと思います。
ではまず、やなせたかしさんが美術監督をつとめたミュージカル作品、
永六輔作詞、いずみたく作曲の名曲「見上げてごらん夜の星を」
2曲目は、一緒に歌えば元気になる「手のひらを太陽に」、
そして、愉快な男の子ソング「パンツはきかえのうた」3曲をつづけてお聴きください!

♪~見上げてごらん夜の星  
♪~手のひらを太陽に  
♪~パンツはきかえのうた 

やなせたかしさんは、いろいろな顔を持った人だと思います。
や母、弟、そして奥様を思う熱い気持ちを持ちながらアンパンマンのように弱い人を助ける慈愛のこころ、
自分を犠牲にしてひとのためにがんばる利他の精神、
だけど、どこか少年のような明るくていたずら好きな一面、ユーモラスな側面もあるように思います。
とくに「パンツはきかえのうた」、あまりこんな歌を作る人はいない歌ですよね。
小さい頃のやなせさんの思い出なのかしら。
そんなやなせさんの詩に「天使のパンツ」という作品があります。

📗

天使のパンツがおっこちた
なにしろその日の夕ぐれは
まるでまっかな夕やけで
赤い花びらちるように
天使のパンツがおっこちた
南の海へおっこちた
いまでは南のその海で
人魚がパンツをはいている

📘

なんだか可笑しな詩だと思いませんか?笑っちゃいますね。
どこからこんな発想が出てくるのでしょう?
きっと、マンガの絵が先に浮かんできたのかもしれませんね。
やなせさんのこうした突拍子もない詩に驚かせられます。
そんなやなせたかしさんですが、ご自身の青春時代のことを思う詩も書かれています。
「白い街」という詩で、小野瀬晃一さんという神戸の作曲家の先生がメロディをつけ、
貴志まさみが歌っています。「白い街」お聴きください。

♪~白い街  

やなせたかしさんの詩の世界、メルヘンのような詩もあれば、慎み深い想いを言葉に託した詩もありますし、
アンパンマンのように元気な詩もあります。想いを、星や花は小鳥に託した詩もあります。
たとえば、「ある日ひとつの」という詩を読んでみましょう。

ある日一羽の小鳥が生れた
ほんのちいさい小鳥だけれど
その鳥の翼は海よりも青い
その鳥の眸(ひとみ)は愛にきらめく

🐤

ある日ひとつの生命(いのち)が生れた
ほんのちいさい生命だけれど
ゆりかごにゆられてほほえみうかべて
愛らしい眸(ひとみ)はなにを夢みる

👶

今日も一羽の鳥が生れる
ほんのちいさい小鳥だけれど
その鳥の胸毛は空よりも青い
その鳥の心は愛にはばたく

🐦

小さなものに対する、やなせさんの想いの深さ、温かさが感じられます。
それでは、次の歌は、やなせたかしさんが戦争で亡くなった弟さん、
千尋さんのことを思って書いた「星」と、
「わかれの曲」、そして「アメイジング・グレイス」をお聴きください。

♪~星  
♪~わかれの曲  
♪~アメイジング・グレイス

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