歴史と感動がいっぱい 「スペシャルゲスト 時 凡子さん」

姿 美保子です

 

6月17日(金)放送の【レビュー・ステイション】は

月に一度のスペシャルゲストデイをお送りしました。

 

昭和28年入団・40期生:時 凡子さんのお話いかがでしたか。

張りのあるお声と上品な言葉遣いからは

正に「清く正しく美しく」の伝統が伝わってくるようでしたね。

 『レビュー・ステイション』2016.6.5時凡子さん

今回は6月5日にスタジオ収録させて頂いたものを

時間の都合上一部編集してお聞きいただきました。

中でも印象的だったのは戦時中のお話です。

 

その頃東京にお住まいだった時さん。

中学校に入学したものの、毎日講堂で軍の仕事に追われていました。

作業用の部品が届かなかったある日、

「せっかく舞台があるんだから何かやってごらん」と校長先生。

時さんは踊りの上手な友人に引っ張り出されて愉快な歌を披露したそうです。

皆手をたたき笑い声をあげて喜んでくれました。

でもステージから降りる時さんの目に入ってきたのは校長先生の涙。

次の日、中学校は爆撃に合い、校長先生は犠牲になられたそうです。

「校長先生が何故泣いていらっしゃったのかわかりませんでした。

でもそのことが忘れられないんです」

 

戦後、京都に移ってきた時さんは

宝塚歌劇ファンのクラスメートと親しくなります。

高校生になって初めて観た宝塚歌劇。

生きている人とは思えないほど美しかった春日野八千代さん

タカラヅカでは歌が歌えてダンスができて芝居ができる。

戦争の痛手を忘れて夢中になったそうです。

その後友人の応援で音楽学校を受験。見事合格となりました。

 

たくさんのスターさん達との思い出もお聴きできました。

研3でトリプルキャストのヒロインの一人に選ばれた「美女と野獣」では

王子様に変身した故里 明美さんのピンスポットに浮かび上がった姿が

あまりに美しすぎてボーッとなってしまい、セリフが飛んでしまったこと。

 

若手スターが抜擢された1957年「高校三年生」では

女子高生らしいということで藤里 美保さん、内重のぼるさんの相手役に選ばれた時さん、

当時映画で女学生物を演じていたナタリー・ウッドをお手本に

衣装を自分で揃え、髪も切ってしまったそうです。

 

「花の饗宴」では

明石 照子さんの歌があまりにもすてきで

そのシーンになると下級生がみな袖に集まって観ていた。

 

などなどたくさんのエピソードを紹介して下さいました。

 

1959年カナダ・アメリカ公演に参加された時さんは

その後なんとロスアンゼルス在住の方とご結婚されることになり、

約50年間ロスアンゼルス近郊にお住まいになっていらっしゃいます。

 

そして1995年に訪米された演出家・渡辺武雄さんから提案され

アメリカに住むOGの皆さんの交流を図るための会「宝米会」を設立され

会報誌を発行するなどの活動を続けていらっしゃいます。

現在ブラジルやハワイなども含めて約25名の会員の方がいらっしゃるそうです。

 

時 凡子さんとのお話は尽きず、樽井さんと私は再開を願って

何度もハグをして時さんとのお別れを惜しみました。

 

ラジオをお聞きの皆様への時さんからのメッセージは

「I hope see you again」

 

またお会いできることを願っています。

 

お終いに、

今回このような機会を設けて下さった浅子 順子さん

ありがとうございました。