宝塚音楽学校 第112期生 入学式

樽井美帆です

 

宝塚音楽学校第112期生入学式が、4月19日(金)午前10時から、

宝塚音楽学校の講堂にて執り行われました。

 

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第108期生の入学式からは、コロナ禍のため、時期や会場、内容を変更して行われていた入学式。

今年は4年ぶりに、すべてがコロナ禍以前の内容に戻りました。

第108期生の入学式からは、取材も代表取材という形がとられ、

私たちも実際に会場で取材をすることが叶わなかったのですが、

今年は4年ぶりに会場で取材をすることができました。

 

開式に先立って集合写真の撮影が行われます。

真新しい制服を着て整列した新入生を見て、「あれっ?」と私は例年と違う雰囲気を感じました。

何かと言いますと、娘役志望のみなさんの髪型です。

これまではピンとキッチリ編んだ三つ編みヘアでしたが、アップのお団子ヘアだったんです!

これだけの変化でも雰囲気が変わりました。

可愛らしい中にも大人っぽく落ち着いた感じがしました。

 

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職員の方に伺ったところ、やはり入学式でお団子ヘアをするのは初めてとのことでした。

かつては髪型が自由という時代もあったそうですが、髪型が統一されるようになってからでは、

入学式でのお団子ヘアは初めてだそうです。

ただ、公式な場では予科生の娘役志望の方は、これまでもお団子ヘアにされているそうです。

 

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卒業式では、予科生が受付や座席の準備などを行い、感謝の気持ちを込めて先輩を送り出しますが、

入学式では本科生になりたてのみなさんが、髪型や制服の胸元のリボンなどの調整をお手伝い、

受付や会場のセッティングなどで新入生をサポートします。

 

開式の10時少し前に本科生が入場。

 

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そして、10時になると新入生が拍手で迎えられ入場します。

3月27日(水)の合格発表から、ご縁あって同期生となった40人が、

心をひとつにして晴れやかな笑顔で胸をはって行進します。

 

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開式のことばに続いて国歌斉唱。

本科生は、新入生の後ろから、優しく励ますように声量たっぷりに美しく歌いあげます。

新入生も懸命に歌っていました。

 

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新入生徒紹介では、一人ずつ名前を呼ばれ「はい」と、溌剌とよく響く声で返事をして立ち上がり、

壇上の校長先生に向かって一礼をします。

決意が込められた丁寧なお辞儀でした。

 

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中西達也校長式辞を一部ご紹介させていただきます。

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これまでの宝塚歌劇の舞台に立ちたいというみなさんの夢は、

これからは宝塚の舞台に立つという目標に変わることになります。

この夢を叶えられなかったみなさんが多くおられることを深く胸に刻み、

このような機会を与えてくださったご家族や関係のみなさまのご支援があったからこそ、

入学がなしえたことへの感謝の気持ち、初心を決して忘れることなく謙虚に精進し、

充実した学校生活を送っていただきたいと思っています。

挨拶などの礼儀作法などもしっかり身につけて、社会人に向けて教養を高めるとともに、

人としてもこの2年間で成長し、あの華やかな舞台を支え、

夢や感動をお届けできる品格のある舞台人を目指してほしいと思っています。

自身に決して限界を設けずに様々なことに挑戦し続けてほしいと思います。

芸事には厳しく、人には優しく、思いやりを持って接し、2年後には宝塚歌劇団へ揃って入団し、

みなさんが多いに舞台で活躍されることを期待しております。

 

不安な思い中でも、憧れの宝塚歌劇の舞台に立ちたいという誰より熱い思いを持ち続け、

入学された新入生に寄り添い、サポートをされたご家族への感謝も伝えられていました。

 

続いて、村上浩爾理事長祝辞を一部ご紹介させていただきます。

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仲間、先輩、後輩、先生方、周囲の方々、どんな方々に接する時も、思いやり尊重し、

リスペクトして常に接して頑張ってほしいと強く思っております。

現在、歌劇団では様々な改善改革に取り組んでおります。

技芸の伝承、舞台を安全に遂行するためのルールや慣習、色々な決まり事があります。

それは必要だからこそ、できてきたルールや慣習ですが、

中には古くからの伝統や慣習が積み重なって、非合理的だったり非効率的になっていたり、

あるいは過剰な負担や、過剰な気遣いが生じているというものもあります。

常に時代に合わせて見直してアップデートしていくことを開始しています。

今後は、歌劇団と音楽学校が、より一層連携しながらしっかりと環境を構築していく、

後戻りしないという決意を固めておりますので、

みなさまにもご理解とご協力をお願いしたいと思います。

疑問点や意見や質問があれば、決して遠慮することなく、先生、カウンセラーの方、看護師の方、

校長先生に、一人で抱えすぎることなく考えた上で、相談・質問してほしいと思います。

今後はプロの舞台人になるために、思いもよらぬ様々な難しいこと、

困難なこと苦しいことがあるかもしれません。

みなさんがしっかりと逃げずに向き合い、ともに乗り越えて、

2年後には全員が揃って宝塚歌劇団に入団され、その後舞台で活躍されることを祈念いたします。

 

今後の歌劇団の改革についての決意と、みなさんへの約束を伝えられました。

 

宝塚歌劇団生徒代表祝辞は、雪組組長・奏乃はるとさんでした。

黒の紋付・緑の袴姿の奏乃さんは、とてもあたたかく優しい深い声で、

包容力のある笑顔で一人一人を見つめながら、分かりやすい言葉でお話しされました。

一部ご紹介します。

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志を同じくする同期生は、深いご縁で結ばれた唯一無二の存在です。

小林一三先生のお言葉、清く正しく美しくを念頭に置き、お互いを尊重し磨き合い、

良き舞台人を目指して頑張ってください。

みなさんのために協力し支えてくださっているご家族や先生方、

たくさんの方々への感謝の気持ちを決して忘れないでください。

舞台は一人ではできません。

本科生のみなさんもこれからさらに芸を磨き、人としての力を磨き、

より良き舞台人となれますよう祈っています。

これからの2年間が実り多きものとなりますよう心から願ってやみません。

ともに舞台に立てる日を心待ちにしております。

 

本科生へもエールを送られました。

 

南田愛弥(なんだ・まなみ)さんによる本科生総代 歓迎の辞を一部ご紹介します。

 

わたくしたちはみなさまと一緒に学校生活を過ごすことをとても楽しみにしておりました。

芸事に励むことができる当たり前の日常に感謝し、

豊かな未来を糧に一丸となって精進してまいりましょう。

そして、芸事のみならず日常生活においても、常識と品格を持ち、

人として成長し尊敬されるようともに頑張ってまいりましょう。

巡り合えたステキな同期に感謝すると同時に、

喜びも悲しみも分かち合い切磋琢磨しながら固い絆を深めていってください。

小林一三先生の清く正しく美しくの教えを胸に、

限りない芸の道をわたくしたちとともに歩んでまいりましょう。

 

入学されてからの一年、どれほど充実した時間をすごされたかが、また本科生としての自覚が、

輝く姿から感じられました。

しっかりと新入生の心によりそう歓迎の言葉でした。

 

続いては、そんな歓迎の言葉を受けた今井咲(いまい・さき)さんによる新入生総代 答辞です。

一部ご紹介します。

 

清く正しく美しくの教えのもと、立派な舞台人になるよう限りない芸の道に精進することを、

今ここにお誓いいたします。

憧れの宝塚の舞台に立ちたいという夢を諦めることなくレッスンに励んできた日々、

今日まであたたかく見守り励まし、夢と希望を持つ道を選ばせてくれた家族や、

応援していただいた多くのみなさまに感謝しております。

わたくしたちは第112期生として、その自覚と誇りを持ち、

必ず立派な舞台人になりますよう懸命に努力してまいります。

 

しっかりした中にもまだどこか幼さが残る初々しくはつらつとした声から

あふれる喜びが感じられました。

 

金剛石の歌に続いては校歌斉唱。

憧れの校歌を歌う姿はとても誇らしく見えました。

 

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閉式のことばに続いて、セレモニーが行われます。

予科生の入学を祝って、本科生が予科生の胸に校章をつけます。

コロナ禍以前は、このセレモニーで、緊張のあまり泣き出してしまったり、

感動で涙があふれるという予科生が多かった印象ですが、

今回はとてもあたたかい雰囲気で、本科生と予科生が笑顔をかわし、

感激で涙涙というよりは笑顔があふれていたように感じました。

 

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私たち40名は、宝塚音楽学校第112期生として本日入学させていただきました。

よろしくお願いいたします。

と、今井咲さんを中心に新入生よりお礼の言葉が述べられ、入学式は終了しました。

 

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入学式終了後、新入生生徒代表のみなさんにお話を伺いました。

 

インタビューに答えてくださったのは、次の4名です。

左から

千葉県出身・今井咲(いまい・さき)さん

東京都出身・森永涼(もりなが・りょう)さん

京都府出身・仲田毬乃(なかた・まりの)さん

兵庫県出身・田島妃葉(たじま・ひよう)さん

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★入学式を終えての感想

今井咲さん

ずっと憧れであった宝塚音楽学校の講堂で入学式をさせていただくことができて、

とてもうれしいです。

これから2年間日々精進をおこたらず頑張ってまいります。

 

森永涼さん

ずっと夢だったグレーの制服を着て校歌を歌うことができて、

宝塚音楽学校の一員になれたんだという実感がわきました。

これからも今日の気持ちを忘れずに、支えてくださった感謝を忘れずに

これからも努力してまいります。

 

仲田毬乃さん

これからはじまる音楽学校の生活に向けて身が引き締まる思いです。

憧れだった宝塚の世界のスタートに立たせていただくことができたのも、

わたくしをここまで支えてくださった多くの方々のお力添えがあっってこそだと

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

これから2年間精一杯頑張ります。

 

田島妃葉さん

入学できてとてもうれしいという気持ちと、これから始まる学校生活がとても楽しみで仕方がないです。

これからも努力をおこたらず頑張ってまいります。

 

 

今井咲さんの憧れは、凛として華やかな男役・朝美絢さん。

森永涼さんは、爽やかでとてもエネルギッシュなダンスや歌が歌える永久輝せあさん。

仲田毬乃さんは、一つ一つの仕草が愛らしくて華やかで、

どんな役でも演じきることができる星風まどかさんが憧れ。

田島妃葉さんは、潤花さんのような周りをパッと明るくできるような

とてもステキな娘役さんになりたいと思っていらっしゃるそうです。

 

 

★2年間の音楽学校生活で楽しみにしていること

今井咲さん

授業もとても楽しみですが、何より同期生と過ごす時間がとても楽しみです。

 

森永涼さん

タップダンスや演劇の授業がとても楽しみです。

難しいと思いますが、努力して頑張ります。

 

仲田毬乃さん

踊りや歌といった授業の内容や、同期と一緒に切磋琢磨できることがとても楽しみです。

 

田島妃葉さん

タップや演劇の授業を受けたことがないので、まだやったことがないものをとても楽しみにしております。

 

 

今井咲さんの誰にも負けないところは、負けず嫌いさ。

色々なことに挑戦してくる中で、周りの人より一歩でも頑張れることが強みだそうです。

クールな目元と可愛らしい笑顔が印象的で、

元雪組トップスター音月桂さんに似た雰囲気があるなと私は思いました。

 

森永涼さんは、何事も前向きに考えることができるところが誰にも負けないところ。

わたくしの育った街では、お相撲やお祭りが有名なところで、

小さい頃からにぎやかなところで育ってきたので、どんなことがあっても明るく元気に頑張れますと、

人懐っこい元気な笑顔が印象的でした。

 

仲田毬乃さんの強みは、継続力があるところ。

幼い頃から続けてきたことも多いので、新しいこともこれからずっと長く努力し続けるられるように

頑張りたいと思いますとお話しされました。

とても知的な雰囲気が漂う方です。

 

田島妃葉さんは、受験生の頃より、頑張ることをとても楽しむことができるのが私の強みでしたので、

どんな時も前向きに考えて色々なことに挑戦していきたいと思っていますとおっしゃっていました。

高貴な雰囲気で、日本物のお姫様がお似合いになりそうだと思いました。

 

首席入学の今井咲さんは、112期生の印象について、

とても元気があって、おしゃべりの好きな子が多いので、まだ出会って5日目なのですが、

ずっと話が絶えなくて笑顔の絶えない期だと思いますと、すでに同期生への愛があふれていました。

お隣同志微笑みを交わしながら、緊張感がある中でも、ほのぼのとした空気感で、

お互いを思いやっているみなさんでした。

 

第112期生のみなさん、ご入学おめでとうございます!

宝塚の街で、宝塚音楽学校生活を楽しんでくださいね。

応援しています!

そして、2年後の初舞台を楽しみにしています!