2024年 宝塚音楽学校 すみれ募金
樽井美帆です
10月11日(金)、58回目の「宝塚音楽学校すみれ募金」が実施されました。
コロナ禍で実施が見送られていたすみれ募金は、昨年4年ぶりに再開され、今年も実施されました。
2年連続で実施されましが、今年はこれまでとは違う点、変更点があり、
例年とはかなり雰囲気の違うすみれ募金となりました。
まず、開催時期。
例年5月の日曜日に行われていましたが、今年は10月の平日開催。
音楽学校の授業カリキュラムの都合で、この時期の開催になったということです。
毎年開催されていた5月は「すみれ募金焼け」をするほどの厳しい暑さでした。
大勢の人が詰めかけその熱気も相まってさらに暑く感じていましたので、
秋の開催かつ室内での実施は少しホッとしました。
続いて開催場所。
こちらは、昨年に引き続き、宝塚大劇場の建物の中で行われました。
昨年は、改札前のスロープより下の大劇場のロビーにて行われましたが、
今年はスロープ上の改札前に限定して行われました。
これまでは、4~6グループに分かれて募金活動をされる生徒さんの元に、
人だかりで混雑する中を進んで募金をするという形でした。
さらに、募金に向かう人と募金を終えて引き返してくる人が入り乱れてしまい、
スムーズ通行ができなくなってしまうことがありました。
ですが今回は、ロープやパーティションで人の流れを整理し一方通行で進むという形がとられ、
歩みを止めることなく進むよう誘導もしっかりとされていて、とても安全にスムーズに進行していました。
ただ、生徒のみなさんがいらっしゃる募金会場にはパーティションが置かれているので、
募金会場の中に入るまでは様子が分からず、
募金に来られたみなさんはちょっとドキドキされたかもしれませんね。
そして、これまで自由にすることができた写真撮影が、
一切中止となったことも大きな変更点だったと思います。
みなさんルールをしっかり守られ、生徒のみなさんとの一瞬の短い交流を大切にしながら
募金をされていました。
今回、募金活動に参加したのは、112期予科生40名と111期本科生40名、合計80名。
予科生は10時~10時30分、本科生は10時30分~11時、
それぞれ30分間ずつ募金への協力を呼びかけました。
募金は、「公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金」に寄付されます。
小児がんや難病の子どもたちが、治療中でも家族とともに家のような環境で過ごすことのできる
『チャイルド・ケモ・ハウス』の運営などに活用されます。
宝塚音楽学校の生徒のみなさんは、色とりどりの華やかな着物にお揃いの緑の袴姿。
赤やピンク色の着物が人気の年もありましたが、今年は白地に色鮮やかな花柄の着物が
人気なように感じました。
また同じく、濃紺・紫・黒などの華やかかつカッコイイ着物を選ぶ方も増えてきたように思いました。
ヘアスタイルは、男役さんは、予科生・本科生ともにリーゼント。
本科生の娘役さんは例年通り前髪をきっちり上げて、キリッと美しいおだんごヘアに緑のリボン飾りでした。
ここで私が注目したのは予科生の娘役さんのヘアスタイルです。
例年、肩くらいの長さの髪の下半分をおろしてスカーレットのようにくくり、
細い緑のリボンを付けるというヘアスタイルでしたが、
今年は本科生と同じくアップのお団子ヘアだったんです!
今年4月の112期生の入学式リポートでもお伝えしたんですが、
入学式の時にもアップのお団子ヘアにされていたんですよね。
入学式でお団子ヘアをするのは初めてですと職員の方がおっしゃっていました。
ヘアスタイルで本科生か予科生かの見分けが難しくなりましたね💦
10人ずつ、4つのグループに分かれての募金活動。
生徒のみなさんの前には、ラベンダー色のテーブルクロスがかけられた机が置かれ、
以前は首から下げていた募金箱や、手にもっていたビオラの種を入れるためのカゴが置かれていました。
募金をすると生徒さんから『ありがとうございました』と感謝の言葉がかけられます。
これまでは生徒さんから直接ビオラの種を受け取っていましたが、
今回はカゴの中に入っているビオラの種を自ら取るという流れでした。
ビオラの花言葉は『誠実』です。
募金活動は予科生からスタート。
緊張の面持ちで掛け声の練習をしていざ本番です。
まだ男役さん・娘役さんともに声が高くあまり区別がつかない感じです。
募金に来られたみなさんと顔を合わせ心を通わせるうちに、
だんだん緊張がとけて明るい笑顔になっていきました。
30分間列が途切れることはなく、何周もされている方もいらっしゃいました。
予科生の初々しい笑顔にみなさんもホッコリされているように見えました。
予科生と入れ替わるために登場した本科生は、美しく堂々とした所作と笑顔。
自分の緊張よりも、募金に来てくださったみなさんを笑顔でお迎えしたいという気持ちが現れていて、
この一年でより一層舞台人としての自覚を身につけられたんだなと感じました。
本科生のみなさんは、第一声からよく声が出ていて、その声はまさに舞台人。
男役のみなさんの声は深い低音、娘役のみなさんはキラキラしたプリンセスのような声でした。
募金に来られた方の列は途切れることがありませんでした。
生徒のみなさんと来場者のみなさんの安全が守られた、新しい形のすみれ募金だったのではないでしょうか。
募金活動終了後、111期本科生の集合写真が撮影されました。
募金活動終了後、本科生代表生徒4名のみなさんにお話しを伺いました。
インタビューに答えてくださったのは右から
南田愛弥 (なんだ・まなみ)さん
光田悠那 (みつだ・ゆうな)さん
三枝友梨乃 (みつえだ・ゆりの)さん
今井絢音さん (いまい・あやね)さん
★すみれ募金を終えての感想
南田愛弥さん
今年も昨年と同じく無事にすみれ募金に参加させていただきとてもうれしく思っております。
会場にお越しくださった多くのお客様や、開催にあたってご尽力くださった関係者のみなさまに
感謝の気持ちでいっぱいでございます。
実咲凛音さんのように華やかで歌もダンスもお芝居もできる
三拍子そろった娘役さんを目指していらっしゃるそうです。
光田悠那さん
たくさんのお客様にすみれ募金に参加していただき大変うれしい気持ちでいっぱいです。
今回のすみれ募金を通してチャイルド・ケモ・ハウスの活動がたくさんの方に知っていただけたら幸いです。
彩風咲奈さんのような華のある品格のある男役さんを目指していらっしゃいます。
三枝友梨乃さん
すみれ募金にたくさんの方にご参加いただき、たくさんの応援のお言葉をいただきました。
今わたしたちがここにいられるのも多くの方々のお支えがあってこそだとあらためて実感し、
感謝申し上げたいという気持ちです。
暁千星さんのようにいつも全力で一生懸命な男役になれるよう頑張っていらっしゃるそうです。
今井絢音さん
みなさまがチャイルド・ケモ・ハウスを、そして募金活動をするわたくしたちのことを応援してくださり
感謝の気持ちでいっぱいでございます。
こうして募金活動を通してわたくしたちも社会の一員であると自覚することができました。
星風まどかさんのように華やかで美しい娘役を目指していらっしゃいます。
★来場者のみなさんからどんな言葉をかけられ、どんな思いを持たれましたか?
南田愛弥さん
お客様に間近で、初舞台頑張ってね、またすみれ募金へのエールのお言葉をいただき、とても胸が熱くなりました。
お客様から愛のあるお言葉をたくさんいただいて、私自身とても元気がでたので
そのお気持ちを今度は舞台で返せるようにさらに芸事に励んでまいりたいと思っております。
光田悠那さん
たくさんのお客様に、頑張ってね、応援しているよなどのお言葉をいただき
わたくし自身もいただいたお言葉を胸にこれから芸事に頑張っていきたいと思います。
三枝友梨乃さん
お客様から、初舞台頑張ってねというお言葉をいただいて、もう初舞台まであと少しという実感がわき、
とても緊張しているような気持ちです。
これからも一日一日を大切に成長できるように頑張りたいという気持ちになりました。
今井絢音さん
募金してくださった方々から、初舞台も応援しているよと言っていただき胸が熱くなりました。
初舞台まで同期と力を合わせて精進してまいります。
★どんな気持ちですみれ募金活動に参加されましたか?
南田愛弥さん
今回の募金を通してチャイルド・ケモ・ハウスで暮らしている子どもたちやそのご家族のことを
より多くの方々に知っていただけたらと思っております。
その子どもたちやご家族が今よりももっと明るく前向きに未来を進んでいけることを願っております。
光田悠那さん
今回のすみれ募金を通して、まだまだわたくしたちの見えないところでガンと戦っている方々が
たくさんいることを知り、わたくしたちにも何かみなさんのお役に立てることがないかと
必死に考えながらすみれ募金に参加させていただきました。
三枝友梨乃さん
すみれ募金をすることで、普段わたくしができないような社会貢献を
一つでもできることができたらという気持ちで参加させていただきました。
今井絢音さん
かけがえのない学校生活を送らせていただいていることへの感謝の気持ちを胸に、
チャイルド・ケモ・ハウスを必要とされている子どもたちやご家族にも、
本日わたくしたちがいただいたあたたかいお言葉が届くようにと心をこめて参加させていただきました。
思いを一生懸命言葉にしてくださった代表生徒4名のみなさんでした。
生徒のみなさんはすみれ募金を開催するにあたって、チャイルド・ケモ・ハウスの理事長から
たくさんお話しを聞かれ勉強された上で、募金活動にのぞまれたそうです。
この日の来場者数は、約1,600人。
募金総額は、1,235,087円。
募金はすべて『公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金』に寄付され、
小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子ども達が、
家族とともに、家のような環境で治療を受けることができる
日本初の施設『チャイルド・ケモ・ハウス』の運営に活用されます。