元宝塚歌劇団 月組 蘭尚樹さん
樽井美帆です
宝塚歌劇の夢と情報をお届けする『レビュー・ステイション』
11月9日(土)は、スペシャルゲストデイをお届けしました!
お迎えしたのは、
元宝塚歌劇団 月組 蘭 尚樹さん
2014年、『宝塚をどり』で初舞台を踏まれた100期生。
2023年11月19日、月組公演
『フリューゲル -君がくれた翼-』・『万華鏡百景色』をもって退団されました。
あと10日で退団から1年というタイミングでのご出演となりました。
スタジオ前では多くのファンのみなさんが生放送を見守ってくださいました😊
100期生で『レビュー・ステイション』にご出演くださるのは、
蘭さんが初めて✨
100期生首席の蘭さんは、
『レビュー・ステイション』の100期生首席も飾ってくださいました🎉
番組では蘭さんが宝塚音楽学校に入学された時から取材をさせていただいてきました。
首席の蘭さんは取材のたびにインタビューに答えてくださっていましたので、
蘭さんのお声は、番組のリポートで何度もお届けしたことがあります。
今回、そんな蘭さんにスタジオで直接お話しを伺えたことが、私はとても感慨深かったです。
蘭さんが初めてご覧になった宝塚歌劇は、
2004年の雪組公演宝塚歌劇90周年記念公演
『スサノオ』-創国の魁
『タカラヅカ・グローリー』
初めて観たその時から宝塚を目指す決意をされた蘭さん。
「ここに入りたい!」ではなく「もう入ってるな」と、
入団しているイメージがすごく持てたそうです。
それから10年後にめぐってきた100周年という記念すべき年に
初舞台を踏むことになったことは、ご自身でもとても驚かれたそうです。
宝塚歌劇団を目指すことを決意した蘭さんですが、
入るためのシステムについては分かっておらず、
受験しなくてはならないことを知ってビックリ!
そんな蘭さんを受験に導かれたのが、高校時代の日本舞踊の先生でいらした藤間豊宏さん。
蘭さんが合格されるまで毎回願書を買ってきてくださったそうです。
蘭さんは、藤間さんのことをお父さんのように思っていますとおっしゃっていました。
100期生は、宝塚音楽学校入学時から特に注目をあびる存在でした。
狙ってなれるものではない100期生ですが、
蘭さんも特に100期生になることを狙っていたわけではなく、
もう少し早く合格する予定だったんですよと受験当時を振り返ってくださいました。
ギリギリ滑り込みで、ご縁あって合格できましたと蘭さん。
成績1番で入学された蘭さんは、入学式で新入生総代として答辞を読まれました。
その時に「うわっ!100期生だ!」と実感されたそうです。
100期生のみなさんは多くの行事を経験されましたので、
行事と日々のお稽古に追われ、とても忙しい日々を過ごされたということです。
2013年、宝塚音楽学校創立100周年記念式典に本科生としてご出演。
初舞台前に大劇場の舞台に立たれるという貴重な経験をされました。
緊張と興奮で熱が出るほどだったという蘭さん。
みんな緊張でガチガチでこわばっていましたと当時を思い出されていました。
卒業式でも総代として答辞を読まれた蘭さん。
答辞は定型文ではなく、100期生ならではの言葉を入れたいと思いアレンジされたそうです。
100期生のみなさんはなんと卒業式前から初舞台のお稽古が始まっていて、
すでに初舞台に向かってスタートしていたので、
色んな気持ちを込めて書かれた答辞だったとのことです。
首席として1番に卒業証書を受け取られる緑の袴に黒紋付姿の蘭さんの背中が、
キリッと凛々しくて所作が美しかったことが私は忘れられません。
蘭さんの『ハイ!100期!』という掛け声で、
卒業式では集合写真撮影が行われたのですが、
この掛け声はすでに始まっていた初舞台ラインダンスの足上げのタイミングとなる
掛け声だったそうです。
どうりで笑顔やポージングのタイミングが合っていたわけですね🤩
蘭尚樹さんは、宝塚音楽学校入学から卒業までの2年間、
そして入団まで首席を通されました。
大好きなことをいかに自分の限界まで努力できるか、ただただ走り続けた2年間でしたと
おっしゃっていました。
初舞台は、100周年記念公演で珍しい三本立て。
『宝塚をどり』・『明日への指針 -センチュリー号の航海日誌-』・『TAKARAZUKA 花詩集100!!』。
100人のラインダンスでは、10年前客席で90人のラインダンスを見ていた自分を
思い出しながら足を上げていらっしゃったそうです。
ちょうど蘭さんの立ち位置が花道で、10年前に観劇した席のところだったそうですよ。
幼かったご自身を客席に思い浮かべながら踊っていらっしゃったのかもしれませんね😊
口上、同期生とのラインダンス、100人のラインダンスのほかに、
蘭さんにはもう一つ出番がありました。
『宝塚をどり』の中の百獣の王という場面で、春海ゆうさんと役替わりで赤獅子を演じられました。
歌舞伎の連獅子の赤いたてがみの獅子の毛ぶり。
前に後ろに、左に右に、ぐるぐるブンブン頭を振られます。
藤間豊宏先生や春海ゆうさんに教えていただきながら必死で演じていましたと蘭さん。
口上のメイク、獅子の隈取り、ラインダンスのメイクとお化粧替えも何度もこなされましたが、
まだ舞台メイクは上手ではなかったため、荒々しさを表現するためにキレイに描く必要がない
隈取りが一番得意だったそうです😆
タカラジェンヌ蘭尚樹さんとしての日々がスタートしました✨
芸名の由来は・・・
茎が垂れ下がっても前を向いて咲く華やかな蘭の花が大好き💗
そしてもう一つこの「蘭」という漢字にはある思いが・・・
宝塚音楽学校受験2回目の時のことです。
3回目のラスト受験で合格された蘭さんですが、
実はもう2回目で最後にしようと思っていらっしゃっいました。
2回目の受験で3次試験まで進み、いざ掲示板での合格発表!
でもそこに蘭さんの受験番号はありませんでした。
泣きわめき落ち込んで帰ろうとしている蘭さんの前に一台の車が。
車に乗っていらっしゃったのは蘭寿とむさん!
蘭寿さんは蘭さんに向かって、胸の前でこぶしを握り、
うなずいて頑張れのジェスチャーを送られたそうです。
あまりにも泣いている一人の受験生である蘭さんに向かって、
蘭寿さんが送られたエール✨
それを見た蘭さんは、もう一回頑張ろうと決意されました。
見ず知らずの一人の受験生に心を寄せてくださった
蘭寿さんのような男役さんになりたいなと思ったその時の気持ちを忘れずに進んできたから、
今私はここにいるんだという思いを込めて「蘭」という漢字を選ばれたそうです。
初舞台『宝塚をどり』の中の百獣の王という場面で、
親子という設定で同じ舞台に立たれた蘭寿さんと蘭さん。
その時に蘭さんは蘭寿さんに感謝の気持ちを伝えられたそうです。
「尚」は恩師の尚すみれさんから。
男役としては小柄でもパワフルで本当にカッコよくて、
こんな男役になりたいなと思っていた心から尊敬されている先生だそうです。
「樹」は、上の二つの漢字の由来となるお二人の存在があまりにも大きい✨
でもこれからどうしていくかは自分次第だからあと一文字は自分で決めようと決意。
木が根を張って枝を張るように自分も成長していきたいという思いを込めて
選ばれたそうです。
「蘭尚樹」さんというお名前に込められた思い、漢字三文字の中の物語に感動をいただきました。
この日、蘭さんが着ていらっしゃったお洋服は、美弥るりかさんからプレゼントされたもの。
蘭さんも最初は「どう着るの?オシャレ過ぎる✨」と思われた斬新でステキなデザインのお洋服は、
蘭さんが退団される日に美弥さんからプレゼントされたそうです🎁
蘭さんが尊敬してやまない憧れの方、大好きな美弥さんの役を新人公演で演じられたのは
2019年『夢現無双』。
佐々木小次郎役で、美弥さんが退団公演で演じられた役でした。
すべての運を使い果たしたのではないかと思うくらい幸せだったそうです。
いかに美弥さんが偉大かということをあらためて実感し、
感謝の気持ちを形にできた役でしたと蘭さん。
受験生の頃から美弥さんの大ファンだった蘭さん、
新人公演の当日は緊張はしたけれども何の悔いもないと思える一日でしたとおっしゃっていました。
扱うことがあまりない長い刀に殺陣、そんな難しいことを退団公演で挑戦されている美弥さんは、
やっぱりスゴイなかっこいいなと改めて感じられたそうです😍
『夢現無双』では本公演でも多くの出番があり、
さらに併演のショー『クルンテープ 天使の都』ではなんと全場面に出演されたんです!
全部早替わりで終演時には干からびていたそうです😆
暁千星さんが月組時代に全場面に出られている姿を見てすごく憧れ、
カッコイイなこんなダンサーになりたいな、いつか自分も全場面に出たいなという夢を持たれ、
その夢が叶ったショーとなりました。
在団中は次々に夢が叶っていったラッキーボーイでしたとステキな笑顔の蘭さん🤩
現在ウェディングプランナーをされている蘭尚樹さん。
結婚式は、舞台を作っていく過程と似ているところがあり、
自分も何かお役に立てないかなと思われたそうです。
新郎にエスコートをアドバイスされることもあるそうです!
より美しくカッコよく見えるエスコートをアドバイスしてもらえるなんて羨ましいですね😍
退団1周年を間近に控え、みなさまにお伝えする機会をいただき
ありがたく出演させていただきましたと、退団されてからもファンのみなさんへの
思いを大切にされていらっしゃることが伝わってきました。
とても穏やかで優しい心配りをしてくださる、明るく華やかな笑顔の蘭さん。
真っ直ぐで美しい瞳は、何でも受け止めてくださる包容力と信頼感にあふれていました😊
YouTubeライブのアーカイブはこちらです!
✨2024年11月9日『 レビュー・ステイション』(蘭尚樹さん)✨
蘭尚樹さん、ご出演くださいまして本当にありがとうございます!