宝塚大劇場月組公演『ゴールデン・リバティ』・『PHOENIX RISING』-IN THE MOONLIGHT-
樽井美帆です
月組公演
ミュージカル・クエスト『ゴールデン・リバティ』
Takarazuka Spectacular『PHOENIX RISING』-IN THE MOONLIGHT-
が、宝塚大劇場にて11月16日(土)から12月25日(水)まで上演されています。
今年2024年、そして宝塚歌劇110周年最後の宝塚大劇場公演となります。
月組新トップコンビ鳳月杏さん・天紫珠李さんの大劇場お披露目公演です。
ミュージカル・クエスト『ゴールデン・リバティ』
作・演出/大野 拓史
19世紀後半のアメリカ。
鉄道駅に数多くの店舗を構えるレストラン「カーヴィー・ハウス」が
西海外への初進出を果たした支店に、無法者たちが押し入ってきます。
騒ぎを止めるべく呼ばれた保安官のライマン(風間柚乃さん)は、
なぜか一人のウェイターに銃を突きつけます・・・
その男こそ、彼らの目的である列車強盗団・ワイルドバンチの生き残りの
ジェシー(鳳月杏さん)でした。
ジェシーはライマンから列車強盗の計画にスカウトされますが、
彼はすでに盗みからは足を洗っていました。
しかし、逃れられない宿命を受け入れ、計画に加わることに。
深夜、ジェシーたちは停車中の列車を襲ったものの、騎兵隊に気づかれてしまい銃撃戦になります。
ジェシーは成り行きで一人の少年を助け、通りかかったサーカス列車へ飛び乗ります。
実はこの時ライマンも後を追って同じ列車へと乗り移ってきていたのです。
彼の目的は、少年が肌身離さず持っている外交公嚢と呼ばれる
国家機密の運搬に用いる古いかばん。
そして列車が目的地へ到着した時、少年が実はアナレアという女性(天紫珠李さん)だと
判明するのです。
女性はなぜ変装をしていたのか?そして、外交公嚢の中には一体何が入っているのか?
次々に迫る危機に立ち向かううち、次第に惹かれ合う二人。
やがてジェシーは国家絡みの大きな陰謀に巻き込まれていくのでした・・・
開演前から、木目調のセットに西部劇の雰囲気が感じられワクワクします!
ミラーボールが月組カラーの黄色に輝く中、
鳳月杏さんの記念すべき大劇場お披露目公演開演アナウンス。
凛々しく爽やかな声に胸が高鳴ります🤩
幕が開くとカリフォルニア州サクラメント駅のレストラン「カーヴィー・ハウス」と
汽車が見えます。
汽笛や蒸気とともに登場する大きな汽車やサーカス列車、
またキリンや象などの大きなセットが出てくるのもこの公演の見どころの一つですね。
音楽も楽しくて汽車の汽笛が音楽で表されています。
鳳月杏さん演じるジェシー、登場はウェイターの衣装。
黒いズボンに白いシャツ、黒い蝶ネクタイに黒いベスト。
まずは存分に長い足を堪能しましょう😍
髪を乱しながら無法者たちと戦う姿からは、匂い立つ色気とオーラが感じられます。
ハリのある豊かな声量の歌声。
カッコイイ背中。
曲に合わせて力強くカッコよく美しく歩かれます。
鳳月さんは、音楽を捉えるのが特にお上手だなと感じました。
さあ、鳳月杏さん率いる月組の出発です!
鳳月杏さんが演じていらっしゃるのは列車強盗団ワイルド・パンチの生き残りジェシー。
一言、一息で感情が伝わってくるお芝居。
豊かな声量、心地良いビブラート、優しい声にうっとり。
赤い夕日の映像が舞台に映し出され、赤のロングコートに赤茶色のカウボーイハット姿の鳳月さんが、
一人銀橋で歌う場面があります。
ロングコートの腰の位置が高い!
赤いライトを背に受けて豊かな声量で朗々と歌う鳳月さんは、
まばゆいほどのトップスターの輝きを放っていらっしゃいます😍
サーカス団の団員の女性たちにモテモテでアタフタする姿からはギャップを感じて、
客席の私たちも鳳月さん演じるジェシーをますます好きになってしまいますね😊
天紫珠李さんは、何者かに追われている謎の女性アナレア。
少年ではなく女性であるとバレて帽子をとった時の可愛さ!
この一瞬は絶対に見逃していただきたくない場面です。
守るべきものがあるから、何事にも動じない覚悟が決まっている女性を
しっとり華やかにカッコよく演じていらっしゃいます。
でも王女としての品と優雅な身のこなしもにじみ出ています。
大きな潤んだ瞳に強さを感じる天紫さんのアナレアです。
それぞれの技術と経験を出すだけでなく控える美学も持ち合わせていらっしゃる
トップコンビ鳳月杏さんと天紫珠李さん。
並ばれた時の絶妙な空気感が心地よく、本当にステキなコンビですね!
汽車の後部に二人で座って旅立ちの時を歌う場面では、
座っている時の距離感、座っている時の足の角度、
すべてが匠の技だなと私は感じました。
保安官ライマンは風間柚乃さん。
黒い衣装で、顔まわりの後れ毛を多めに残し一つに束ねたヘアスタイルが
ミステリアスな雰囲気。
苦悩の表情からの後半の表情の変化。
ヘアスタイルも服装も変わり、『BLUFF』に続き風間さんの変身ぶりを
堪能させていただきました。
ショーでも楽しい変身を見せてくださいますしね😄
歌声が深く甘くますます進化されたなとも思いました。
無法者ディーン・礼華はるさん、無法者リッキー・彩海せらさん。
息ぴったりなお二人。
そして酔っ払うお芝居がお上手!
礼華さんは酔っぱらって鳳月さんの足を掴んで寝てしまいます。
鳳月さんの長い足は寝心地良さそうですよね😊
礼華さん、大劇場の舞台で寝るお芝居をされるのは
『応天の門』・『Eternal Voice 消え残る想い』に続いて3公演目でしょうか。
花妃舞音さん演じるサーカス団の座長の妹・人形使いアイダ。
声がとっても可愛いいですよね。
人形を使って、ここぞというタイミングで大切なことを純粋な心で伝える天使のような存在。
花妃さんを見ていると心が癒され頬がゆるんでしまいます😊
ヒル・バレーのサルーンの女将フレンチーを演じていらっしゃる妃純凛さん。
ドスをきかせた話し方がかっこ良くて、振る舞いも凛々しくて
ステキなお芝居をされる方だなと惹きつけられました。
Takarazuka Spectacular『PHOENIX RISING』-IN THE MOONLIGHT-
作・演出/野口 幸作
鳳月杏さんと同期入団の野口幸作さん。
シリーズ化されているペクタキュラシリーズは、今回が7作目。
そして今回の公演で5組全てをコンプリートしたことになるそうです。
月組新トップスター・鳳月杏さんをPHOENIXになぞらえ、アジアを中心に各国を巡るレヴュー作品。
音楽とともにフェニックスが地球へ向かって飛び立つ映像が映し出されショーがスタート。
降り立ったのは、月夜の砂漠。
エジプトの神々がピラミッドに蘇りフェニックスを召喚します。
ピラミッドに見立てられた大階段。
黒い布がとられると金色に輝く大階段!
プロローグから大階段が使われています。
金色の大きな翼のセットとともに舞台の上からブランコに乗って登場するのが
PHOENIX・鳳月杏さん✨
様々な国をイメージした歌を大階段を下りて歌い継いでいきます。
プロローグからまるでパレードのような盛り上がりです。
燃えるように熱い総踊りのあと、トップコンビが残って新たな空の旅に出ようと歌います。
お二人が醸し出す温度が心地いいですよね。
ダイナミックな決めポーズがステキなお二人です🤩
インド・ボリウッド映画界のスーパースター、オダチン・カーンこと
風間柚乃さんを中心とした場面。
5本の主演新作映画の撮影が同時に始まろうとしているオダチン・カーン。
次々に衣装を替え、バラエティー豊かな映画のテーマに合わせた歌とダンスが繰り広げられる中、
撮影が進んでいきます。
間の取り方が最高!
役を演じている時も、顔とキャラクターは常にオダチン・カーンを貫いている風間さん🤣
周りの監督、助監督、スタイリスト、音響、カメラ、照明役などスタッフ役の方たちも大忙し!
みなさんの細かい表現がとても楽しい場面です。
「魔都」と呼ばれた20世紀前半の上海を彷彿とさせる都市を描いた場面は、
オーケストラボックスから黒いチャイナ服の礼華はるさんが登場。
目深にかぶった黒いソフト帽から見える目元がセクシー。
礼華さん、オーラが増幅されていますよね😍
鳥かごのセットの中から白いチャイナ服に白いソフト帽の鳳月杏さん登場。
キセルを手に、赤い口元がセクシー。
長い衣装のさばき方、腕の伸ばし方、節目が美しい✨
帽子をとったらヘアスタイルはリーゼント。
表情や雰囲気が変わって、それもまた美しいです🤩
情熱的なタンゴを踊るセクシーな二人にくぎ付けです。
そこへ「誰も寝てはならぬ」にのせて、青いダルマ衣装の天紫さん登場。
華やかな立ち姿と足さばきにうっとりです。
彩海せらさんと花妃舞音さんが歌い、微笑みの国タイへ客席を誘います。
色とりどりの衣装に金色の被り物で、極楽鳥に扮した神々となった月組のみなさんが客席へ。
公演グッズ「ポンポンスティック」を使っての客席参加ダンス場面です。
GARUDAという神話に出てくる鳥に扮した鳳月杏さんは、
黄色い羽根を背負い銀橋から客席全体に光りを放って歌い踊っていらっしゃいます✨
礼華はるさんと白河りりさんを中心とした月明かりに照らされた韓国の庭園の場面。
色彩が美しく、空気感も心地よくまさに極楽のようでまどろんでしまうような雰囲気。
ゆったりした踊りが目に優しいですね😊
礼華さんの優しいエスコートがステキ😍
12人組ボーイズ・グループ「MoonZinG」が登場!
元気な歌声とダンス!
あまりにステキでキラキラ輝いていらっしゃるので、
ぜひこのままデビューしていただきたいです🤩
エジプトの月の砂漠。
PHARAOH・鳳月杏さんがピラミッドの頂点に立ち、
戴冠式を前にこれまでの日々に思いを馳せ歌います。
曲は「NEVER ENDIND JOURNEY-終わりなき旅―」。
演出家の野口幸作さんが事前に鳳月さんにインタビューして作られた曲。
【ゆっくりゆっくりゆっくり翔き続けた】
ゆっくりという言葉が3回繰り返されるのを聞いた時、これまでの鳳月さんの軌跡を思い
込み上げるものがありました。
鳳月さんの周りを天紫珠李さんが優しく舞います。
この公演で退団される春海ゆうさん、朝陽つばささんと、
それぞれの同期・夢奈瑠音さん、英かおとさんの4人が銀橋で歌う歌詞には
退団されるお二人のお名前が組み込まれています。
肩を組んで、手を取り合って歌われる4人。
退団されるお二人は輝く笑顔、同期のお二人はあたたかい笑顔です。
大階段から赤い衣装の男役さんが下りてきての群舞。
曲は、西城秀樹さんの「君よ抱かれて熱くなれ」。
静かに上品に階段を降りてくる月組男役のみなさん。
雑誌「歌劇」11月号の座談会で、鳳月杏さんは西城秀樹さんがお好きで、
身のこなしや着こなしを盗みながら歌いたいですとおっしゃっていますね。
トップコンビによる大劇場初デュエットダンスの曲は、
ドビュッシーの「月の光」ボレロアレンジ。
お二人とも動きがダイナミック!
大人の余裕を感じるお似合いの二人に、
宝塚歌劇ならではの美しいデュエットダンスを堪能させていただきました。
パレードで鳳月杏さんは、キラキラ光る雉羽根が付いた白い大きな羽根を背負われました。
みなさんが手にした白い羽根扇が優しく舞う、
シックで落ち着いたとても美しいパレードでした。
東京宝塚劇場では、2025年1月25日(土)から3月9日(日)まで上演されます。