宝塚大劇場花組公演『悪魔城ドラキュラ』・『愛, Love Revue!』
樽井美帆です
花組公演
ミュージカル・ロマン『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~
Romantic Revue『愛, Love Revue!』
が、宝塚大劇場にて6月7日(土)から7月20日(日)まで上演されています。
ミュージカル・ロマン『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~
原作/株式会社コナミデジタルエンタテインメント 「悪魔城ドラキュラ」シリーズ
脚本・演出/鈴木 圭
株式会社コナミデジタルエンタテインメントのゴシックホラー・アクションゲーム
「悪魔城ドラキュラ」が、宝塚歌劇にて初のミュージカル化となりました。
演出家の鈴木圭さんは、これまでにも『逆転裁判』や『戦国BASARA』などのゲームの
舞台化も手掛けていらっしゃいます。
悪魔城の城主ドラキュラ(輝月ゆうまさん)は何度も復活し、人類を脅かしてきましたが、
5年前、2人の若きヴァンパイアハンターにより討伐されたはずでした。
ドラキュラと人間の間に生まれたアルカード(永久輝せあさん)は、何百年もの間、
長い眠りと覚醒を繰り返しながら、父と対峙する宿命を背負って生きていました。
ある日、アルカードは聖霊祭の準備でにぎわう群衆の中、
マリア(星空美咲さん)という娘に出会います。
彼女はヴァンパイアハンターの一人。
アルカードの闇の力にいち早く気づくマリア。
そしてアルカードもまた、彼女がただの人間ではないことを察知します。
一方、暗黒神官シャフト(峰果とわさん)らは、優れた革命家の力を悪用して
ドラキュラを復活させようとしていました。
愚かな人間たちを救うべき意味を常に問い続けてきたアルカードでしたが、
マリアとの出会いを通じて、自らが剣を振るう真の目的に少しずつ目覚めていきます。
アルカードが決した覚悟、マリアが選ぶ未来とは・・・。
開演前、舞台には大きな満月を背景に悪魔城が映し出され、大きなコウモリが飛ぶ姿も。
そして、緑色に光るDRACULAというアルファベットがコウモリと一緒に飛んでいます。
幻想的なコーラスが聞こえてくると、アルファベットが上下に動きだします。
まるで時が流れ出したかのよう。
まず描かれるのは、ヴァンパイアハンターとして名高い
ベルモンド家の末裔リヒター・聖乃あすかさんとマリア・星空美咲さんによって
ドラキュラ・輝月ゆうまさんが倒される5年前の場面。
続いて、一人の男が深い眠りから目覚めます。
ドラキュラと人間の間に生まれ、何百年もの間討伐という宿命を背負って
生き続けてきたアルカード・永久輝せあさんです。
青く光る大階段の中央に、コウモリたちに囲まれて登場したアルカード・永久輝せあさん。
ウェーブがかかったシルバーと金髪の間のようなロングヘア、軍服風のロングマント。
哀愁漂う歌声と苦悩する表情が美しいです。
主要キャストが舞台に勢ぞろいするプロローグは、
ゲームのファンの方にとっても最高の瞬間ではないでしょうか。
ゲームの舞台化ということで、ゲームっぽい様々な演出が楽しめます。
映像を映したり、光を放つパネルが設置されていて、
これまでに見たことのない種類の光を放ちます。
舞台の照明とはまた違って、とても明るくて、その輝きがゲームの世界っぽいなと感じます。
映像も多く使われていますが、ゲームっぽく可愛らしく編集されていますし、
アルカードとリヒターが戦う時のBGMは、ゲームっぽい電子音です。
また、ドラキュラの声が二重に聞こえるのもゲームっぽい演出だなと感じました。
永久輝せあさんが演じるのは、
ドラキュラ伯爵と人間との間に生まれた青年アルカード。
DRACULA(ドラキュラ)を逆から読んだらアルカード!
私はこれにビックリしてしまいました😯
ロングブーツを履いての歩き方、後ろ姿が、永久輝さんは本当に上品ですよね✨
アルカードは、斜め上を見上げていることが多いように感じましたが、
それが、人間には見えないものが見えていたり感じていたり、
謎めいた存在感につながっているように思いました。
何度も見せる哀愁の表情、諦めと寂しさ、そして悲し気な瞳が切ないです。
アルカードが心の中に抱いている葛藤が見える永久輝さんのお芝居。
父親と戦い続けなければいけないという大きな宿命を抱え込んでいて、
理解者が誰もいない苦しさも伝わってきます。
アルカード・永久輝さんは、笑いません。
太陽のような明るい笑顔を封印されてのお芝居です。
絶妙な表情で繊細に感情を表現されます。
不愛想に感じたりツンデレに感じる表情をされるところも魅力的😍
子どもに「お兄ちゃん」と呼ばれてた時は、戸惑いながらも優しい顔をされています。
激しいダンスで戦いが表現されており、アルカードはロングヘアとマント翻し、
長い剣で戦います。
アルカードには味方がいないので、一人で大勢を相手に戦います。
必死で終わりのない戦いと大勢の敵に立ち向かうアルカードの姿は、
とても美しく、永久輝さんの輝きが強く放たれ、見どころの一つだと思います。
戦う時以外は動きがゆっくりで、そこに400年もの間生きていて、
これからも終わることのない人生への苦悩が見えます。
ドラキュラと人間の間に生まれた青年なので、どちらにもとれるメイクと表情。
見事に、人間とドラキュラどちらの血も流れているように見えます。
宿命から解き放たれてからは、愛する人を思う優しい表情も見え、
終盤に近付くにつれてどんどん体温や表情が変わっていきます。
星空美咲さんは、若きヴァンパイアハンター・マリア。
戦う時の衣装がまるでお人形のように可愛らしく、凛々しさも兼ね備えています。
ストレートな声質とマリアの真っ直ぐさが合っていてとても気持ちがいいです。
行動力がある頼もしさと、自分の感情のことになると我慢する健気さのバランスが絶妙です。
400年もの間生きているアルカードと人間のマリア。
アルカード・永久輝さんは、動きや表情、視線がゆったりとしていてムダがありません。
一方、マリア・星空さんは、限られた時の中で伝えたいことを全て伝えるかのように、
目をクリクリ動かし、一瞬にたくさんの言葉を詰め込みます。
二人が生きている時の流れ、これからも生きていく永遠と限られた時を感じます。
諦めることのできない思いと絆、美しい世界を表現されるお二人です。
長きにわたりドラキュラと戦い続けるベルモンド家の末裔の凄腕ヴァンパイアハンター
リヒター・聖乃あすかさん。
ネイビーの衣装と金髪ロングヘアがステキで、清潔感と正義感にあふれています。
リヒターの武器はムチなのですが、銀橋でも豪快に振り回すので、
前方席の方は迫力満点でしょうね!
戦う聖乃さん、強い聖乃さんが新鮮です。
専科の五峰亜季さんは、パリ近くの小さな村の村長・ジゼルを演じていらっしゃいます。
車イスに乗っている役なので、手だけでダンスを踊られるのですが、
その手の動きと表現がとても美しいんです。
雪組時代の五峰亜季さんの力強く素晴らしいダンスを思い出しました。
品と存在感が圧倒的です。
同じく専科の輝月ゆうまさんが演じるのはドラキュラ。
悪魔城の城主であり、数多くのヴァンパイアや魔物を従える魔王。
アルカードの父です。
迫力満点!最強の存在!怖いけどカッコイイ!
おひげも最高です🤩
今にも目から血があふれてきそうな赤いコンタクトをされています。
今回、主要キャストの方はほぼカラーコンタクトをされているかもしれませんね。
愛する妻を人間によって殺されたために復讐をしているので、
ただ怖いだけでなく、心の底の悲しみが見えます。
最後に妻が何を望んだかを知った時、息子の思いを知った時、愛情深い父親の顔になります。
父と息子の力強い抱擁は感動的で、父と息子の愛の物語でもある作品なんだなと感じます。
ドラキュラと妻のリサ・朝葉ことのさんが幸せそうに息子の未来を見届けたあと、
ドラキュラが妻の肩を抱きマントで包んで去ります。
なんと、息子のアルカードもマリアに同じことをして旅立ちます。
そのマントの新しい使い方にキュン🥰
似たもの親子を感じほっこりします。
紫門ゆりやさんが演じるドラキュラの忠実な腹心・デス。
大きなカマを持っています。
とにかくメイクがスゴイ!
印象的というか衝撃的!
もはや紫門さんの元のお顔が見えません。
『桜嵐記』で高師直を演じられた紫門さんの姿も衝撃的でしたが、
今回のデスは、宝塚歌劇史上、もっとも元のお顔が分からない舞台メイクかもしれませんね。
侑輝大弥さんは、ドラキュラに想いを寄せる夜の女王と言われる
美しきヴァンパイア・サキュバス。
女役であることを集合日に知って驚かれたそうですね。
とても妖しく魅惑的で目の表情が豊か。
男役の色気とパワーみなぎる侑輝さんの新たな魅力に引き込まれます。
半妖精を演じている彩葉ゆめさん。
入団2年目の110期生で、この公演の新人公演で初ヒロインをされることが決まっています。
死者の世界の場面で、水色の衣装、金色の羽根を付けて美しい声で歌います。
透明感と清らかさ、そして可愛らしさ。
アルカードが愛しきものを見つめる瞳で、大切に接しているのも納得です。
ゲームについて調べてみると、半妖精はパタパタと飛んでくる姿や、
明るく振る舞う姿がかわいいキャラクターのようですね。
アルカードが椅子に腰かけたときに肩にとまってくれて、
悪魔城の癒し役として大活躍するキャラクターなのだそうです。
たしかに、彩葉ゆめさん演じる半妖精、永久輝さん演じるアルカードの肩に手を置いてますね。
あれは、肩に止まっているという表現なんですね!
そう思ってみると可愛らしさ倍増です😊
家族の愛、大切な人への想い、人間の強さや弱さが描かれており、
最後はあたたかい気持ちになれる作品です。
照明、装置、映像など見どころも満載です。
Romantic Revue『愛, Love Revue!』
作・演出/岡田 敬二
演出家・岡田敬二さんによるロマンチック・レビューのシリーズ第23弾です。
開演前の舞台は、とっても明るく輝いています✨
まぶしいほど光輝く電飾のセット。
『愛, Love Revue!』というタイトル文字の吊りセットも輝いています。
愛だけは漢字なので、クラシカルでどこか懐かしい雰囲気も感じます。
ゆるやかな曲線で表現された、繊細かつ華やかな輝きに、開演前から心ときめきます。
永久輝せあさんによる開演アナウンスに続いて、ミラーボールが回転し光を放ちます。
そして、劇場中に響き渡る、迫力あるけれども上品なイントロ、打楽器の力強い打ち込み、
ブーンと鳴り響く金管楽器の音、華やかなコーラス。
静かに輝く大階段の中央に一人立つ紫色のスーツ姿の花組トップスター永久輝せあさん。
優しく語りかけるような永久輝さんの甘い歌声。
曲は、今回の主題歌となっている「I Love Revue」。
1977年の『ザ・レビュー』、1999年の宙組・花組の『ザ・レビュー‘99』などで
歌い継がれている曲です。
このプロローグだけで、すでに胸の高鳴りは最高潮!
でも、このあとも最高潮の瞬間がひたすら続きます。
大階段に据え付けられる輝く柱。
この柱を見ると私は、岡田先生のロマンチック・レビューだなと思います。
曲がスローからテンポアップすると赤い衣装の男役さんが大階段に登場。
カッコ良く踊っていると、変わって娘役さんが大階段に登場。
センターのトップ娘役・星空美咲さんだけは白いドレスですが、
周りを囲む娘役さんは赤いドレスに大きなツバの帽子。
ロマンチック・レビューといえば大きなツバの帽子ですよね。
そのフォーメーションをよく見ると、なんと真っ赤なハート型ではありませんか💖
主題歌「I Love Revue」の曲調が、ジャズ・ラテン・タンゴと次々に変化し、
それに合わせてダンスが披露されていきます。
永久輝さんは、白いジャケットに黒のパンツに衣装替え。
赤い衣装の男役さんとの組み合わせがとてもスタイリッシュです。
清潔感あふれる舞台に、胸が高鳴りときめきがあふれます。
そして、銀橋・舞台・花道にズラリと勢ぞろいし歌い踊る花組のみなさん。
あまりの美しさに泣きそうになりました。
プロローグでこれでは、最後まで自分の心が持つのか心配になりました。
その心配は的中で、何度も何度も美し過ぎて泣きそうになる瞬間がありました。
岡田先生のロマンチック・レビューといえば、パステルカラーの紫陽花色の衣装という
イメージがありましたが、今回は赤い衣装で新鮮なプロローグでした。
ステキな音楽を次々と奏でる宝塚歌劇オーケストラの指揮を担当されるのは、
石井勇魚(いしい・いさな)さん。
今回が宝塚大劇場デビューです。
銀橋に残った永久輝せあさん・星空美咲さん、トップコンビが歌います。
ショーでお二人でデュエットを歌うのは、今回が初めてだそうです。
曲は「見つめあう二人」(作詞:岡田敬二さん、作曲:Keny March)
Keny Marchは、宝塚歌劇団作曲家・吉﨑憲治さんのもう一つのお名前ですね。
さっきまでロング丈のドレス姿だった星空さんが、一瞬で膝丈の少しタイトな形のドレス姿に!
大人な雰囲気の場面で、ステキな花組のトップコンビだなとあらためて感じました。
初恋
小鳥のさえずり、かすかな風の音、遠くからの笑い声・・・
ロシア貴族の館の中庭の木陰で寝転んでいる貴族の青年ニジンスキー(聖乃あすかさん)。
通りかかった美しき令嬢アナスタシア(美羽愛さん)との淡い恋と切ない別れが描かれている場面です。
曲はリストの「ため息」
ピアノの音色に合わせて展開されるストーリー・バレエのシーンです。
ピアノの音色と一体化したような二人のダンス。
ゆったりとした美しい振付の中に組み込まれた様々な感情。
お二人の表情も優しく美しい。
軍服姿の聖乃さんが「愛の夢」を歌いますが、クラシカルな雰囲気がステキです。
懐かしき幸せの日々に思いを寄せながら、戦地からアナスタシアに向けて歌う優しい歌声と笑顔が、
まさしく貴族の青年の美しさ。
追憶の唄
永久輝さんと12人の男役が一つの魂として物語を創る場面。
仲間たちと革命の理想を追い求めます。
永久輝さんはシルバーの衣装、男役さんはグレーの衣装。
額縁のセットが印象的。
永久輝さんは苦悩の表情を浮かべながら踊りますが、そのほかの男役さんは面影の役割があるので、
無表情に近いお顔で永久輝さんに迫るように踊ります。
弦楽器の切ない音色に乗せて、緊迫した、けれどもしなやかに伸びやかに踊ります。
覚悟を感じる力強さもダンスから感じ、このショーの中では緊張感ある場面です。
ラモーナ幻想
名曲「ラモーナ」により繰り広げられる場面。
淡いピンク色のドレスの星空さんをはじめ、黄色・水色・緑・オレンジ・ラベンダーなどの
ドレス姿の娘役さんがズラリ!
美しく歌い優雅に踊ります。
色とりどりでお花畑のようで本当にキレイ。
優雅で美しいスカートさばきにも注目です。
曲調が勇ましくかっこよくアレンジされ、舞台の盆が廻りセリが高々と上がり、
ゴールドの衣装の永久輝さんと白燕尾の男役さんが踊ります。
舞台が転換する中での出演者のみなさんの動き、緻密に計算されたフォーメーション変化。
色とりどりのドレスの娘役さんが永久輝さんを囲んで踊り、
トップコンビのデュエットダンスも披露され、
最後は銀橋・舞台・花道にズラリと花組のみなさんが勢ぞろい。
美しい色彩と照明、キラキラの笑顔、これ以上ないほどの幸せな瞬間。
これぞレビューな場面です。
Bad Power
トランペットの勢いあるセクシーな音色に合わせて、黒いシャツ・パンツ姿の男役さんが
永久輝さんの元に集まってきます。
永久輝さんは、白地に黒のストライプ柄のスーツ。
ストライプのスーツがお似合いです😍
激しいアップテンポのリズムに合わせて、キビキビとキレキレに踊ります。
音楽と一体化したダンスで、ところどころ一瞬の決めポーズで
ピタッとみなさんが止まるところが最高にカッコイイ。
横の動きでリズムをとって踊る振付の場面も最高。
キザな花男にピッタリです。
みなさんそれぞれ髪をなでたり、ウィンクをしたり、これでもかとグイグイ迫ってくるので、
心をギュっとわしづかみにされる最高の場面。
オラオラ系の掛け声も最高潮です。
熱愛のボレロ
黒いマントをはおった永久輝さんが歌ってスタート。
セットはギリシャ風の遺跡。
黒いマントを取ると、ジャケットに豪華な飾りがついた真っ白な変わり燕尾。
永久輝さんの情熱的な歌声にのせて、4組のデュエットダンスが繰り広げられます。
男役さんも娘役さんも衣装は真っ白。
娘役さんのドレスのスカート部分が3段くらいのフリルになっていてボリュームがあり、
回るとフワッと広がって美しいです。
愛の喜びを表現するダンスで、お互いの引き合う力や、支え合う力が
美しい動きになっているなと感じました。
少ない動きの中でじっくり表現する愛、余白の美学を楽しませていただける場面でもありますね。
専科の輝月ゆうまさんはショーにも出演されていますが、
なんと4年ぶりのショーご出演だそうです。
ガンガン踊る輝月さんが見れてうれしいですし、熱愛のボレロでのデュエットダンスもステキです。
歌が美風舞良さんの美しいカゲソロにバトンタッチされると星空美咲さんが登場し、
トップコンビも踊ります。
苦しいほどの愛が力強く優雅に表現され、勇者と女神の神々しいダンスに見えました。
この場面は、1994年の星組公演『ラ・カンタータ』が初演です。
It’s All Right With Me
ミュージカル『CAN-CAN』の曲にのせて、黒燕尾の男役さんたちがノリ良く歌い踊ります。
続いて、黒燕尾の聖乃あすかさんが黒いドレスの娘役さんに囲まれて登場。
舞台の照明はゴールド。
銀橋にズラリと並んで歌い踊る花組のみなさん。
指揮者の石井さんは、少し振り返って銀橋の様子を見ながら指揮をされていて、
見事に音楽と花組のみなさんの歌声が一体化しています。
ロマンチック・レビューで黒い衣装は珍しいなと感じましたが、
黒ってこんなに華やかな色なんだなと、この場面で感じました。
品があって華やかで上品で、また新しいロマンチック・レビューの可能性を
見せていただいたように思いました。
デュエット
黒から一転、大階段の中央に、パステルピンクの衣装のトップコンビ。
スモークがたかれ、曲は「愛の歌」(『皇帝と魔女』より)
ダイナミックで優雅な動きで愛を表現する、うっとりするダンスでした。
エトワールは、宝塚市立光ガ丘中学校出身の咲乃深音さん。
美しくキラキラした歌声からパレードがスタート。
白・ピンク・水色・グリーン・ラベンダーというパステルカラーの衣装。
ロマンチック・レビューらしい紫陽花色の衣装に身を包んだ花組のみなさんが、
手に白い羽根扇を持ち、主題歌「I Love Revue」にのって優雅にパレードします。
もう本当にキレイです!
梅雨のジメジメも、暑い毎日も、日常をすべて忘れることができるひととき。
紫陽花の季節にピッタリのショーですね。
これまでに上演されてきたロマンチック・レビューの場面、
宝塚歌劇を代表する場面の再演もあります。
懐かしい気持ちになったり、時が流れて新たなメンバーが演じることで、
新しさも感じることができます。
伝統や想いを受け継いでいきたいという、岡田敬二さんと花組のみなさん、
スタッフのみなさんの思いが伝わってくるショーではないでしょうか。
上品で色彩豊かな衣装、観劇後には口ずさみながら花のみちを歩きたくなる親しみある主題歌、
心ときめく華やかな舞台装置、美しい夢の世界の数々。
宝塚歌劇のレビューでしか味わうことのできない素晴らしさと幸せと懐かしさが、
Romantic Revue『愛, Love Revue!』には詰まっています。
宝塚大劇場で7月20日(日)まで上演されています。
東京宝塚劇場では、8月16日(土)から9月28日(日)まで上演されます。