梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ宙組公演『RED STONE』~悠遠なる叫び~
樽井美帆です
宙組公演
ミステリアス・ロマン『RED STONE』~悠遠なる叫び~
この公演は、KAAT神奈川芸術劇場にて、6月20日(金)から29日(日)まで上演され、
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、7月10日(木)から15日(火)まで上演されています。
主演は、水美舞斗さん。
水美さんはお誕生日が6月28日ということで、KAAT神奈川芸術劇場での公演中に
お誕生日を迎えられたんですね。
おめでとうございます!
4月28日付で専科から宙組へ組替えとなった水美さんが、
宙組生として初めて出演される公演です。
また、花組から組替えとなった二葉ゆゆさん、月組から組替えとなったきよら羽龍さんも、
この公演から宙組生として出演されています。
出演は、宙組31名のみなさんと、専科の高翔みず希さん。
作・演出・振付は、謝珠栄さんです。
舞台は、第一次世界大戦後、1920年のイギリス。
南西部に位置する上流階級の保養地、温泉都市バース。
小さなミュージックホール「PALLADIUM」で働く
ヴォードヴィリアンのアレックス(水美舞斗さん)は、
訪れる人々の心を和ませ、笑い楽しめるようなひと時を提供したいという一心で、
日々芸を磨いていました。
ある時アレックスは、家族の恨みを果たしたいという思いを抱えている
イタリアからの移民ジーノ(鷹翔千空さん)、医療ボランティアのバーバラ(きよら羽龍さん)と
偶然に出会ったことで、初めて自分の祖父の人生と向きあうことになります。
ジーノが落とし、バーバラが拾いあげた“赤い石”。
そして、ジーノを助けるために事故にあったアレックスがその時に見た“夢”。
この2つの関連性を紐解くうちに、アレックスは家族の埋もれていた過去を掘り起こし、
それは思いもよらない結末を招くことになっていきます。
それはそれは明るく元気な水美舞斗さんの開演アナウンス。
「宙組の水美舞斗です」が新鮮です。
太陽のような、ヒマワリのような水美さんの笑顔が目に浮かぶ元気さ。
終演後のアナウンスもとっても元気で、暑さも吹き飛びました😄
ベージュ色のセットに、プロジェクションマッピングで街並みを表現するセットが
印象に残っています。
水美舞斗さん演じるアレックスは、バースにある小さなミュージックホール
「PALLADIUM」のヴォードヴィリアン。
幕が開くと、風を切るようにシューンと走り出てきて踊ります。
謝珠栄さんの作品といえば、お芝居の中にもたくさんのダンスシーンが組み込まれていますよね。
今回も多くのダンスシーンがあり、水美さんのキレキレの様々なジャンルのダンスが
たくさん楽しめます。
冒頭の軽やかなダンスの中には、一瞬花組ポーズのような振付もありましたし、マジックも披露。
身体能力の高い水美さんだからこその役ですよね。
撃たれるお芝居も、ものすごい瞬発力と迫力でした。
様々な衣装を着られます。
腕まくりをした黄色いジャケット。
水美さんの腕まくり大好きな方、多いのではないでしょうか😊
少しピエロっぽさも感じる胸元にフリルの付いている蛍光グリーンのシャツに
茶色のチェックのパンツ。
このパンツの裾には、たくさんのかわいいピンバッジが付いていました。
黒燕尾、トレンチコート、牛飼いのガウチョスタイル、エンジ色のハイネックのセーターなどなど。
とにかく元気になれる、幸せになれる笑顔。
可愛いとカッコイイのバランスが絶妙ですよね😍
キラキラ輝く目、まばたきも可愛い水美さんです。
鷹翔千空さん演じるジーノを助ける場面では、大勢を相手に素手で戦います。
アクションの時の手がカッコイイ。
握手をするために、ジーノに差し出す手もステキ。
シュッと音が聞こえそうなくらいのスピードで差し出す、真っ直ぐで誠実な手でした。
人を否定しない思いやりの塊のようなアレックス。
黙って優しく寄り添う姿もステキです。
ジーノの思いを横で聞いている場面では、それだけでジーノの心が溶けていくように感じました。
心が溶けて、最後に少し笑うジーノもステキ。
お二人の太い声のハーモニーは、空気がビリビリと震えるほど共鳴していました。
きよら羽龍さんは、医療ボランティアでバースを訪れているバーバラ。
ハキハキした爽やかなお声のきよらさん、知的な役がお似合いですね。
アレックスへの恋心を決して表に出さないけれども、もしかして・・・と思わせる絶妙なお芝居。
実際に気づいていない役の方いましたね😊
でも、思いがあふれた時は、積極的な可愛らしさでアレックスを驚かせていました。
鷹翔千空さん演じるジーノは、イタリアからの移民。
ある理由から元貴族の人物に恨みを抱き、探しに来ています。
明るく誠実な役のイメージがある鷹翔さん、今回は鬱屈した感情をギュッと圧縮させた役。
ずっとくすんだ雰囲気をまとい、目も鈍い光を放ち、目線も伏し目がち。
新たな鷹翔さんの魅力が見えました。
ミュージックホール「PALLADIUM」のミュージシャンで水美さん演じるアレックスの仲間、
スペンサー・亜音有星さん、トム・真白悠希さん、パディ・大路りせさん、サイモン・奈央麗斗さん。
和気あいあいとしていて、とにかくいつも楽しそう。
舞台と音楽が大好きという純粋さが伝わってくる愛すべき人たちです。
ミュージックホール「PALLADIUM」の可愛い歌手兼ダンサー。
キャサリン・二葉ゆゆさん、キキ ・山吹ひばりさん、アグネス・風羽咲季さん、マリーアン・花恋こまちさん。
とても愛らしく、歌声も美しい4人。
水美さん演じるアレックスをみんなで慕っていて、アレックスのことが大好きな気持ちが
伝わってきます。
同僚として信頼している、純粋に大好きという雰囲気が微笑ましいですよね🥰
でも、時にとても頼もしいみなさんです。
水美さん演じるアレックスの父親ドクター・カニンガムを演じていらっしゃる高翔みず希さん。
茶色のスーツ姿がとても渋くてステキ。
見るからにあたたかい人だと分かります。
高翔さんと水美さんを見ていると、お二人とも元花組ですし、
高翔さんは組長もつとめていらっしゃったので、
宙組生として初主演する公演に、高翔さんが父親役として出演されていてとても感動的。
高翔さんが出てこられると舞台が引き締まります。
終演後、出演者が順番に登場する舞台挨拶で、高翔さんが舞台袖から登場されると、
カッコ良さと渋さ、そして気品に感動しました。
「ショーを始めていこうぜ!」という掛け声とともにショータイムがスタート。
ティファニーブルーと黒という何とも爽やかな衣装。
水美さんを中心に躍動感あるダンスが繰り広げられます。
本当に水美さんのダンスは、スカッとしますね🌈
舞台挨拶では全員で熱唱され、舞台に対する真摯な思いが伝わってきました。
宙組のみなさんの中に自然に溶け込み、爽やかに友情を描き出された水美さん。
水美さんと自然なお芝居をされ笑顔を交わす男役さん、
水美さんに寄り添う娘役さんの笑顔が印象的で、
水美さんが宙組のみなさんとこれからどんな舞台を見せてくださるのか、
ますます楽しみになる公演でした。