宝塚大劇場宙組公演『PRINCE OF LEGEND』・『BAYSIDE STAR』
樽井美帆です
宙組公演
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『PRINCE OF LEGEND』
ビートオンステージ『BAYSIDE STAR』
が、宝塚大劇場にて9月13日(土)から10月26日(日)まで上演されています。
今回の宝塚大劇場宙組公演は、桜木みなとさんの大劇場トップお披露目公演。
桜木みなとさん・春乃さくらさん、宙組新トップコンビの大劇場お披露目公演です。
また、組替えしてこられた
水美舞斗さん・愛すみれさん・叶ゆうりさん・二葉ゆゆさん・きよら羽龍さんが、
宙組生として初めて大劇場に立たれています。
TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『PRINCE OF LEGEND』
原作・著作・構想/HI-AX
脚本・演出/野口 幸作
2022年の宙組公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』以来となる
LDH JAPANとのコラボレーション。
2018年にドラマ化、2019年に映画化されたました。
ライブやゲームとのメディアミックスでも話題を集めた作品です。
また、『鬼滅の刃』の「紅蓮華」で有名なKAYOKO KUSANOさん作詞・作曲、
株式会社LDH JAPAN所属のダンス&ボーカルグループFANTASTICSの
「Twilight Glitter」という楽曲が提供されています。
王子・・・人々は美しく尊い男たちをそう呼ぶ。
伝説の王子・・・それは王子の中の王子ただ一人だけが勝ち取ることができる栄光の座。
これは伝説の王子になるべく、王子たちが闘う物語である。
ロイヤルフェニックス学園に通う朱雀奏(桜木みなとさん)は、
総資産数兆円と言われる“朱雀グループ”の御曹司。
亡き母の英才教育によって、完璧な“王子”としての資質を兼ね備えた彼は
「セレブ王子」と称され、生徒たちの憧れの的でした。
ある日、奏はニューヨークに住む父親から、
初恋の人の忘れ形見・成瀬果音(春乃さくらさん)の様子を見て来て欲しいと頼まれます。
彼女の通う聖ブリリアント学園を訪れた奏が目にしたのは、亡き母の面影を宿す果音の姿。
奏は運命の出会いだと果音にアプローチしますが、こっぴどく振られてしまいます。
奏は果音の態度に憤慨、強い反発心を抱きます。
奏の父親は、果音を家族として支えたいと望み、
奏もしくは奏の異母兄弟・京極尊人(水美舞斗さん)、二人のどちらかと結婚させようと画策。
果音を幸せにできた方に全財産を譲渡するというゲームを持ち掛けます。
尊人に勝ち、果音に仕返ししたい一心で誘いにのった奏でしたが、
あるハプニングから果音を意識するように・・・。
様々な思惑を持った「王子」たちが果音に急接近。
果音を巡る闘いの舞台は、聖ブリリアント学園で開催される王子の中の王子を決める
伝説の王子選手権「PRINCE OF LEGEND」へ。
伝説の王子の座は誰の手に?そして、果音は誰を選ぶのか?
桜木みなとさんのトップスターとしての大劇場初開演アナウンスに続いて、
これから始まる物語が、映像と若翔りつさんのナレーションによって説明されます。
幕が上がると、白く輝く大階段と、赤とゴールドの大きな大きな王冠!
そこに立っているのは、マント付きの真っ白な衣装で、
まぶしいほどの光を放つ桜木みなとさん演じる朱雀奏です。
マントを翻し、天真爛漫な輝く笑顔を見せるその姿は、まさにプリンス。
桜木みなとさん演じるセレブ王子・朱雀奏率いるTeam 奏に続いて、
Team 京極兄弟、Team 生徒会、Team 先生、Team 3B、Team ネクストが
それぞれのチームカラーに輝く大階段を、個性豊かに下りてきます。
チーム名や王子の名前は、舞台横に表示されるのでご安心ください。
最後は、銀橋と舞台に王子たちが大集合です!
大劇場トップお披露目公演で桜木みなとさんが演じているのは、
セレブ王子・朱雀奏。
純粋オーラをまといすぎていて面白い、不思議で魅力的な人物。
ものすごく長くて白いリムジンから普通に下りてくる姿が、
とってもステキなんですがなぜか面白い。
「ただいま」というだけで、そしてちょっとした仕草が、
あまりにステキなため倒れてしまう使用人のみなさん。
それも納得の麗しい姿。
金髪に白い衣装が眩しく、純粋で清らかでふんわりした奏。
明るい声質と笑顔。
振り返って残す笑顔がキラッキラッです✨
原作では3代目伝説の王子として描かれていますが、
桜木さんが宙組10代目トップスターに就任されたことにちなんで、
10代目伝説の王子に設定されています。
春乃さくらさん演じる成瀬果音は、ある日突然王子たちから求愛される女子高生。
母を亡くし、天涯孤独で極貧生活をしています。
とても羨ましい立場でありながら、キリリとした芯のある果音を演じていらっしゃる春乃さん。
クールで淡々とした表情が、愛らしくて魅力的な春乃さんの果音。
感情を出したり抑えたりが絶妙で、引き込まれるお芝居。
応援したくなる果音です。
水美舞斗さんは、ヤンキー王子の兄、京極尊人。
黒のライダースジャケットの腕まくりがステキ過ぎて、
思わず「ありがとうございます🙏」とお礼を言ってしまいたくなるほどです。
水美さんのカッコ良さに説明は必要ありませんね。
白い靴を履いた水美さんもステキです😍
表情はヤンキーですが、少し切なさや可愛さを感じる美しい表情。
みんなのお兄さんのような雰囲気の尊人です。
意識していない凄まじい腕力が面白い!
ドアをバーンと開けたり、こぶしを突き上げたり、1発のパンチで4人くらい倒れたり。
同じ振付を踊る桜木さんの奏と水美さんの尊人。
でも、それぞれセレブとヤンキーに見えるお二人の表現力の素晴らしさに感動しました。
そして、京極家の居間のセットにもぜひご注目ください!
レトロな形の扇風機、花柄のポット、カセットデッキ、使いこまれた食器入れ、炊飯器などなど。
懐かしさが込み上げるかもしれませんよ😀
生徒会長王子・綾小路葵は鷹翔千空さん。
和装の凛々しさと反する、力の抜けた表情の面白さ。
そんな綾小路葵の隣で、キリリと愛あるサポートをしているのが、
きよら羽龍さん演じるミカエル初台。
きよらさんの突き抜けた明るさが新鮮。
歌声も華やかです。
亜音有星さんが演じているのは、ダンス王子レッド・天堂光輝。
亜音さんが演じる弟的な役は、いつも本当に可愛いですよね。
歌声も爽やかで明るく、青春を感じる若々しさに胸がキュンとします。
美容師王子・嵯峨沢ハルの叶ゆうりさん。
お声が良くて色気があってかっこいい🤩
自信満々なのに嫌味じゃない。
気づいたら目で追ってしまうほどステキな叶さんです。
理事長・実相寺光彦を演じていらっしゃるのが愛すみれさん。
見事に成立している娘役の愛さんが演じる理事長!
登場されると、ショーが始まったのかと思ってしまうほどの華やかさとオーラ、
存在感をふりまかれます。
黄色のパワフルなリーゼントも迫力満点。
愛さんのねじ伏せるかのようなパワフルなお芝居で、確かな存在感を放っていらっしゃいます。
常に舞台上にたくさんの登場人物が。
まさに大渋滞!
客席から王子たちが一斉に登場すると、
一人一人のオーラに圧倒されます✨
場面転換がとっても多く、宝塚大劇場の舞台機構やスタッフのみなさんの技術に、
あらためて感動しました。
ビートオンステージ『BAYSIDE STAR』
作・演出/齋藤 吉正
宙組新トップスター桜木みなとさんの出身地・横浜の港を出港し、
南アフリカのケープタウン、イタリアのナポリ、アメリカのサンフランシスコ、
そして神戸など、世界各地の著名な港街を舞台に繰り広げられるショーです。
歌劇9月号の座談会での齋藤さんによりますと、
ショーのテーマは、桜木さんそのものだそうです。
開演前、2機の灯台が港を照らしています。
バイクのエンジン音が聞こえてきて、まず登場するのは、赤い衣装のライダー鷹翔千空さん。
オーケストラボックスから銀橋への登場です。
胸元には金色の虎が付いた衣装です。
ワイルドに力強く鷹翔さんが歌っていると、「宙」と書かれた旗をなびかせ、
青い衣装のライダー男女が登場。
衣装の袖には「10代目宙組」と書かれています。
なかなか気合の入ったオープニング。
彼らは“ある男”を探して、約束の港までバイクを走らせます。
横浜の港から出航する、キャプテンM(桜木みなとさん)を乗せた豪華客船の新たな旅立ちです。
白地に豪華な輝く装飾が施されたキャプテンの衣装の桜木さん。
胸元には金色のイカリが付いています。
袖や胸元は、宙組カラーである紫色。
溌剌と、そして眩しい笑顔の桜木さんのもとに、紫色の衣装の乗組員たちが集まってきます。
船内で上演されるレビュー公演をオーバーラップさせながら展開される華やかなプロローグ。
主題歌を歌い継いでいかれますが、羽根を背負ったロケットの衣装の方もいらっしゃるので、
本当にカーニバルのようなウキウキした雰囲気と、これから始まる船旅へのワクワクが高鳴ります。
桜木さんが、銀橋から客席にかけられた赤い階段に足をかけ、
その後ろの銀橋を、宙組のみなさんが一列になって、桜木さんと目を合わせて
笑顔で駆け抜けていきます。
南アフリカのケープタウンでは、ブレイキンのコンテストが繰り広げられます。
SACTY・春乃さくらさんと、MINAMIX・水美舞斗さんが、
コンテストに飛び入り参加。
赤と黒の衣装の水美さんを見て、京極尊人がショーに出てきたみたいだなと思ってしまいました😍
左の花道から出てこられて、いきなりスゴ技を披露されますので、お見逃しのないように。
水美さんは、踊る時の目のキメがかっこいい!
ダンサーのみなさんのカラフルな衣装も楽しめますね。
アメリカ・サンフランシスコ。
現地のテレビ番組のミュージックショーが繰り広げられます。
アメリカ生まれのポップスをはじめとした魅力的な楽曲が歌い継がれます。
テレビ番組という想定なので、みなさんがマイクを持って歌う姿が新鮮。
ウェスタンドールとして登場される春乃さくらさんがとってもキュート。
この場面では、客席降りがあります。
2階席もありますよ!
桜木さん・春乃さん・水美さんの三人が銀橋から客席に、
「私たちと一緒に遊んでみませんか?」と呼びかけ、手拍子で遊ぶ場面は、
三人のものすごいパワーを浴びて思いっきり楽しみましょう!
フィヨルドの海では、神話の世界からオーロラのファンタジーへ。
桜木さんと春乃さんが、新たな宙に羽ばたく2羽の白鳥に扮します。
この場面は、白・水色・ピンク・グリーンとパステルカラーの衣装が印象的。
とても清涼感があって美しい場面。
白鳥になってからの春乃さんの表情、笑顔が美しいです。
トップ娘役として、あらたな輝きが増されたように私は感じました。
大階段がポップに輝き、風色日向さんを中心とする
ピンクの衣装のセレモニアシンガーたちがフィナーレの幕開けを歌います。
風色さんの歌声と色気に酔いしれてしまいます。
神戸の港では、桜木さんを中心とした初めての黒燕尾群舞。
「X」のフォーメーションの中央には桜木さん。
ローマ数字の10は「X」。
宙組10代目トップスターを意味するフォーメーションでしょうか。
大階段で踊っている時間が長いように感じました。
桜木さんと水美さんが二人で踊る時間もあります。
同期のお二人があたたかい笑顔を交わしながら踊る姿は感動的。
新トップコンビとなられた桜木さんと春乃さんのデュエットダンス。
笑顔の温度感が似ているコンビだなと感じます。
桜木さんは黒燕尾、春乃さんは黒いドレス。
曲は、「しあわせ運べるように」
カゲソロは、入団3年目・109期生の響望歌さん(ひびき・もか)。
お名前の通り良く響く歌声ですね。
パレードの地は、宝塚。
紫色の光輝く豪華な衣装に、大きな羽根を背負って登場される桜木さん。
メインが水色、ナイアガラが水色・グリーン・青のグラデーションの羽根。
そして雉羽根が、赤・ピンク・ゴールド・グリーン・青などなど色とりどり。
それがまたキラキラしているという、今までに見たことがない豪華な羽根でした。
豪華な羽根を背負った桜木さんの笑顔は、とにかく元気で華やか✨
このショーでは、各場面に歌を担当される歌手の方がいらっしゃるのが印象的。
ロケットの場面にもいらっしゃいます。
上級生から下級生まで様々な方の歌声を聞くことができます。
素晴らしい歌声やカゲソロが、耳と心に残っています。
終演後、幕が下りたあとも気を抜かずに、最後の最後まで緞帳を見ていてくださいね!
東京宝塚劇場では、11月22日(土)から2026年1月4日(日)まで上演されます。