第2回「名取千里さんと振り返る宝塚歌劇100年の歩み〰そして未来へ」
姿 美保子です
ナビゲーター 名取 千里さんをお迎えして
1月13日(金)にお送りした
「名取千里さんと振り返る宝塚歌劇100年の歩み~そして未来へ」第2回、
いかがでしたか。
ナビゲーターを務めて下さった名取さんは、
長年にわたって阪神間の文化を研究され、著書も多く発表されている方です。
情報誌「ウィズたからづか」Fairy interviewには
毎号、名取さんによる現役の生徒さんへのインタビュー記事が掲載されています。(1月号は 月組・美園さくらさんです)
さて、2回目は1989年の「ベルばら」再演に沸く時代から
様々な改革が行われた1990年代の宝塚歌劇の動きを中心にお話しをしていただきました。
安寿ミラさん、紫苑ゆうさんなど当時活躍されたトップスターさんのお話しはもちろん、
現在大劇場で上演中のミュージカル「グランドホテル」(1月30日(月)まで)
初演当時のエピソードなども多数ご紹介いただき大変興味深い内容となりました。
その一部をご紹介しましょう。
初演の「グランドホテル」は93年4月に月組トップスター涼風真世さんの退団公演として上演されていますが
実は涼風さんから退団の報告があったのは上演が決まった後だったそうです。
新しい大劇場がオープンした記念の年93年に
トミー・チューンさんがトニー賞を受賞されたあの「グランドホテル」を!
ブロードウエイの一流スタッフを迎えて!
しかもトップスターの退団公演!
ということで、上演までには1年以上の歳月と、幾度もの打ち合わせが海を越えて繰り返されたのだそうです。
そんな多くの皆さんの努力があって宝塚の「グランドホテル」はすばらしい公演となり、
今年待望の再演が実現したのですね。
この日は1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災当時の宝塚歌劇についてもお話しを伺うことができました。
震災では大劇場のある宝塚市も宝塚大劇場も大きな被害を受けています。
にもかかわらずこの年1683名もの受験生が宝塚音楽学校を受験されたということ、
翌96年、40倍の倍率の中合格した84期生には 音月桂さん、北翔海莉さん、遠野あすかさん、白羽ゆりさん、
美城れんさんなどがいらっしゃったということなどをお聞きして、
当時の混乱した街の様子を知るものとしては驚きと感動を覚えずにはいられませんでした。
演者として、観客として大劇場の再開を信じて支え続けた皆さんの思いが
100年を超える宝塚歌劇の原動力となったのだと改めて感じたのです。
名取さんは
「当時、衣食住が最優先される中で芸術文化のことは語ることさえはばかれるような状況がありましたが、
宝塚歌劇の早期再開(3月31日)は被災地における文化復興、心の復興の大きな力になってくれたのではないでしょうか」
とその頃を振り返ってお話しして下さいました。
※復興のメモリアルとして 関係者へのインタビューなどをまとめられた 名取千里さん著
「TAKARAZUKA PHOENIX
阪神大震災を乗り越えて タカラジェンヌからの熱いメッセージ」
には 歌劇団の復興の動きなどがくわしく紹介されています
「名取千里さんと振り返る宝塚歌劇100年の歩み~そして未来へ」第2回は、
様々な動きがあった90年代の宝塚歌劇を振り返ってお話しをしていただきました。
3回シリーズ最終回となる次回は 2月24日(金)放送予定です。
もうすぐ1月17日を迎える宝塚の街を、一昨日から断続的に降る雪が白く染めています。
震災で亡くなられた皆様のご冥福と
東日本大震災、熊本地震で被災された皆様の復興を
心よりお祈り申し上げます。