川柳の時間
本日の担当は夕凪子先生です。パーソナリティの山崎彫科とお届けしました。
「川柳の時間」FM宝塚youtube公式チャンネルに一瞬間程度アーカイブが残ります。
チャンネル登録をしてお楽しみください。
番組内でお読みできなかった句の抜粋と講評です。
2度の辛さ耐え抜く地にも椿咲く 和音
災害列島と化した感の日本。一度だけでなくまたその上に、次々と襲ってくる。
寒風の中に凛と椿が咲くように、何度でも何度でも、立ち上がって頑張りましょう。
次々をワスレナグサが主張する 川端日出夫
勿忘草はこぼれ種で毎年花を咲かせてくれる。まるで、忘れないでくださいと言っているようです。
作者はそれを「主張」だと言う。言葉の話せない小さな存在をピックアップして優しい。
天命はまだ知らぬまま芋汁粉 徳道かづみ
人生が何のためにあるかを意識するのが50歳頃だと孔子。まだ知らぬままだけど、そのうちわかるかなぁ、わからぬままかなぁ。
わからないままの喉を「芋汁粉」はじわりと降りてゆく。
ホトトギス泣かす話は聞き飽きた 涼閑
鳴かぬなら、、、。鳴かせたり待ったり殺したりは聞きますが、泣く話は私はあまり聞きません。
ホトトギスが泣くなんて風情は一段と興味深いところで、世界感が格別です。
懸想文宛先不明今日氷雨 高良俊礼
氷雨の降る日に書く恋文。出す宛のない文は自分をゆっくり見回す時間。自身に書く手紙とも言える。
ラブレターを懸想文などとし、漢字だけの句。氷雨降る頃に相応しい。
引き潮の最期の和音透き通る 薮蔵
透き通る波が見えてきます。引き潮の和音まで透き通って。ましてや最期。遠く遠くのキラキラの和音。
「引き潮の和音」とは素敵。春がそこまで来ています。