6月4日 たからづか8丁目35番地「川柳の時間」
6月4日 たからづか8丁目35番地「川柳の時間」
木々が夏への気配をまとって風にそよいでいます。
エフエム宝塚youtube公式チャンネル同時生配信にて茉莉亜まりの鑑賞、パーソナリティーは山崎彫科さんでお届けしました。
アーカイブは一週間程度残ります。チャンネル登録をしてお楽しみください。
茉莉亜まりの今日の一句は
つぃーっとお告げのように飛燕過ぐ
でした。番組内でお読みできなかったご投句の抜粋と講評です。
初夏の風のあなたの白い雲
涼閑
あなたの雲がはつなつの空を泳ぐ。白はあなたの白。とおい空の雲ににあなたを思う。
寒暖につられて揺れる団子虫
和音
丸まってしまわず、団子虫が揺れる。寒暖にも、世の騒音にも、だろうか。守ることと揺れることのはざまの団子虫。
齧ったら嘘が大きくなりました
一橋悠実
ささやかな嘘だった。自分を守るため? だれかへのやさしさ? 齧れば膨らむ嘘。齧り方を、加減をはかりながら。
初夏ひとり昼の紅茶とマカロンと
カッシュママ
初夏のひとりはすがすがしい。とっておきの紅茶と初夏色のマカロンで、ひとりじゃない世界を生きるためのひとりをたのしむ。
水なすをかぶり本音を溢れ出す
川端日出夫
「本音を溢れさせ」「本音は溢れ出る」でしょうか。ぽってりの水なすにゆるむ心が本音の箍をはすす。
野良として喰らう残飯あり明日へ
徳道かづみ
覚悟の上の野良上等、残り福を喰らってやるぜの残飯で上等。明日へむかうために捨てるプライドあり。明日を生きるための矜持あり。
夏に踏む薄氷ならば無罪です
廣澤真希
冬のさなかのはかなげな薄氷。しずかにそこにとどまっている世界をこわすは大罪。夏のそれは踏んで割りきって水に戻せば夏の太陽が光らせてくれる完全無罪。
紫陽花のさらさら流れゆく白雨
高良俊礼
紫陽花のゆれる夕刻。白雨が天からおり、さらさらと流れゆく流しゆく。あるいは紫陽花もこの世の現実さえも白雨にとけだして。
★以下、写真のキャプションです。
5月30日兵庫県稲美町加古大池にてギタリストのIsaさん、ジャワのガムランを奏でる岩本象一さん、太鼓や熊笹でリズムを刻むDahiさん、ピアノの小林美穂さんの即興演奏を聴きながらつづった詩をその場で読ませていただきました。音楽とことのは。しあわせなひとときでした。