たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
「川柳の時間」
今月、ご投句いただいた中から掲載する「川柳の時間」ブログ版です。
今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
「川柳の時間・ブログ版」は、投稿作品の中から、各週の選者が
「今月の気になる作品」を選考した作品を掲載いたします。
今月の気になる作品
一橋悠実さん
「滝になる前に時々泣いておく」
=滝になってしまってはもう留められない。
せいぜい小川程度までで泣きながら、
滝になってしまいませんように。
朧(ろう)さん
「閉経は枯葉の音もなくしづか」
=をんなを終える。
をんなを降りる。
さみしくもあるか、ここからはこのしづかを愉しんでいましょうか。
そうしていても、突然花開いたりしますから。
西尾幸恵(にしおゆきえ)さん
「竜淵に潜みて月と酌み交わす」
=春分に天に昇り、秋分に淵に潜む竜。
雨嵐を自在に操る竜とともに淵に潜み、
澄んだ月と酌み交わせば、なにごとをも叶えらせそうな。
砂狐さん
「関節を外して愛に擬態する」
=くにゃくにゃとなって愛に擬態する。
そう、愛は、やわらかくて自在なもの。
高良俊礼さん
「修辞得て月を光らせたる宇宙」
=宇宙への修辞、巨いなるものへの畏敬が、月を、人をも光らせる。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は、10月10日の第2週となります。
夕凪子さんが担当です。
なお、来月は「11月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、11月7日となります。
11月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。