たからづかブリーズサンデー 「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
日比野操さん
「雨蛙空を仰いで雨を乞う」
「ガラスごし月満ち光る梅雨の空」
・・・ガラスごし、ふと気づくと満月。
会えるといつでもうれしいお月様ですが、梅雨の最中だと、
よりうれしく思います。
こちらの句の下の句を「梅雨の空」とすると、雨模様となるので、
「梅雨の晴れ間」とされるといいですね。
辰巳和子さん
「短冊に吊するの夢親の夢」
「あじさいの雨の逢瀬の傘畳む」
「くちなしの匂いに沿うて回り道」
「あじさいの雨に届いた訃の報せ」
・・・雨に打たれているあじさいが届くのを、訃報の悲しみとあいまって、
しんとしたドラマになりました。
あじさいはブルーの悲しみから、慈悲の紫となりますように・・・
佐渡真紀子さん
「夏の海隠して防波堤進む」
「掃除機からはみ出している天の川」
・・・天の川、欲しかったですね・・・分かります。
この時期、特に「恋の川」となっていますから。
掃除機で吸ってみたけど、吸いきれない。
やはり空に放って、叶わぬ思いを見上げることにしましょうか~
中川千都子さん
「まっすぐな好意七月熟れてゆく」
・・・7月が熟れる。情熱を託して素敵な表現ですね。
まだ好意?
7月が熟れると、戻れない恋になります。
きっと・・・
迷わず、まっすぐ!!
樋口愛峰さん
「戸惑いながら青空と電話切る」
・・・青空にたずねたいことがあったんですね~
青空ですから、きっと晴れやかな答えをくれたでしょう。
電話を切ったら、歩き出してください!
きっと青空が背を押してくれます!!
前田邦子さん
「短冊に願いを書かなかった母」
・・・お母さんの願いは何だったのでしょう?
子の幸せ
家族の幸せ
よりも、その他に母にも願いがあったのかもしれませんね・・・
大人になって想いを馳せている。
時の流れに母娘が透けて見えるいい句でした。
みなさん、今月もたくさんの投句、
ありがとうございました。
来週は夕凪子さんが担当します。
また、来月は「8月」がテーマです。
8月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。