たからづかブリーズサンデー 「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
黒田俊さん
「敷き詰めた小石の間から秋の顔」
・・・今年もとても暑い夏でした。
その年最初に感じる秋は一瞬にしてさり気なく。
そう、小石の間にも・・・秋。
「切り返すつもりの刀空を切る」
・・・切り返したくなること、ありますね。
でも、きっと相手に傷を負わせること、
それが自分の傷となる。
空を切ったのは、天の計らいなのかも・・・
「結び目緩めた一本の指楽にする」
・・・薬指。赤い糸。
それがロマンだけなのは若さの特徴。
「ひととし」を生きると赤い糸であっても、
「ゆる~い」ほうが「きつきつ」よりもいいかもしれません。
自分にも、そして相手にとっても・・・
前田邦子さん
「しんみりを塗り直してる夏の果て」
・・・翳りゆく夏はしんみりを連れてきます。
猛々しかった夏にしんみりを上塗りして、
しんと秋を迎えてください。
「夏の果て」という美しい言葉とともに・・・
木戸ほのかさん
「夏の恋仕舞う小箱を買う九月」
・・・煌々の日射しの元の恋も、秋の訪れとともに、
想い出にするのでしょうか~
仕舞ったらしばらく、開いたり閉じたり・・・
やがて、閉じたままとなり、小箱だけがぽつんと一つ・・・
佐渡真紀子さん
「さよならの影がきれいに割れている」
・・・さよならを従ってる影が、そのさよならを選んだの影が
割れるのですね。
影だけをきれいに割ったら、
あなただけ割らずに残してください。
樋口愛峰さん
「折り合いをつけて二章目幕上がる」
・・・すべて解決。
きれいさっぱりは、人生にそうそう訪れない。
いろいろあった第1章と折り合った第2章目へ。
開幕のあとは素敵なドラマになりますように!!
パーソナリティー・岸田久美子
「すぐきえることのはひとはうそをいう」
・・・結論を出さずに具象に託すのがいいでしょう。
たとえば、「秋の雲」「春霞」など・・・
みなさん、今週もたくさんの投句、
ありがとうございました。
来週は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「10月」がテーマです。
10月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。