たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

さいとうみくさん

「鯉たちは色とりどりのダンス中」

・・・池の鯉も鯉のぼりも色とりどり。

   楽しそうな様子が見えてきます。

   みくさんも元気いっぱい!!

「しんどいなもう泳げない鯉のぼり」

・・・無風になるとダラリと垂れる鯉のぼり。

   泳ぎ疲れて、しばしのお休み。

 

徳道かづみさん

「この想い好きと呼んだら雨になる」

「眼光の鋭き蝿と睨み合う」

「凪ぐことを知らぬ海たれ我が胸よ」

・・・若い女性の抱えるアンニュイを上手く三句に詠まれています。

   雨は「恋」の代名詞。

   嫌われ者の蝿の意地。

   そして、いつも荒海に立ち向かう精神力。

   若さがあふれる句群です。

 

薮蔵さん

「街道が紫帯びるロスタイム」

・・・定年直前の男性の道は紫色になるのですね。

   紫は高貴な色。

   素敵なロスタイムを迎えられています。

 

利枝さん

「哲学の道で育む愛でした」

・・・小川の流れる静かな佇まいの道で、

   いったい何人が恋を愛を育んだことでしょう。

   私もその内の一人?かもしれません。

 

康浩さん

「後半生蛇でしょういえ縄でしょう」

・・・これから先の曖昧模糊とした「半生」

   蛇・縄の具象が利いています。

   老人予備軍がんばれ!!

 

 ひでこさん

「座布団におさまりきれず一歳児」

・・・「育児あるある」の一つ。

   あっという間に大きくなってゆくこの成長の早いこと。

   それに比べて私はああ・・・

   「ああ」のある句は良い句です!

「ボタン糸緩んだままの金曜日」

・・・少々お疲れ気味のボタンと作者。

   あしたは土曜日。

   しっかり付け直して出直しましょう!

「春の宵はらりはらりと花図鑑」

・・・春のほわんとした空気が感じられる句です。

   四季のある国に生まれた喜びが「花図鑑」に出ています。

「れんげ草死に真似した日の青い空」

・・・「死に真似してる」に推敲されていましたが、

   元句の方が物語が見えてきます。

   れんげ草色の空と「死にたかった」作者の心理が鮮やかに浮かんできます。

 

文子さん

「息子厄年風に向かって泳げ鯉」

・・・男の厄年は42歳。

   もう立派な大人になった我が子に送るエール。

   いつまでも子は子で、母は母。

 

紀子さん

「ふと我にかえる春だね桜だね」

・・・冬眠から醒めると桜満開の春!!

   と喜びにあふれる句です。

   実感がやさしい言葉で素直に詠まれています。

 

Sashaさん

「寒い日も暑い日もありホトトギス」

・・・春はゆっくりやってきます。

   気がつけば、すっかり青葉の初夏です。

   ホトトギスまでの「跳び方」が希望を伺わせます。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、

ありがとうございました。

次回は第2週ですが、茉莉亜まりさんが担当します。

 

なお、来月は「7月」がテーマです。

7月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

川柳の時間用写真