たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
徳道かづみさん
「色街の雨は冷たし頬に降る」
・・・宴のあとの朝も、賑わいの最中の夜は人ごみの中で、
なおのこと、ひとり歩きの女。
その頬を濡らす雨は刺すように冷たい。
「紫陽花の裏切ろ母が病みました」
・・・梅雨どきに命盛り、たわわと咲く紫陽花。
みずみずしい花が人の命を裏切るように病んだ母。
紫陽花のたわわがうらめしいほど。
いっそ、刈りきって母の命に注ぎ込んでしまおうか。。。
「祈る手をほどいて母を抱き締める」
・・・母へ祈る。
ギュッと祈る。
母から生まれた娘として、注がれた愛をも足して・・・
白くなるほど力を込めた手、その祈りごと母を抱く。
なおも祈る。
永遠の母を。
城水めぐみさん
「六月の白は眩しいからきらい」
・・・梅雨の晴れ間の白い光。
軽やかに行き交う街の少女たちのワンピース。
潔白だと言い切って、責められているみたい。
『いいのです。』
あなたのきらいはあなただけのものなのですから。。。
前田邦子さん
「人生の静かな雨を待っている」
・・・人生に静かに降り注ぐ雨をじっと待っている邦子さん。
哀しみを洗うやさしい雨。
人生に実りをもたらす豊穣の雨でありますように。。。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は茉莉亜まりさんが担当します。
なお、来月は「7月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、7月1日となります。
7月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。
ところで、「現代川柳」創刊10年を記念して、第8回川柳大会を
開催します。
6月17日です。
詳細は下の写真をクリックしてご確認ください。
奮ってご参加してください。