たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

文子さん

「ダイエットきっとやりすぎ糸トンボ」

・・・糸トンボをみて、「ダイエットしすぎ」と思った作者。

   涼しげに飛んでいるトンボも人知れず、

   苦労をしているのかもしれません。 

 

尾崎良仁さん

「女子校の腐ったにおい夏終わる」

・・・共学の学校にはない、独特な雰囲気を詠まれました。

   下五の「夏終わる」で、若さあふれる女子校生もいずれ。。。

   と思わせて、うまい句です。

「難解なギャル文字妻の母子手帳」

・・・若いお母さんの母子手帳の中には、

   宇宙文字のような模様のような字が並びます。

   言語は日々進化します。

   もうついていけなくなっている私です。

「真実を知りたくないかカミソリよ」

・・・カミソリの切れ味の鋭さと真実の取り合わせがうまいですね!

   真実を知った痛みがヒリヒリと痛いのは、そのセイなのだと、

   いたく納得!

 

紀子さん

「遠い日にゆらいだこともモノクロに」

・・・今となってはみな「モノクロ」になってしまったよ。。。

   と、詠嘆が詠まれています。

   助詞「も」がうまく使われています。

 

まりこさん

「冥福を祈る静かに合歓の花」(先月も掲載しましたが、コメントを新規追加しました)

・・・地震、土砂災害、台風とかつてないほどの被害を受ける近頃です。

   合歓の花は残された者には、

   希望を逝った者には、

   安らぎを与える花として最適です。

 

かづみさん

「居合わせ小さき罪を重ねゆく」

・・・誰しも罪を重ねながら生きています。

   自分が信じる道が「茨道(いばらみち)」であろうと、

   進むしかありません。

   いずれ自分に返ってくるのを覚悟!!

「独り寝の乳房にこもる残暑かな」

・・・涼風が吹く頃となっても、

   かすかに残る夏が乳房にある。

   発散されずにいる悲しみ。

 

ひでこさん

「梨園の残暑も並ぶ百貨店」

・・・薄茶色の瑞々しい果物から広々とした梨園を見る作者。

   梨のちょっぴりとさびしい風情が良くあらわれています。

「自転車の影追いかけてくる晩夏」

・・・あの凄まじい夏を振り切るように自転車をこぐ。

   それでも、まだまだ暑い夏が続きます。

   「追いかけてくる」が実感として伝わります。

 

 みくさん

「夕焼けはキラキラ帯のようですね」

・・・海に沈む夕陽でしょうか?

   「帯のように」とはうまい比喩です。

 

英輔さん

「スイギュウ車キラキラ光るうみ歩く」

・・・由布島から竹富島でしょうか。

   のんびりと揺られる様子が出ています。

   いい夏休みだったでしょうね!

 

sashaさん

「夏が逝くなんて儚い星の砂」

・・・あの殺人的な暑さの夏でさえ逝くのです。

   それに比べたら、

   人間なんて手に掬った星の砂ほどのもの。。。

「腑に落ちぬところに咲いているワタシ」

・・・タンポポもスミレもみんな同じです。

   落ちたところで、精一杯咲いてください。

   きっと誰かが立ち止まって、

   愛でてくれますから。。。

 

みなさん、今週もたくさんの投句、

ありがとうございました。

次回は第2週ですが、茉莉亜まりさんが担当します。

 

なお、来月は「9月」がテーマです。

9月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

川柳の時間用写真

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