たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

前田邦子さん

「焼き鳥の串を抜きつつクリスマス」

・・・街ごとが浮き足立つクリスマス。

   うれしいたのしい人を横目に焼き鳥を頬張る邦子さん。

   わたしにはわたしのクリスマスがあるから・・・と。

 

背馬さん

「何事もカレーライスの中に入れ」

・・・立川談志が弟子たちにふるまったカレーには、

   台所にあったチーズケーキやら芝漬けやら・・・

   何やらが入っていて、それでも案外美味しかったとか。

   喜怒哀楽も何事も入れたカレー。

   人生はフクザツにして美味!

 

城水めぐみさん

「くるぶしのネジを締め忘れて師走」

・・・今年のラストスパートだというのに、

   あれこれあって足元が覚束ないことに気付く。

   工具は自前か、誰かに借りるか・・・

   緩んだままで暮れに向かうなら、

   どうぞ致命傷を負いませぬように。。。

 

徳道かづみさん

「おでん屋で笑顔が泣いている女」

・・・泣きたいときに泣ける女は幸せで愛される。

   泣きたいときにこわばった笑顔をする質の女はおでん屋へ。

   カウンターの中の訳知り大将が黙って、

   おいしいおでんを出してくれる。

「木枯らしや去るべき人が去って冬」

「屋台酒哀しい嘘を聞いている」

 

多舵洋さん

「元気だと返信させる誤変換」

・・・「ちがうってば」と思いつつ、

   誤変換へと自分が寄っていくのもありかも。。。

   元気の押し付けはいただけないけれど、

   誤変換で「元気じゃない」の発信を踏みとどまると、

   少し自分が好きになれたりして・・・

「トーストの表と裏が分からない」

「歯ブラシを枯らしてしまう愛でした」

 

芍薬さん

「赤色のリボンに蜘蛛をつたわせて」

・・・鮮烈な赤をつたう蜘蛛。

   この贈り物を受け取るには蜘蛛ごと愛でる覚悟がいりますね。

   やさしい勇者に渡りますように。。。

「肉まんの中で真理が減っていく」

「キリストの切手を貼って送り出す」

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「1月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、1月6日となります。

1月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

 

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