たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

 

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

まずは番組の中で紹介した句を掲載します。

前田邦子さん

「白粥(しろがゆ)の白そのまま凪の海」

 

黒田俊さん

「ホスピス棟に梅一輪の淡く咲く」

「跳んでみようか大寒の空澄みわたる」

「いつもの席で亡母とお茶する冬日和」

 

城水めぐみさん

「獰猛なリッシンベンを手懐ける」

 

徳道かづみさん

「傷口をリボンで縛り出陣す」

「北風に吠える 不惑を越えてゆく」

 

芍薬さん

「エンターを押せばあなたも過去になる」

 

ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。

黒田俊さん

「あなたの席は空いたままの七回忌」

・・・大切な人を送る。

   七回忌。十三回忌。

   いつまでも空席は空席のまま、

   人は逝った人とともに、いつもを生きるのですね。

「エンディングノートひとつ書き足す今日二月」

 

芍薬さん

「シェービングフォームのゆるやかな殺意」

・・・理髪店のカミソリの長い刃がきらりと光を含む。

   「髭を剃ってあげましょう」

   と、ふんわり泡立てる白い泡。

   カミソリの持ち手が知らぬ間に女と入れ変わるのが見えるようです。

「不器用な黄色信号だけの街」

・・・黄色は進めとも、止まれとも言わない。

   この街では決められない迷子がいつも右往左往。

 

徳道かづみさん

「本音ある嘘なら許せ篝火よ」

・・・光源氏が、玉鬘(たまかずら)のもとで篝火をたかせて、

   合奏をする場面がある第27巻。

   光源氏は目の前の女に本音ある嘘で、

   あるいは本人は嘘とは思わず愛を語った。

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「3月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、3月3日となります。

3月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。