たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を
講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、夕凪子さんです。
さいとうみくさん
「旧正月神さまたちがおりてくる」
「新年快樂ばくちくの音おめでたい」
※新年快樂=しんにぇんくゎいらと読みます。あけましておめでとうの意味です。
「ゆめの中ししまいたちとおどります」
・・・旧正月の台湾から。
爆竹の音と煙が充満する中で、“しし”と踊る女の子。
春を迎える嬉しさが表れています。
多舵洋さん
「空っぽの香水瓶に造花さす」
「夜明けまで羊の愚痴を聞いている」
「もうひとつ別の着ぐるみ着て帰る」
・・・着ぐるみを重ね着して、モコモコになって帰るのですね。
本心はますます見えにくくなって・・・
でも、「あたたか」いのは、やがて救いになります。
きっと!!
徳道かづみさん
「好きという甘さの奥に仕込む毒」
「ときめきは遠くなりけり島らっきょ」
「ジ・エンド硝子の靴は割れました」
・・・シンデレラの証しの硝子の靴が割れてしまえば、
もう物語は終わりです。
終わりは新しいことの始まり。
川柳をポッケに入れて、レッツゴー!!
サーシャさん
「雑踏を行く後ろ姿にありがとう」
「埃っぽい羽を引っ張り出して干す」
「履きつぶした靴とあなたにサヨウナラ」
・・・靴は使命を全うしての別れです。
ここでの“あなた”は誰かが問題ですが、
“くたびれて”
なお、味のある人間だったら、
ゴミ箱に入れられることはなかったのかなぁ・・・
なんて・・・
頑張ろう!!
芍薬さん
「補助輪を失くしたおとうとの翼」
「不機嫌なプリンちっとも震えない」
「1ページずつずれていく母子手帳」
・・・母子手帳の“ずれ”とは何か?
読者それぞれに考えさせる句です。
いずれ“子”を育てるということの難しさを今更ながら感じます。
一橋悠実さん
「月に雲 義務ばっかりを押し付ける」
「過去だけどほぼ流せます笑えます」
「顔パック10分 明日を準備する」
・・・パックの効果は明日出ます。
「明日のために」が普通だったかなぁと惜しい。
“おもいがけないもの”で、
悠実さんらしいものを探してください!
ひでこさん
「ほどほどに暮らす四隅の埃かな」
「涙拭く肩の淡雪溶けぬ間に」
伊藤正美さん
「片膝を落とす小四アンケート」
まりこさん
「古希なんて蹴飛ばし待つわ王子様」
紀子さん
「数えても数えなくても五百段」
文子さん
「シンプルに生きなさいよと冬木立」
みなさん、今週もたくさんの投句、
ありがとうございました。
なお、来月は「3月」がテーマです。
3月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。