たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

講評とともに紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、夕凪子さんです。

 

まずは、番組内で紹介した句を紹介いたします。

 

多舵洋さん

「目一杯ハートを混ぜるラテアート」

 

城水めぐみさん

「ちっぽけな港を脱いで海になる」

 

徳道かづみさん

「夢を追う者には見える蜃気楼」

 

芍薬さん

「蝶々に秘密を託す手話の人」

 

一橋悠実さん

「笑ったり泣いたりでいい月浮かぶ」

 

背馬さん

「夢だけは消さぬと今朝の虹が立つ」

 

ひでこさん

「亡母さんは幾つになったと梅に問う」

「廃校のさざめき昭和っ子等の春」

 

紀子さん

「まんまるだ地球も今日はゆっくりと」

 

文子さん

「健やかにと今年も送る雛の餅」

 

弘子さん

「誕生日か七十六かそうかもう」

 

康浩さん

「いい時もあったじゃないか両の手よ」

 

ここからは、番組でご紹介でできなかった句を講評とともに紹介

いたします。

 

多舵洋さん

「糊しろはここにあったと手を繋ぐ」

・・・妥協点を「糊しろ」と表す。

   見つけが面白いですね。

   根っからの悪人も善人もいないのです。

   長所をみて生きていけたらお互い樂ですヨネ。

「リカちゃんと生きているごっこに夢中」

・・・5.5.7の句。

   基本は5.7.5ですが、あえてリズムをくずして、

   言い表したかった本意があるのでしょうね。

   リカちゃん人形の巻毛が春風に揺れています。 

 

芍薬さん

「修道女日が暮れるころ眼を洗う」

・・・夜でも昼でもない「日が暮れるころ」に洗う。

   時間設定が作者のこころを表します。

   さてさて一体なぜでしょうか。

   花粉症なんて単純なことではないことは明白!!

「偶数のページだけ盗る知能犯」

・・・偶数ページは普通右側にあります。

   それを盗ろうと言う。

   奇数ページはなぜ盗らないか。

   凡人には考えられない。

   省略が利きすぎましたか・・・

 

一橋悠実さん

「えらんだはずの命に全てうばわれる」

・・・あくまでも選んだのは自分だったと信じていたが、

   実は選ばれていたのか。

   迷いの多い人生ではあります。

「引っ張り出したにしてはレベルの低い嘘」

・・・根っからの嘘つきではないのがバレバレ。

   可愛い嘘にだまされたふりをしてあげましょう!

「不本意なままで乾かされてしまう」

・・・ピンと引っ張ってパリリと乾くはずだったのに~

   クシャクシャと皺が寄ってしまっているのではないですか。

   何、まだ洗いなおすことも出来ますって。

 

背馬さん

「手紙書く真心それだけが取り柄」

・・・文字離れが進んでいる昨今。

   長いお手紙をいただいたら、それだけで感激です。

   お人柄がひしひしと伝わります。

 

徳道かづみさん

「春風(しゅんぷう)や敗者復活戦がある」

・・・負けたままでは終わらせない意志が出ています。

   春の風との取り合わせがいいですね。

   希望や勇気を与えてくれる句です。

「味噌汁に文句を言うな男たち」(番組で紹介しましたが別コメントで)

・・・母の味。

   故郷の味を引きづり続ける男たち。

   スープでは出ない個性を味噌汁に託して上手い!

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、

ありがとうございました。

 

なお、来月は「4月」がテーマです。

4月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

川柳の時間用写真

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