たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
まずは番組の中で紹介した句を掲載します。
城水めぐみさん
「一線を越える汚れた土踏まず」
徳道かづみさん
「ころす気に満ちた女の正座かな」
「土下座して月に謝ることがある」
芍薬さん
「巻き戻しされるつもりで散る桜」
「ワイシャツをですます調で試着する」
のんびりあんさん
「巻き舌で 令和に はしゃぎ出す あやめ」
前田邦子さん
「風のない無口な人といる 岬」
背馬さん
「一生を海鼠の夢として過ごし」
「ちょきちょきとチョキチョキと言い何も切らず」
ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。
黒田俊さん
「お亡母さん困ったことはないですか」
・・・「お亡母さん」で短詩では「おかあさん」と読みます。
天のお亡母さんに思いをはせて、
シンプルですが、しんとした味わいがあります。
「若竹煮山椒も入れて我が家流」
・・・こちらは「ほのぼの」とした句ですが、
「我が家流」ならば「入れず」として、
特別な若竹煮にしてもよかったですね。
「こぼさぬようにそろり蓋して終う今日」
・・・かけがえのない大切な一日だったのですね。
「そろり」で一滴もこぼさないように、
との祈りが出ています。
門前喜康さん
「スーパーマンになれと風呂敷結ぶ母」
・・・男の子への母の愛。
祈り。
昭和の唐草文様の風呂敷を、子の高さまでかがみ込んで、
子の瞳をのぞき込んでいる母と、
それに応える子の誇らしい姿が見えてきます。
芍薬さん
「くちづけをして黙り込むラジオ欄」
・・・口づけをした二人が黙り込んで、ラジオ欄を見ているのか?
ラジオ欄のラジオドラマの中の二人なのか?
謎かけのようですが、取り合わせは面白い!
言葉には時にその「あいまいさ」の中で、
漂うだけでいいものもあります。
作者も、読者も、自由が保証されていますから。。。
徳道かづみさん
「改まる時代にやはり飲むトリス」
・・・世が大騒ぎしている御代がわりに、
「やはり」いつものお酒を飲んでいるのですね。
変われない自分と変わるもんかの自分。
どちらの自分にも乾杯!
涅槃girlさん
「夜よりも長い夢見る仏さま」
・・・放送では、海鼠の夢をご紹介しましたが、
ブログの締めには仏様の夢を。
夜よりも長い、
海よりも深い、
仏様の夢。
衆生を救う荷を降ろして、
仏様にも自由に夢を見ていただきましょう!
眠りから醒めたら、また皆をよろしくお願い致します。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「5月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、6月2日となります。
6月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。