たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第１・第２の日曜日の９時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
まずは番組の中で紹介した句を掲載します。
涅槃ｇｉｒｌさん
「空欄に星座を描く受験生」
「死んだ目でゾンビを諭すお釈迦様」
城水めぐみさん
「正論はねこのおみみで聞き流す」
徳道かづみさん
「負け犬になって日差しのやわらかさ」
「草の波大人になると決めた風」
芍薬さん
「えんぴつの黒のやる気が減る湿度」
のんびりあんさん
「吸い付いたヤモリの白い腹惑う」
前田邦子さん
「羊羹の歯型見つめて亡母想う」
背馬さん
「ムーミンの世界に行って抜け出せず」
多舵洋さん
「犬の皮破ってお手の拒否をする」
ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。
多舵洋さん
「紫陽花は次吐く嘘を思案中」
・・・七変化の紫陽花は噓つき。
うつくしい嘘。
やさしい嘘。
人を傷つける嘘。
自分を偽る嘘。
生きるための嘘はみんな梅雨の雨が洗ってくれます。
存分にいかようにも吐いてください！
芍薬さん
「ため息が白なら明日も歯を磨く」
・・・切迫の赤でも、先のない黒でもない白なら、
ため息を吐いて、また明日へ。
また生きるため、変わらず歯を磨いて。
徳道かづみさん
「白黒をつけず生涯ろくでなし」
・・・のらりくらりとグレーゾーンを生きるのがろくでなしなら、
すべてに白黒をつけて斬るのも、ろくでなしかもしれませんね。
いずれにしても、ろくでなしの自分を何とか引き受けて、
ご一緒にまいりましょう！
背馬さん
「人を避ければ蚊柱渦巻いた世界」
・・・人を避けん、とした世界かと思いきや、
蚊柱に取り囲まれる。
ヒッチコックの映画のような空恐ろしさから、
どうか無事抜け出せますように。。。
猫又さん
「水無月の水を濁らせ飼う人魚」
・・・上五、中七の頭韻が生む心地よさ。
後半のどこかしら不穏な密室へ。
文芸の水槽の中は自由。
人魚を生かすも、殺すも、愛するのも、
あなた次第！
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「７月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、７月７日となります。
７月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。
