たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する
「川柳の時間」ブログ版です。
講評は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
まずは番組の中で紹介した句を掲載します。
涅槃girlさん
「インスタに黒船あげるお殿様」
城水めぐみさん
「天の川同じ形の鍵ふたつ」
徳道かづみさん
「永遠を誓う真っ赤な舌がある」
芍薬さん
「アルタイル何遍も産む明晰夢(めいせきむ)」
のんびりあんさん
「坑道の糸でんわから紅茶の香(か)」
前田邦子さん
「片恋はきらきら光るさくらんぼ」
背馬さん
「まっすぐに飛ばない蝶を愛おしむ」
多舵洋さん
「空っぽの香水瓶に造花さす」
猫又さん
「まだ好きと口滑らせる催涙雨(さいるいう)」
「傷つけも庇いもしあい秋銀河」
一橋悠実さん
「親友だったというのが紫陽花の答を」
伊藤正美さん
「肩に手を回す晴れ間の紫外線」
ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。
多舵洋さん
「カステラにならぬ背中を送り出す」
・・・あまくてふわふわじゃなく、
ごつごつでしょっぱい背中だけれど、
それでもわたしのカステラ・・・
「いってらっしゃい」
そして、戻ってね・・・
一橋悠実さん
「愛するということ梔子の香り」
・・・甘い香りは愛の香り。
ときに香りすぎるときもあるけれど、
それもまた愛。
「笹の葉さらさら手紙を書こうかな」
・・・天へ届ける願い。
あなだだけに届ける思い。
七夕です。
書きましょう、手紙。
「群衆の中で黙っている蛙」
・・・地面でじっと黙っている蛙は、
踏みつぶされてもいい覚悟。
それでもすべてを超えるジャンプを、
群衆を飛び出す夢をあきらめていない。
「立葵ただ悩む日もありました」
・・・悩む日々も少しずつ伸びて、
今は一心に天に向かう立葵。
さらにまっすぐ上へ!
伊藤正美さん
「君の目を逸らさず見てる初夏の海」
・・・まっすぐな初夏の恋。
君の目が見ているのは・・・
水平線?
入道雲?
私の「川柳アイ」は・・・
すこし「イジワル」だったり、
せつなかったり
を好むようです。
ごめんなさい。。。
芍薬さん
「雨おんな蛇口をしめる指がない」
・・・かなしいかな指がなかったとは。
蛇口を開けっ放しで、降る雨を受けてくれる超絶晴れ男。
求ム!!
徳道かづみさん
「短冊に書かずに済んだ願いごと」
・・・すこし「コワイ」ことを願ったけれど、
それは自分の中におさめたということでしょうか。
書かなくとも叶った願いごとでありますように!
「黒真珠すでに共犯者であった」
・・・黒光りする海の贈り物は素敵な共犯者。
すでに犯していたうつくしい罪は永遠に海の底。
「この世には『もしも』は無いよ認めなよ」
・・・わたしがあなたを愛する「もしも」も「万が一」も無い。
認めない男への親切なおコトバでしょうか。。。
背馬さん
「タクシーで眠りて母の夢を見し」
・・・1日を終えた夜のタクシーなのでしょう。
いつもわたしを気遣ってくれる母の夢だったでしょうか。
のんびりあんさん
「巻貝を置いて ガラスの靴を買う」
・・・巻貝を海辺に置く。
あなたに贈るガラスの靴を買いにいく。
あなたの手に海が巻貝を届けていたら、
あなたはその靴を履いてくれるだろうか。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「8月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、8月4日となります。
8月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。