たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

 

 

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を紹介する

「川柳の時間」ブログ版です。

講評は、茉莉亜まりさんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

 

まずは番組の中で紹介した句を掲載します。

猫又さん

「水底で硝子の欠片のままでいる」

 

涅槃girlさん

「能面をつけたまんまでにらめっこ」

 

多舵洋さん

「角砂糖ひとつ沈めて忍ぶ恋」

 

一橋悠実さん

「どんぐりころころ君に拾ってもらうまで」

 

城水めぐみさん

「ウサギ語で再度送信するLINE」

 

徳道かづみさん

「薔薇ばかり咲かせるろくでなしだった」

 

のんびりあんさん

「散らかした部屋でおんなじほん舐る」

 

猫又さん

「お祝いの言葉に添えた薔薇の棘」

 

中川拓真さん

「太陽が消えて大人になった月」

 

 

ここからは、番組内で紹介できなかった句を紹介します。

多舵洋さん

「熱くしたシャワー涙を閉じ込める」

・・・熱いシャワーにまぎれて、涙を流すのではなく封じる。

   泣いてカタルシスを得る道を選ばない、選べないなら、

   心ゆくまで全身全霊もシャワーを

 

猫又さん

「水底で硝子の欠片のままでいる」

 ・・・光射せばきらりと光り、魚の尾が当れば居場所を変える。

   少しずつ鋭角を失って、長い歳月をかけて、

   やがて消失する静かなドラマです。

   「中八」が気になったこともあり、

   「水の欠片」でも想像が広がるかな、と思いました。

 

徳道かづみさん

「君が抱く女で君の価値を知る」

・・・片恋を抱える女は「君」がどんな女と歩き、

   どんな女を抱くのかをじっと見ています。

   女を自分と比べて、「完敗」とうなだれたり、

   こんな女を抱く女に心奪われた自分を

   嘲笑したくなったりですね・・・

「走り抜く雨の匂いのする街を」

・・・雨の匂いは、不穏の匂い。

   涙を誘う匂い。

   不穏も涙も振り捨てて、走り抜いてください。

   街という得体の知れない巨体に呑まれないために・・・

 

 

一橋悠実さん

「揺れているくせにアケビのあまのじゃく」

・・・揺れていくくせに、その揺れを素直に表せない秋のアケビ。

   揺れているうちに、「ぱっくり」と割れ、

   中を見せること叶うかも・・・

 

のんびりあんさん

「脱ぎ捨てて ぽつんと柿は朱を深く」

・・・脱ぎ捨てた柿。

   朱を深く、熟してゆく柿をまだぽつんと置き去られたまま、

   誰かを待っているのでしょう!

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

次回は夕凪子さんが担当します。

なお、来月は「11月」がテーマです。

次回の茉莉亜まりさんの登場は、11月3日となります。

11月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。

dav