たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版

毎月、お楽しみいただきまして、ありがとうございます。

毎週第1・第2の日曜日の9時台にお送りしています・・・

「川柳の時間」

今週、ご紹介した投句とお時間の関係でご紹介できなかった句を

紹介する「川柳の時間」ブログ版です。

今回の担当選者は、夕凪子さんです。

 

今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。

ハイジ63さん

「夏色が九月丸ごと塗りつぶす」

「命日のない九月死は圏外に」

「生まれ月ただそれだけの九月好き」

 

 小林康浩さん

「市役所を出て追い打ちの熱波かな」

「意地悪なコスモスもいて美しい」

「叩きたい時には抱きしめるのです」

 

 徳道かづみさん

「どピンクのルージュ妥協はしない恋」

「唇を盗めば心盗まれる」

「恋をする度に初恋 まっしぐら」

 

 喜代子さん

「午前二時眠りのバスがまだ来ない」

 

涼閑さん

「蝉の声すこし遠くに聞こえてる」

「秋空に散った羊を呼び寄せる」

 

 猫又さん

「信じたいものだけ信じ来た迷路」

「眼が溶けて落ちたゾンビの孤独感」

 

 城水めぐみさん

「ぜんまいで働く八人目の小びと」

 

 月波与生(つきなみよじょう)さん

「地図にない道に名もない人が来る」

「シーソーは月の重さで揺れている」

 

一橋悠実さん

「照らされてしまえ見透かされてしまえ」

「ワンプレートの仕切り プライバシー順守」

「一番下で支えている父の茶碗」

 

 芍薬さん

「ブランコは止まったままで自転する」

 

 さこさん

「西方へゲリラ豪雨が運ぶ鬼」

 

 ひでこさん

「昨日より水が冷たし種を蒔く」

「穴ばかりジグソーパズル風は秋」

 

恵庭弘さん

「優しくされると 優しくできる」

「上げ足取りは 不幸の証拠」

「全てのモノは 無くなってしまう」

「生きづらいこんな日本に誰がした」

「死なせない60兆を返すまで」

 

 川端日出夫さん

「リモコンで満月の雲消してみる」

「仏壇のおはぎの向きがずれている」

「栗拾い貴方の棘の痕がある」

 

 林かずきさん

「かなかなかな そうっと消えた夏の恋」

「セロ弾けば月より降りてくる梯子」

「歯の治療 終えて試しにナッツパイ」

 

 

今月の気になる作品

一橋悠実さん

「こんもりと今日を器に盛っておく」

=「こんもり」と盛られた今日。

 どんな「今日」だったのか、語られていません。

 可もなく不可もない、一日でも盛り方によって、

 こんなに素敵になるのです。

 

 猫又さん

「逆接の接続詞だけ呟く日」

=「しかし」「だが」「けれど」・・・。

 そんな言葉しか出ない日もあります。

 詩になりにくいそうな語で詩を詠んで成功しています。

 

涼閑さん

「鈴虫がそばに寄っても泣きやまぬ」

=気温の微妙な変化で鳴き方を変える秋の虫たち。

 足音がしても「泣いて」いる。

 「泣く」が想像を膨らませます。

 

月波与生(つきなみよじょう)さん

「雨になる手前で冗談に気づく」

=曇り空での会話。

 ふとした仕草から「冗談」に気づく。

 ここでの雨は「恋」か。

 大人な二人の関係を「雨」に語らせている。 

 

 

みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。

なお、来月は「10月」がテーマです。 

夕凪子さんは、次回10月11日の日曜日のご出演です。

10月の香りのする十七字音のドラマをお待ちしております。

 

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