たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版＝１０月４日分再掲載
毎週第１・第２の日曜日の９時台にお送りしています・・・
「川柳の時間」
先週＝１０月４日付で、掲載した「川柳の時間」ブログ版で、
掲載の一部に誤りがありました。
再掲載いたしますので、あらためてご参照ください。
訂正してお詫び申し上げます。
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今回の担当選者は、茉莉亜まりさんです。
今週もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
せばさん
「金をくれ一日分の命やる」
「コーヒーを飲むとき過去が流れ出す」
福村まことさん
「飽食の改札口に幻肢痛」
「不器用な出会いを恥じる秋茄子」
「満月を桂剥きする裁判所」
「行き暮れて信号無視の鍵括弧」
砂孤さん
「窓枠に嵌る月だけ抱き寄せる」
「チャンネルはコロポックルが変えました」
涼閑さん
「蟋蟀の声が眠りを深くする」
「鍵束を風にさらして軽くする」
「オスメイト言葉の向こうにあるひかり」
月波与生さん
「こいびとの耳のかたちを話し合う」
「ゆっくりと雲が流れる方が前」
徳道かづみさん
「愛される理由が欲しい萩の花」
「秋風に涙の熱を冷まされる」
「絶望が諦めるまで泳ぐのだ」
川端日出夫さん
「赤い羽根案山子の胸に刺しておく」
「満月にすすきはずっと笑ってる」
赤片亜美（あかびらあみ）さん
「皮噛まれ肉をすすられマスカット」
「犬の目に映るわたしよ美しく」
入り江わにさん
「パンプキン改名してる南瓜たち」
芍薬さん
「かさぶたのパッチワークで強くなる」
恵庭弘さん
「旨いモノ脂肪と糖で出来ている」
「アレルギー免疫機能の暴走よ」
「他人の飯を食べてみなさい」
「速度って観測地点で変わるのさ」
「神様だってタダじゃおかない」
一橋悠実さん
「君はもう他人として輝いている」
「もう少し待ってくれたら本気出す」
「アリの巣は平和だろうな靴を履く」
「菅内閣発足 祖父の白寿の日」
城水めぐみさん
「ほどほどがよかった角砂糖みっつ」
猫又さん
「危なげに刻むキャベツの五百切」
「朝ごはん一汁一菜映（ば）えは抜き」
「御の字をまだ重ねたい御味御汁（おみおつけ）」
今月の気になる作品
月波与生さん
「合鍵をなくしてしまう短編集」
＝短い物語集に入ってゆくための鍵。
マスターキーは作者のもの。
合鍵は読者の数だけ。
なくせば解けない迷宮の中でものがたりに囚われ続ける。
福本まことさん
「方舟の生真面目海を受胎する」
＝救われたき者を受け入れる方舟だろうか。
その生真面目は航行すべき海までも呑んだ。
やがて方舟はあらたな海を産むのだろう。
凉閑さん
「のけぞれば笑う月影のど仏」
＝月を見上げればその光に包まれる。
のけぞればその影の微笑みを見ることも叶う。
月影が選んで射すのはやがて骨壷のいちばん上に据えられるのど仏。
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は夕凪子さんが担当します。
なお、来月は「１１月」がテーマです。
次回の茉莉亜まりさんの登場は、１１月８日となります。
１１月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。