たからづかブリーズサンデー「川柳の時間」ブログ版
「川柳の時間」
今回の担当選者は、夕凪子さんです。
今月もたくさんの投句をいただきまして、ありがとうございます。
今月の投稿作品
林かずきさん
「連凧の足並み乱る初くしゃみ」
「初日記白いページに躍る夢」
「屠蘇呑み干し妻は晦日の荒い物」
一橋悠実さん
「溜めておく いずれはバネになるだろう」
「ここからが踏ん張りどころ冬木立」
ミサヲさん
「独り言に馴れて再び夜がくる」
文子さん
「ふと寂し溢れる物の中に居て」
千加子さん
「過不足なく暮らせる一日 冬うらら」
弘子さん
「初恋の人もどこかで同じ年齢」
高良俊礼さん
「サシバ啼く見たことのない絵のように」
「遠ざかるそれぞれの肩越しに霙」
涼閑さん
「送り仮名送った文字にさようなら」
「停電でリセットされる腹時計」
「とじるにもチャックがなくて困る口」
「借りてきた無口な猫は行儀いい」
朧(ろう)さん
「アルコール消毒をしてアンパンチ」
ハイジ63さん
「元旦という名の空気清浄機」
「元旦が過去のも連れてやってくる」
入り江わにさん
「密ですね神が日本の脈をとる」
「バスの列次第に間隔狭くなり」
「幸せが近くて見えぬ不幸せ」
「墓地ですかまだ死なんから要りません」
千春さん
「写真の私は覚えていないほど、うさぎ」
岡田深幸さん
「きみとぼく呼吸合わずに年明ける」
小林康浩さん
「「晴れでした」アリバイはすぐ崩される」
「通過列車見送るだけのショーがある」
恵庭弘さん
「後手後手が責任転換ひどいべや!」
「GoToトラベル 諸悪の根源」
「GoToトラベル GoToトラブル」
「誰の為に政治をやってる?」
「官房機密費 86億」
「つかみ金 86億マジですか?」
徳道かづみさん
「雪野原いつも未遂で終わること」
「しあわせになるはずだった薬指」
「神様に借りた命を使い切る」
城水めぐみさん
「敵味方息をひそめるみかん箱」
月波与生さん
「名前だけ書いたら泣いていいという」
「褒められているのはずるをしたところ
砂狐(さこ)さん
「五芒星乗せた牛車とすれ違う」
「始まりの終わりに付けた感嘆符」
川端日出夫さん
「しんしんと言わぬ雪だけ積もらない」
「いいようにラグビーボール転がらぬ」
「ジグザグに歪んだままの独楽の軸」
「大空に揚げた凧さえ粘る足」
「福袋どうでも良いと燃えぬゴミ」
猫又さん
「間違ったものだけ並ぶ選択肢」
「張り裂けた胸を繕い漏らす笑み」
小倉修一さん
「おお寒いよけいにやる気凍らせる」
「氷点下息に感じる冷やっこさ」
今月の気になる作品
猫又さん
「鬼からも受け取っていた黍団子」
=桃太郎も鬼も団子を配っていたとは知りませんでした。
いつの世もワイロに弱い者がいるのですから・・・
月波与生さん
「友達の友達だけを取り替える」
=周囲を刷新することで変化を待つ・・・
ということか。
友達はかけがえがありませんから。
一橋悠実さん
「まあいいやと言える隙間を空けておく」
=「まあいいや」は自他ともに深呼吸できる緩衝材。
諦めでも、妥協でもない、新しい何かが生まれる空間。
小林康浩さん
「姫りんご 君は転校生だった」
=少年の頃の淡い思い出。
全校の注目の的だった、コロコロと可愛らしい女の子が見えてくる。
「りんご」の平仮名表記が効果的!
みなさん、今週もたくさんの投句、ありがとうございました。
次回は茉莉亜まりさんが担当します。
なお、来月は「2月」がテーマです。
次回の夕凪子さんの登場は、2月14日となります。
2月の香りのする十七音字のドラマをお待ちしております。